建設業の外国人材と日本人の月給差|技能実習1号・2号・3号と特定技能の最新データを読む

皆さんこんにちは。

エンタです。

5月も後半に入って、少しずつ現場が動き出した感じですね。

今年はうちもなんとかギリギリ仕事が繋がっている様な感じであります。

で、最近どこの会社行っても外国人材の話になりますw

「今度ベトナムの子が入ってさ〜」「特定技能2号取らせるって言ってる」みたいな話。

もう、この流れはドンドン進みます。

そして今後は逆にその会社に入って来たり、出て行ったりの流れが大きくなります。


閑話休題

今回は、2026年5月19日付の建通新聞で出てた「建設技能実習生の給与額 3号で上昇顕著、30万円超に」という記事を起点に、
技能実習生1号・2号・3号、それから特定技能と日本人の月給差を、法面業者として考えてみたいと思います。
数字をしっかり並べて、現場の感覚と合ってるかも見ていきましょう。

そして、この数字を見て技能実習生を奴隷制度と言われる方々がどう思われるのか?その辺も気になりますね。。。

建通新聞のデータをまず素直に見る(2024年度実績)

建通新聞2026年5月19日付の記事によると、外国人技能実習機構のまとめで、建設分野で働く技能実習生の2024年度平均月額給与は次のような内訳でした。

現場で朝礼する日本人と技能実習生

区分(建設業) きまって支給する給与 特別な給与 合計(月額) 前年比
1号技能実習生 18万9,879円 8,700円 約19万8,579円 +1.1%/+14.1%
2号技能実習生 21万2,300円 3万6,298円 約24万8,598円 +4.6%/+18.9%
3号技能実習生 26万0,290円 5万6,595円 31万6,885円 +0.8%/−1.6%

技能実習・特定技能・日本人の月給規模感を6本の棒グラフで並べた比較

3号は2年連続で30万円超。全産業平均と比べると、1号は下回り、2号でほぼ並び、3号で3万6,256円も上回ったと書かれています
(建通新聞 2026年5月19日付/元データは外国人技能実習機構)。

ここで一旦、土木屋として「あ、現場感と合ってるな」と思ったポイントを書いておきます。

1号は来日1年目で日本語も技能もこれから、2号は2〜3年目で現場の動きが見えてきた、3号は4〜5年目で日本人の若手職人とほぼ同じ動きが出来る。

月給が階段状に上がるのは、まさにこの肌感の通りです。

日本人の建設労働者と比べるとどれだけ違うのか

ここがタイトルの本題ですね。

日本人と外国人材で月給はどれだけ違うのか。

厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」の建設業(産業大分類D)の数字をベースに、ざっくり整理するとこんな感じになります。

建設業の男性一般労働者の「きまって支給する現金給与額」は月およそ35万円前後、

年間賞与その他特別給与額を月割りすると合計でおよそ45万〜47万円台という規模感のようです。

※あくまで業界資料の傾向値として捉えてください。

※詳細な数字は厚労省サイトの「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」を直接見て下さい。

実習生と日本寺が一緒に弁当を食べる

この日本人ベースで並べると、ザックリこうなります。

区分 月給の規模感(概算) 日本人比
1号技能実習生 約19.8万円 約40〜45%水準
2号技能実習生 約24.8万円 約55%前後
3号技能実習生 約31.7万円~ 約70%前後
日本人(建設業 平均) 約45万円前後(賞与含む月割)※親方 100%

建設業の技能実習生1号・2号・3号の月給を比較した棒グラフの

数字だけ見ると「日本人は3号の1.4倍貰ってる」みたいに見えますが、これには大事な注釈があります。

日本人の45万円はベテラン・有資格者・残業多めの平均値。

技能実習生の数字は年齢層が20代中心、職長クラスはほぼ含まれない、というデータ構造の差があります。

つまり「同じ作業をしてる人同士で比べたら、ここまでの差は無い」というのが現場の実感です。

1号で日本人新人と比べたらまだ差はありますが、3号レベルになると、現場では日本人若手とほぼ同じ給与感覚で扱われてるケースも珍しくないですね。

しかも、実習生の場合は組合費、寮費などの会社負担がかなり多い。

地域にもよりますが、1人に付きざっくり5万~7万は実習生にコストが掛かります。

ということは、日本人よりもお金が掛かるって事が現実に起きています。

特定技能1号・2号は?「日本人同等以上」が国交省ルール

ここからが、技能実習との違いがハッキリ出るところです。

特定技能(建設分野)には、国土交通省の「建設特定技能受入計画」認定という別ルールが入ります。

これは、特定技能で外国人材を雇う建設会社は、雇用条件を国交省に提出して認定を取らないとダメ、というルールです。

「建設特定技能受入計画」の認定書類が机上に置かれ、ハンコと書類が並ぶシーン

ポイントは、報酬要件で

「同等の技能を有する日本人が従事する場合と同等以上の報酬を安定的に支払い続けること」

「月給制であること」

が必須化されている事。

つまり制度設計の段階で「日本人と同じ給料を払え」と決まっているわけです。
国土交通省「建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針」。

