皆さんこんにちは。
エンタです。
お盆も過ぎて、ようやく現場の暑さも少しはマシになってきたかなというところですが、まだまだ油断すると熱中症が怖い時期ですね。
水分と塩分、しっかり摂って行きましょうw
閑話休題
今回は、鉄筋挿入工やグラウンドアンカー工でグラウト(セメントミルク)を注入する際に、注入ホースの中で圧が抜けずに破裂してしまうトラブルと、その対処法についての話です。
以前このブログでも少し触れた内容ですが、今回はもう少し踏み込んで、原因と実際にやっている技?まで、書いていきますw
なぜ注入ホースは詰まって破裂するのか

グラウト注入を行っている最中に、急に圧力が掛かってホースが破裂した、という経験がある方は結構多いんじゃないでしょうか。
現場では、鉄筋挿入工などの注入ホースが詰まる原因は、だいたい次の2つに集約されます。
- 削孔した孔の中で土砂がホース内に入り込んでしまう(内圧が強い)
- ホース自体が孔の中で折れ曲がってしまう(先端が引っ掛かかる)
どちらの場合も、ホースの中を通れなくなったセメントミルクの逃げ場がなくなり、ポンプ側の圧力だけがどんどん上がっていきます。
その結果、ホースの弱い部分から一気に圧が抜けて、破裂という事態になるわけです。
ちなみに、ポリホースの最大圧力は0.5MPAです。
これを来れると一気にどこかが破裂します!
破裂した瞬間は、セメントミルクが辺り一面に飛び散りますし、勢いによっては怪我にもつながりかねないので、正直あまり気持ちのいいものではありません。
だからこそ、詰まりそのものを完全にゼロにする事を目指すよりも、詰まった時に安全に圧を逃がす仕組みをあらかじめ組んでおく方が、現実的な対策です。

これを防ぐための基本として、注入ホースの設置位置は孔の先端よりも少し上にしておく事をおすすめしています。
先端ギリギリに合わせるより、若干上に設置した方が先端が閉塞しにくく、また先端を斜めにカットしておくと挿入時の抵抗も減ります。
ただ、それでも100パーセント詰まりを防げるわけではないので、詰まった時にどう圧を逃がすかという発想が大事になってきます。
圧を逃がすという発想|Vカットとその弱点

詰まった時に圧を逃がす方法として、昔から現場でよくやられてきたのが、ホースの先端から1メートル程度の位置にVカットの切込みを入れておくやり方です。
上記写真のように、ホースの側面をVの字にカットしておく事で、詰まって圧が上がった時に、そこから圧を逃がせるという仕組みですね。
理屈としては間違っていないんですが、正直このVカット、結構面倒なんです。
刃物でVの字を作る作業自体に手間と危険が伴いますし、しかもVカットの位置からは、本来出したい先端よりも先にセメントミルクが出てしまう事があります。
「圧は逃がせるけど、狙った場所にちゃんと注入できているか分かりにくい」というのが、Vカットの正直な弱点です。
カッターで縦・横に切り込むだけで解決する方法

そこで、Vカットよりも簡単で、私が現場で長年やっている方法がこちらです。
上記写真のように、カッターでホースに縦方向の切り込みを入れるだけ、というシンプルな方法です。
1メートル、2メートル、3メートルというように、適度な間隔で切り込みを入れておきます。1箇所だけでも構いませんが、
圧が掛かりやすいと分かっている現場では、少し多めに入れて調整すると安心です。
通常どおり最下部の先端からセメントミルクが出ている間は、カッターの切込み部分からは何も出てきません。
万が一詰まって圧力が掛かった時だけ、切込み部分から「ブシュッ」という感じで圧が逃げてくれるので、ホースが破裂せずに済むという仕組みです。

縦の切り込みよりも、上記写真のように横方向に切り込みを入れた方が、より低い圧力で逃げてくれる感覚があります。
Vカットが刃物での手間と危険を伴うのに対して、この方法はカッターをグッと差し込むだけで切り込めるので、比較的簡単で安全にできる方法です。

横方向の切り込みであれば、上記写真のように剪定ばさみでホースをスパッと切るだけでも代用できるので、もっと手軽です。
ただし、横方向は切りすぎるとホースそのものが使い物にならなくなってしまうので、最初のうちは少し練習してから本番に臨む事をおすすめしますw
不器用な人はどっちにしろ手を切る!?w
現場での使い分けと。。。
Vカットにこだわる方も現場には一定数いますし、それを否定するつもりはありません。
役目としてはVカットもカッターの切込みも同じだからです。
ただ、私自身は変なコダワリよりも、少しでも手間と危険を減らせる方法を選びたいです。
削孔・注入という作業は、地味に見えて地盤の中がどうなっているか完全には見えない仕事です。
だからこそ、圧を逃がす仕組みだけは、シンプルで確実な方法にしておきたいと思っています。
道具も特別なものは要りません。カッターナイフ1本、あるいは剪定ばさみがあれば現場ですぐに試せるので、
コストも手間もほとんど掛からないのが、この方法の一番いいところだと思います。
ホースが破裂して周りにセメントミルクが飛び散る、なんて事態は誰も得をしませんからねw
もし現場で同じようなトラブルに困っている方がいたら、Vカットにこだわらず、カッター一本の方法も試してみてもらえたらと思います。
ただし、最近はカッターナイフを禁止しているゼネコンもいると言う。。。。
大手ゼネコンがドンドンバカな事になっていますね。
なんでも禁止すれば良いと言う考えはどーなんですかねー・・・
それではまた。



