皆さんこんにちは。
エンタです。
先日ネパールに行っていた時の話しで、一緒にいた社長と今後の技能実習生の未来や、過去の日本の事を話していました。
その中で技能実習生も丁稚奉公に似ているよね?
って話しになって
「丁稚奉公(でっちぼうこう)」ってアレですよ!
時代劇とかで出てくる、住み込みで店や職人の家に入って、給料はほぼ無し、技術を覚えながらこき使われる、アレですw
で、ふと思ったんですよ。
「アレ?コレって技能実習生とめっちゃ似てないか?」と。

閑話休題
今回はちょっと工事の話から離れて、この「丁稚奉公」と「技能実習生」、似てるようで何が違うのか、
そして2027年に技能実習生の仕組みがどう変わるのかを、私個人の目線で考えていこうと思います。
そもそも丁稚奉公ってなんだったのか
まず丁稚奉公です。
丁稚奉公というのは、江戸時代から昭和の初め頃まであった、年少者が商人や職人の家に住み込みで入って、雑用をこなしながら商売や技術を覚えていく仕組みです。
有名人で行くと松下電器(現パナソニック)の松下幸之助さんが代表格でしょう!(超偉人)
給料?
ほぼ無いです。
正確に言うと、衣・食・住は奉公先が面倒を見て、小遣い程度の不定期な給金をもらっていた、というのが実態だったようです(ネット調べ)。
親元には年に数回しか帰れない。
朝から晩まで働く。
それでも当時は「奉公先が決まることは幸運」と受け止められていた、とも言われています。
なぜか?
技術を覚えられて、運が良ければ「のれん分け」で自分の店を持たせてもらえたからです。
松下幸之助さんは9歳から火鉢屋・自転車屋で丁稚奉公をやって、そこから身を起こした人です
つまり丁稚奉公は、「タダ働きの搾取」という側面と、「技術を身につけて独立する登竜門」という側面の、両方を持っていた仕組み!
今思えば驚愕な仕組みですが、理に叶っていますよねー
技術はタダでは無いという事。

なぜ丁稚奉公は「違法」になったのか
丁稚奉公は、今の日本ではやったら違法です。
この話をネパール人に話ししている時に、調べながら話ししていて我々も初めて知りましたw
昭和22年(1947年)に施行された労働基準法、この第69条が引っかかるらしいです。
条文をそのまま噛み砕くと、こういう下記の内容。
「使用者は、徒弟・見習・養成工など、名称が何であっても、技能の習得を目的とする者であることを理由に、労働者を酷使してはならない」
つまり、
「技術を教えてやってるんだから、給料はナシな」
「修行なんだから、タダで働け」
コレがもうダメになったわけです。
「そんなに技術を教えたいなら、ちゃんと最低賃金を払ってから教えろ」
というのが、この法律の趣旨の様です。(この辺になると言葉遣い難しくて・・・)
要するに、「技術習得を口実にした安い労働」を国が禁止した、という事です。
ここ、めちゃくちゃ重要です。
覚えておいてください。

技能実習生って、コレに似てませんか?
ここで技能実習生を見てみましょう。
技能実習制度は、もともと「開発途上国への国際貢献」という建前でスタートした仕組みです。
日本の技術を学んでもらって、母国に持ち帰ってもらう、と。
実際の流れ。
・外国から若い子が日本に来る
・日本の現場で技術を覚える
・給料をもらう
・その給料の一部を母国の親に仕送りする
・最終的に技術を覚えて母国に帰る、もしくは日本に残って稼ぐ
………。
ん?
なんか、覚えありませんか?コレ。↑↑↑w
「技術を覚えながら働く」
「親元を離れて住み込み的に頑張る」
「稼いだお金を親に送る」
完全に現代版の丁稚奉公の雰囲気じゃないですかw
しかも実習生が頑張って仕送りすれば、母国の親はいい生活ができる、と。
丁稚が頑張って、いつか故郷に錦を飾る、みたいな構図とそっくりですよねー!
実習生の未来の話しをしてて、ココで丁稚奉公じゃん!!って話しになったんです!
決定的に違うのは「給料が出る」こと
ただし、決定的に違う点があります。
技能実習生は、ちゃんと給料が出ますwww(当然ですねwww)
最低賃金が適用されるんです。(が、最低賃金では人は来ない現実)
ここがさっきの労働基準法69条のラインなんですね。
「給料が出る」から、丁稚奉公みたいに「違法」とは言われない。
逆に言うと、最低賃金すら払わなかったら、それは技能実習でも何でもなくて、ただの違法な搾取です。

