皆さんこんにちは。
エンタです。

前回の続きです。
閑話休題
その1では、職人の多くが日給制で、雨で現場が止まれば収入が減る、その仕組みが定着の足を引っ張っているんじゃないか、という話を書きました。
今回のその2は、じゃあ会社はどうすればいいのか、という個人的考えです。
職人が選べる3つの給料コース
日給制と月給制、どちらか一つに統一する必要はないと思っています。
とにかく高い日給で稼ぎたい人。
家族のために毎月同じ額がほしい人。
将来は職長になりたい人。
いずれ独立したい人。
同じ制度で全員を満足させるのは無理です。
あくまで個人的な案ですが、会社がこんな選択肢を用意してはどうでしょうか?
と言うか、今更ですが、結局今の給料体系ってそれ程変えられないと思っています。
あくまでも今の形を明確にするだけの考え方だと思って下さい。
1つ目 毎月の給料が安定するコース
月給を決めて、雨で現場が止まっても給料は減らしません。
資格を取ったり、任せられる作業が増えたりしたら給料を上げます。
若手や、家のローン・子育てを抱えた職人向けです。
2つ目 働いた分だけ稼ぐコース
日給制のままで、日給を高めにします。
土木施工管理やこの業界の国家資格など、技能や資格ごとに単価を決めます。
日給制でも、会社に雇われている以上、休日・有給休暇・社会保険はきちんと付けます。
3つ目 職長になる人のコース
1つ目の月給に職長手当を上乗せします。
職長は若手に教えて、段取りを組んで、安全も見ます。
責任が増えても給料が変わらなければ、誰も職長をやりたがりません。
職長を引き受けた人が損をしないため。

月給にするなら無断欠勤は認めない
ここを抜かすと、月給制はうまくいかない。
雨で休んでも給料を払うということは、会社がその分のリスクを持つということです。
だからこそ、無断欠勤は認めません。
休む時は前日の午前中までに連絡する、当日の急な体調不良は朝の何時までに職長へ電話する、といった連絡のルールを最初に決めます。
安全のルール、服務規律もはっきり決めて、紙に書いて渡します。
決めるだけで終わらせず、守らなかった時にどうするかまで決める。
その1で書いたように、昔の現場には給料日の翌日に来なくなる職人もいました。
月給にしたら、そういう人がいなくなるとは思っていません。
ただ、給料を保証する代わりに約束を守ってもらう、という関係なら、職人の方も納得しやすいのでは?
職人を大事にすることと、無断欠勤を許すことは別の話ですからね。
と言っても朝一に体調不良と言われれば。。。。

人件費より職人が辞める損失を計算する
経営者は人件費を固定費として見ます。
仕事がなくても給料を払う制度に、リスクがあるのは事実です。
でも、職人が辞めた時の損失も同じ物差しで見てほしいんです。
経験者が辞めれば採用費がかかる。
新人を入れれば、教える時間と手間がかかる。
職長が辞めれば、班そのものが組めなくなる。
人が足りずに、取れたはずの工事を断ることもある。
これが今の人不足倒産にもつながって行きます。
月給を20,000円上げれば、年間240,000円の負担増です。
一方、経験のある職長が1人抜けて班が回らなくなった時の損失は、24万円では済まない。
その1で書いた令和5年度建築大工技能者等検討会の報告書では、大工を雇う事業所の2023年度の離職率が日給月払制で57%、月給制で39%でした。
大工の調査なので法面の職人にそのまま当てはめられるかは分かりませんが、払い方で辞める人の割合が変わる、という事実は出ています。
計算すべきは人件費(固定費)の安さではなく、1人の職人が長く残ることで会社に残る利益です。

私は昔から、職人には自由を好む人が多いと感じてきました。
給料が入れば遊び、怒られたら休み、しかし自分の腕で稼ぎたい。
そういう職人を何人も見てきました。
でも、雨で現場が止まった日に給料が出ないのは、職人が自由を好むからではありません。
日給制だと、天気や仕事量の波が、そのまま職人の給料に出てしまうからです。
私もかつてそれすら気にしなかったやり方でやってきた側です。
月給をもらいながら、自分の腕に誇りを持って働くことはできます。
日給で稼ぎたい職人は、日給のままでいい。
職人が自分で払い方を選んで、会社はその代わりに勤怠の約束を守ってもらう。
雨の日も給料が出て、腕を上げれば給料も上がる。
若い人に選ばれる建設業になるには、まず明確な線引きが大事な様に思います。
が、これがまた簡単で無い事もよく分かりますけどね。。。
最終的にはどの部分でも文句言われますから・・・
給料についてはバランスが大事だと思っています。
それではまた。