具体的な平均月給は、出典によってバラつきがあります。

  • 出入国在留管理庁の少し古い令和3年データでは、建築分野の特定技能外国人の平均月給は約28万5,339円
  • 2024年前後の業界資料の傾向としては、建設特定技能(1号)でおおむね月25〜30万円。
  • 特定技能2号は、現場の班長・職長クラスを担うため、月30万〜40万円まで届くケースも。

特定技能になれば日本語も仕事も有る程度しっかりしているので会社としてはかなり重宝します!

なんなら日本人以上のバイタリティーです。

区分 月給の規模感(建設分野・概算) 制度上の縛り
1号技能実習生 約19.8万円 最低賃金以上(実質下限スレスレも多い)
2号技能実習生 約24.8万円 最低賃金以上
3号技能実習生 約31.7万円 最低賃金以上
特定技能1号 約25〜30万円 日本人同等以上+月給制+建設キャリアアップシステム登録
特定技能2号 約30〜40万円 日本人同等以上、職長クラス想定
日本人(建設業平均) 約45万円前後

特定技能のポイントは「金額が高い」というより「日本人と同じレールで払う事が制度として要求されている」という所です。

技能実習が「育成」の枠組みなのに対し、特定技能は「労働力として一人前」として扱われる。

だから月給も日本人と同等の出発点になります。

そして、ここにも組合費などのランニングコストはあります!

技能実習・特定技能・日本人の月給棒グラフ

なぜ建設業は1号→2号→3号の上昇幅が大きいのか

建通新聞の記事でも触れられていますが、建設業は他産業と比べて、1号→2号→3号への移行時の月給上昇幅が顕著です。

これには理由があります。

ひとつは技能の習熟が処遇に直結しやすいという業界構造。(分かりやすい業種ではある)

法面屋でいうと、ラス張りが出来る、法枠が組める、コテが使えるなどこういう一段一段の習熟が、そのまま現場での「使える度」に直結します。

日本人若手で言うと、1年目と4年目では現場の頼り方が全然違う。

それと同じ事が技能実習生にも起きているという話です。

日本人も同じですけどねw

ぶっちゃけ、うちらみたいな中小の法面屋にとって、3号や特定技能2号は「日本人のベテランが減っていく中で、現場を回す主力」になりつつあります。

日本人の若手が入ってこない以上、技能実習で職人を育てる流れは、もう避けて通れません。

結局これは「単価」と「キャリア」の話なんですよ

数字を並べてきましたが、現場の人間として一つだけ強調しておきたい事があります。

建設業の外国人材の月給が上がっているのは、単純に「外国人だから上げた」のではなく、

国交省が公共工事の労務単価を毎年改定して、業界全体の単価を底上げしている流れと連動しています。

労務単価が上がる→元請の見積が上がる→下請の手間請けも上がる→技能実習生も特定技能も日本人も、結局みんな上がる。

この一連の流れがあって、初めて3号で31万、特定技能2号で30〜40万、日本人で45万、という水準が成り立っています。

うちらみたいな中小の法面屋で「外国人材なら安く使える」という発想は、もう2026年の現場では完全に成り立ちません。

3号技能実習生が日本人後輩に削孔機の使い方を教えている

そもそもがあり得ない構造なんですよね。

奴隷制度?バカなんじゃないか?って思いますwww

この給料みてどう思うんでしょうか??

 

特定技能なら制度的に日本人同等以上、3号実習生でも30万超え。

「安くて若い労働力」ではなく、「金額に見合う技能を発揮してくれる戦力」として向き合わないと、

彼ら自体も居なくなります。

困るのは我々って事です。

 

ただ、数字を素直に見ると、技能実習生も特定技能も「日本人の若手と全く同じ!」

これからの現場で生き残るには、出身国がどこかではなく、

「現場で何が出来る人なのか」で評価していく姿勢が、結局一番大事なんだと思ってます。

 

それではまた。

技能実習生が3年目、3号になるとかなりの戦力で手放せなくなる!

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