給料は出る。でも「構造」はやっぱり似ている
じゃあ給料が出るから全部解決か、というと、そう単純でもないのが正直なところです。
技能実習制度は、ずっと色んな批判を受けてきました。
「失踪が多い」「実態は安い労働力として使われている」「奴隷制度」「人権侵害」
こういう声は、業界にいれば誰でも一度は聞いた事があると思います。
つまり「給料が出る」というラインは越えているけど、「技術習得を口実にした安い労働になってないか?」という、
丁稚奉公が違法になったのと同じ問題点を、実は今も抱えているわけです。
ここがね、私が一番モヤッとするところなんですよ。
うちみたいな現場で言うと、外国人の子は本当によく働きます。
真面目だし、みんな必死になって仕事を覚えてくれる!
でも、その子に「日本の技術を本気で持って帰ってもらう」事を、受け入れる側が本気で考えているかというと………正直、怪しい会社も多いと思います。
うちらがやっている法面屋。海外でやってるの?
アンカー打ってる発展途上国あるの?
って言われると確かに疑問視です。
「人手が足りないから来てもらってる」
「日本人はこの業界に来ないし、外国人は真面目に働いてくれるから助かる」
「日本人の若い子に期待していない」
本音はコレな会社、けっこうあるんです。残念ながら。
そうなると、看板は「国際貢献の技術習得」でも、中身は「現代の丁稚奉公」に限りなく近づいていく。
技術を教える気がないなら、それはもう丁稚奉公の悪い面だけが残ってしまう、という話です。
と言っても最近の傾向として、外国人絹実習生から特定技能に上がった超優秀層が職長でいるんです。
各社ドンドンその持てる技術を彼らに渡して行っています。

2027年、その「現代の丁稚奉公」が見直される
実は技能実習制度は廃止が決まっているんです。
2024年に改正法が成立し、技能実習制度は廃止され、新しく「育成就労制度」へ移行する事が正式に決まっています。
施行日は2027年4月1日です。
これは2025年9月26日の閣議で決定されています。まぁ国民批判が大きいからでしょう。
と言っても、我々の業界や技能実習生に関係の無い部外者の声がマスコミの偏向報道によって大きくなって、
変えざるを得ない状況?の様な気もしますが。。。
で、この育成就労制度、何が変わるかというと、ざっくりと。
・建前だった「国際貢献」を捨てて、「人材確保と人材育成」を目的に
・条件付きで、本人の意思による「転籍」ができるように
つまり、今までの「技術を覚えて母国に帰る(建前)」から、「日本でちゃんと育てて、日本で戦力になってもらう」方向に、ハッキリ舵を切るわけです。
丁稚奉公は「のれん分け」で独立できる道がありました。
育成就労では「転籍」という、自分で職場を選び直せる道ができる。(職種が合う合わないがあるので非常に良いと思います。)
「いつまでも合わない職種で縛り付けない」という方向性なんですね。
歴史って、形を変えて同じところをグルグル回ってるんだなと、感慨深いですよね。
結局、受け入れる側の覚悟が問われている
丁稚奉公が違法になった理由は、シンプルです。
「技術を教えるという建前で、人を安く酷使するな」
ただそれだけ。
技能実習生が批判されてきた理由も、根っこは同じだと私は思っています。
「国際貢献という建前で、人を安く使ってないか?」と。
そして2027年からの育成就労は、その建前そのものを取っ払って、
「ちゃんと育てて、ちゃんと戦力にする」という所に正面から向き合う制度になります。
要は、誤魔化して雑工ばかりやらせるなと言う事ですね!
残念ながら中には悪質にな業者が居るのも事実です。
うちみたいな法面の現場は、これからますます人が足りなくなります。
以前も書きましたが、災害は増える一方で、法面屋の仕事の需要は減りません。
でも、やれる人間はどんどん減っていく。
だから外国人の力は、もう絶対に必要なんですよ。

丁稚奉公だって、悪い奉公先もあれば、松下幸之助さんを育てた奉公先もあったわけです。
結局、制度がどう変わろうが、最後に問われるのは受け入れるこっち側の覚悟なんじゃないかと。
技術を持って帰ってもらうにせよ、日本に残ってもらうにせよ、「あの会社で覚えて良かった」と思ってもらえる現場に、現場にしたいですよね。
うちもまだまだ偉そうな事を言える立場じゃないですけどねw
でもまぁ、そういう現場を作っていくのが、これからの建設業界の生き残り方なんだと、思いました。
皆さんはどの様に思われますか?
それではまた。



