職人の年収、今の自分はどの位置?最低賃金・日給・CCUSで比べる【その1】

皆さんこんにちは。

エンタです。

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閑話休題

 

自分の給料って、高いのか安いのか。

日給1万円。1万5,000円。2万円。

数字だけ見ても、年間に何日働くのか、賞与があるのかで話は変わりますよね。

今回は職人の給料を、最低賃金、日給から計算した年収、国が示すCCUSの目安、そして私の現場での実感で比べてみます。

給与明細を手元に置いて、自分が今どの辺りにいるのか確認してみてくださいw

公表されている数字と、私の経験や勘は分けて書きます。

金額は基本的に、税金や社会保険料を引く前の「総支給」です。口座に振り込まれる手取りとは違います。(ここを勘違いしないように)

1.最低賃金を月収・年収にすると、いくらになる?

まずは、自分が働いている地域を探してください。

下表は厚生労働省の2026年度改定額を、1日8時間・月22日で計算したものです。

22日は今回の比較用の設定で、統計上の平均出勤日数ではありません。

2026年10月11日時点では、まだ改定額が適用されていない県もあります。表は全て「2026年度の改定後の金額」でそろえています。 厚生労働省・全国一覧

計算は簡単です。

  • 月収=最低賃金×8時間×22日
  • 年収=月収×12か月

賞与・手当・割増賃金は含みません。

全国最低賃金マップ

自分の県の最低賃金を確認する

金額は円。労働時間は1日当たり、出勤日数は月当たりです。

番号・都道府県 最低賃金 労働時間 出勤日数 月収換算 年収換算
01 北海道 1,131 8 22 199,056 2,388,672
02 青森県 1,090 8 22 191,840 2,302,080
03 岩手県 1,090 8 22 191,840 2,302,080
04 宮城県 1,098 8 22 193,248 2,318,976
05 秋田県 1,090 8 22 191,840 2,302,080
06 山形県 1,092 8 22 192,192 2,306,304
07 福島県 1,094 8 22 192,544 2,310,528
08 茨城県 1,136 8 22 199,936 2,399,232
09 栃木県 1,125 8 22 198,000 2,376,000
10 群馬県 1,120 8 22 197,120 2,365,440
11 埼玉県 1,196 8 22 210,496 2,525,952
12 千葉県 1,195 8 22 210,320 2,523,840
13 東京都 1,280 8 22 225,280 2,703,360
14 神奈川県 1,279 8 22 225,104 2,701,248
15 新潟県 1,108 8 22 195,008 2,340,096
16 富山県 1,119 8 22 196,944 2,363,328
17 石川県 1,113 8 22 195,888 2,350,656
18 福井県 1,112 8 22 195,712 2,348,544
19 山梨県 1,113 8 22 195,888 2,350,656
20 長野県 1,117 8 22 196,592 2,359,104
21 岐阜県 1,121 8 22 197,296 2,367,552
22 静岡県 1,154 8 22 203,104 2,437,248
23 愛知県 1,195 8 22 210,320 2,523,840
24 三重県 1,143 8 22 201,168 2,414,016
25 滋賀県 1,136 8 22 199,936 2,399,232
26 京都府 1,180 8 22 207,680 2,492,160
27 大阪府 1,231 8 22 216,656 2,599,872
28 兵庫県 1,172 8 22 206,272 2,475,264
29 奈良県 1,107 8 22 194,832 2,337,984
30 和歌山県 1,101 8 22 193,776 2,325,312
31 鳥取県 1,090 8 22 191,840 2,302,080
32 島根県 1,092 8 22 192,192 2,306,304
33 岡山県 1,104 8 22 194,304 2,331,648
34 広島県 1,141 8 22 200,816 2,409,792
35 山口県 1,101 8 22 193,776 2,325,312
36 徳島県 1,103 8 22 194,128 2,329,536
37 香川県 1,092 8 22 192,192 2,306,304
38 愛媛県 1,093 8 22 192,368 2,308,416
39 高知県 1,086 8 22 191,136 2,293,632
40 福岡県 1,114 8 22 196,064 2,352,768
41 佐賀県 1,095 8 22 192,720 2,312,640
42 長崎県 1,087 8 22 191,312 2,295,744
43 熊本県 1,092 8 22 192,192 2,306,304
44 大分県 1,096 8 22 192,896 2,314,752
45 宮崎県 1,085 8 22 190,960 2,291,520
46 鹿児島県 1,090 8 22 191,840 2,302,080
47 沖縄県 1,086 8 22 191,136 2,293,632

※法的な最低月給・最低年収を定めた表ではなく、指定した時間・日数での換算です。

 

日給1万円を、時給に直してみる

日給10,000円÷8時間=時給1,250円。

日給で聞くのと、時給で見るのとでは、少し印象が変わりませんか?

東京都の改定額は時給1,280円なので、8時間分は10,240円です。日給1万円だけで比較すると、240円届きません。

厚生労働省の説明でも、日給は所定労働時間で割って比べる方法になっています。

別の手当がある場合は算入できるか確認が必要です。賞与や通勤手当などを、何でも足してよいわけではありません。

換算方法・対象となる賃金

まずは、自分の日給が地域の最低賃金とどれくらい違うのか。

ここが最初の確認です。

日給1万円を時給で見る

私が見てきた現場では、昔の職人は日給8,000円くらいからのスタートでした。

もっと前、私の感覚では今ほど労務管理が厳しくなかった頃には、日給6,000円からという現場もありましたw

これは当時の私の経験です。

その金額が法律上問題なかったという意味ではありません。(今の50歳前後の人はしているかもw)

今、私が初心者の入口として普通だと考えているのは、最低ラインで日給10,000~12,000円前後です。

全国統計の平均ではなく、私が見てきた現場での実感です。(うちも初心者で12,000~です)

これから職人になる人には、それ以下の日給の会社は、私は勧めません。

ただし、勤務時間、賞与、手当、年間に何日分の給与が出るかも一緒に確認してください。

同じ日給でも、年間に受け取る金額は変わります。

自分の日給は、年収にするといくら?

下表で、自分に近い日給を探してください。

14,000円以上の行も計算用の例です。「中堅なら必ずこの金額」「ベテランの平均はこれ」と決めたものではありません。

日給 月22日の月収 年264日の年収 年234日の年収
10,000円 22万円 264万円 234万円
12,000円 26.4万円 316.8万円 280.8万円
14,000円 30.8万円 369.6万円 327.6万円
16,000円 35.2万円 422.4万円 374.4万円
18,000円 39.6万円 475.2万円 421.2万円
20,000円 44万円 528万円 468万円

※日給×日数だけの試算。賞与・手当・割増賃金、有給休暇分の支払い等は加えていません。

例えば日給16,000円。

264日分なら422.4万円ですが、234日分なら374.4万円です。

30日分で48万円違います。

「あの会社は日給が高い」と聞いても、年間に何日分支払われるのかまで見ないと、年収は分かりません。

234日は、後で出てくるCCUS年収の説明に使われている年間労働日数です。比較のために並べています。国土交通省・算定条件

初心者・中堅・ベテラン。今どの辺りにいる?

私の感覚では、初心者から中堅になるまで3~5年。

そこからベテランになるまで、さらに5~10年くらいを見ています。

成長の段階 私の経験上の期間 今の自分を振り返る項目〈私の見方〉
初心者から中堅へ 3~5年 一人で任されている作業は何か
中堅からベテランへ さらに5~10年 段取り・判断・後輩への説明をどこまで担っているか

単純に足すと入職から8~15年ですが、人によって習得の速さも担当する仕事も違います。

これは私の経験上の目安で、CCUSの認定基準ではありません。

年齢だけで初心者・ベテランを決めず、今どんな仕事を任されているかも一緒に考えて見て下さい。

 

ちなみに監督は8年~が中堅で15年~がベテランの域かと思われます。

これには理由があって、監督として元請、下請を経験する回数が1年で限りが有ります。

しかも、現場条件や工種が多岐に渡るため、1個の工種を経験するに1年で1回しかないとか?ってなるので、とにかく時間が掛かります。

日給と働く日数で年収は変わる

3.CCUSには、国が示す職人の年収の目安がある

CCUSは建設キャリアアップシステムのことです。

簡単に言えば、現場での経験や資格などを記録して、技能の評価につなげる仕組みです。CCUS公式説明資料

国土交通省の年収資料には、技能レベルごとに「標準値」と「目標値」があります。

まず全国・全分野の数字を見てください。

レベル 技能の位置の大まかな説明 標準値 目標値
1 初級・見習い 395万円 535万円以上
2 中堅・一人前 444万円 599万円以上
3 職長として現場で働ける段階 472万円 664万円以上
4 現場をまとめる高度な管理能力を持つ段階 572万円 754万円以上

技能の説明はCCUS公式資料をかみ砕いたものです。年数や年収だけで認定レベルは決まりません。

年収は国土交通省・令和8年4月改定資料の全国欄です。

「国の希望する給料」ということ?

この数字を見ると、そう思う人もいるでしょう。

国土交通省の資料では、公共工事の設計に使う労務単価が賃金として支払われた場合を考えて、年収を算出したとされています。

目標値以上の支払いを推奨する一方、掲載額に法的拘束力はないと明記されています。

つまり、カードを取得すれば、自動でこの年収になるという話ではありません。

言葉の意味も分けておきます。

言葉 この資料での意味
標準値 調査対象の下位15%程度に当たる年収相当を基にした値
目標値 調査対象の平均以上の水準を基にした値

標準値と目標値は、最低額と最高額ではありません。 国土交通省資料・算出条件

そしてこの基準や指標は今のところ何の役にも立っていませんw

ただ、これを勘違いして都合よく解釈している人たちの出す数字にはなっていますw

鵜呑みにする必要は有りません。

あくまでも国が出している机上の空論ではあります。(今のところ)

初心者の日給と比べてみる

CCUS年収は、週休2日と夏季・年末年始休暇を考慮した年間234日、1日8時間という説明です。国土交通省・よくあるご質問

日給側も234日で計算すると、こうなります。

比較対象 年収
日給10,000円×234日 234万円
日給12,000円×234日 280.8万円
CCUSレベル1・全国標準値 395万円

日給12,000円を234日分払うと280.8万円。

全国レベル1の標準値395万円との差は114.2万円です。

ただし、日給側には賞与や手当を入れていません。地域や職種も違うので、この差だけで個々の会社の給与を判断することはできません。

それでも、最低賃金から計算した金額と、技能を基にしたCCUSの金額は、見ているものが違うということは分かります。

自分の地域の数字も見てみる

地域別CCUS賃金

出典:国土交通省「CCUSレベル別年収の概要」令和8年4月改定。公式資料

上の表は全国の数字、画像は地域別の比較用です。

地域別でも全分野をまとめた値なので、詳しく見る時は公式資料の職種別表も確認してください。

最低賃金・標準値・目標値の違い

4.エンタの経験と勘では、実際の職人の給与はどの辺りか

ここからは私の経験と実地と勘です。

全国の給与明細を集めた統計ではありませんw

現場監督を100とすると、職人は75~90くらいの給与になる、というのが私の実感です。

例えば監督の年収を600万円と仮定すれば、こうなります。

比較対象 給与の割合 年収の計算例
現場監督〈仮定〉 100% 600万円
職人〈私の実感〉 75~90% 450万~540万円

この600万円は説明用の数字です。

同じ年齢でも残業や責任、所属する会社は違います。監督との割合だけで、個々の職人の給与が妥当かどうかを決めるものではありません。

ただし、以前から書いているんですが、職人の給与アッパーは今のところ600~700万前後です。

これ以上の給料の方はあまり知らないです。

会社の規模感やその人の立ち位置、仕事のハードさにも差が出るでしょうけどね。

CCUSの標準値に、私の実際の実感を重ねる

CCUSとの比較については、

レベル1が85%、レベル2が90%、レベル3が95%、レベル4が97%程度では?って観点で。

今回は、その割合を全国の「標準値」に掛けた仮の数字です。

レベル 国の標準値 私の補正率 経験を基にした試算年収 標準値との差
1 395万円 85% 約336万円 約59万円
2 444万円 90% 約400万円 約44万円
3 472万円 95% 約448万円 約24万円
4 572万円 97% 約555万円 約17万円

※公表値は国土交通省の全国標準値。

補正率は私の経験・勘です。

表は1万円単位に丸めています。

私の見立てをこの形で計算すると、経験の浅い段階ほど標準値との差が大きくなります。

ただし、これは私がの経験や実際に基づいた割合による結果です。

全国の実際の平均値や中央値ではありません。

初心者の日給10,000~12,000円と、レベル1の約336万円も同じ数字ではありません。

入職直後なのか、ある程度仕事を覚えた人なのか。賞与や手当があるのか。

そこを確かめずに、一つの相場にまとめることはできません。

自分の給与の位置を確認する

自分の位置は、この順番で確認する

順番 見るもの 確認すること
① 足元 日給と所定労働時間 地域の最低賃金と比較。対象外の手当は除く
② 1年間 毎月の給与と賞与 手取りではなく税引き前で集計。残業代も別に把握
③ 技能 CCUSの認定レベル・担当業務 今の自分が担っている仕事を確認
④ 比較する位置 同じ地域・職種のCCUS年収 自分の年収と標準値・目標値との差を確認

例えばレベル2で年収400万円の人なら、全国標準値444万円との差は44万円です。

ただし、地域・職種や勤務日数、賞与・残業代の条件も確認する必要があります。

年収400万円だからレベル2、という逆の読み方はしないでください。

技能の評価と給与の位置は、別々に確認するものです。

今回は、職人が受け取る給与をいくつかの数字で比べてみました。

自分の日給だけでなく、年間の勤務日数や賞与まで並べると、今の位置が少し見えてくると思います。

では、その給与を支払っている会社は、いくらの売上が必要なのか。

次回は、会社側の数字を出してみようと思います。

 

それではまた。

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