建築士会でセミナー90分|法面工事で擁壁を止められる理由と、建築と土木の見えない壁

皆さんこんにちは。

エンタです。

先日、東京の建築士会さんでセミナーをやらせていただきました。
テーマは「山も地盤も擁壁も」という事で、まるっと90分喋ってきましたw

建築関係って、正直うちら法面屋とは普段ほぼ無縁の世界なんですよ。
それでもこうやって声を掛けていただけるのは、本当にありがたい限りです。

閑話休題

90分の中身は、経歴から法面工事の基本工種まで

まずは私の経歴から入って、「そもそも法面屋とはなんぞや?」という所を説明させてもらいました。
そこから法面工事の基本工種を、一通りです。

  • 鉄筋挿入工(ロックボルト工)
  • グラウンドアンカー工
  • モルタル吹付工
  • 法枠工
  • 水抜きボーリング工

この5工種ですね。
建築の方からすると、日常で見る機会がまず無い工種だと思います。
なので写真多めで、「こういう機械を斜面に据えて、こういう順序で打ち込んで、こう定着させます」という所を、なるべく現場の絵が浮かぶように喋りました。

法面セミナー

なぜ法面工事で擁壁を止められるのか?

「なぜ法面工で擁壁を止められるのか!?」という話ですね。

ぶっちゃけ、うちらからすればそこまで難しい話でもないんですよ。
擁壁そのものと戦うのではなく、擁壁の背面にある地山ごと補強材で縫い付けてしまえばいい。

それだけの話です。

これ、考え方の出所がちゃんとあります。
地山補強土工法設計・施工マニュアルでは、擁壁や各種のり面工といった従来の斜面安定化技術を「地盤の内部には働きかけない外部対策」と位置付けていて、それに対して補強土工法はアンカーや排水工などと同じく「地盤内部に働きかける内部対策」である、と書かれています。

外から受け止めるのが擁壁、中から縫うのが我々の工事。
土圧を受け止める側の負担そのものを軽くしてやれる、というのがミソですね。

さらに同マニュアルには、補強材の配置について経験的な目安もしっかり書かれています。

群効果を避けるための最小打設間隔が1.0m、道路基準での最大打設間隔が1.5m(周面摩擦抵抗が十分期待できる岩盤などで、剛な表面材を一体化させる事を条件に2.0mまで)。

補強材長も、道路基準で最小2m程度・最大5mといった具合です。

つまり、経験則ベースの目安がここまでしっかり書かれている工法なんです。

(と言っても実際はこんなもんで言いやろ!って決まった経験的手法設計 本人談)
だから「経験的手法でかなりの擁壁は止められる」という感覚は、決して当てずっぽうではないんですが、今までの経験が事実になった的なw

と言っても、実際の仕事では当然しっかり設計します。「経験でイケると分かっている」のと「経験だけでやる」のは全然違いますからね。

役所にも通らないですし、施主も不安になっちゃうので。

擁壁背面の鉄筋挿入補強断面図

質問タイムで判明、法面屋は100%知られていないw

そして質疑応答でイロイロ聞かれたんですが、なにより衝撃だったのがコレ。

法面屋という職業を知らない方が、ほぼ100%でしたwww

我々、世の中に全然知られておりませんw
「土木屋さんが全部やってるんだと思ってました」との事です。
というか、土木の工事自体の認知もかなり薄かったです。

若干知ってはいるけど、中身までは……という感じでしたね。

建築と土木って、完全に棲み分けられていて、お互いの事を本当に一切知らないんだなと。
逆に言えば、こちらから出て行って喋れば、それだけで価値になるという事でもあります。
こういう法面屋の広報活動は、今後ももっと続けていこうと思っていますw

しかし90分も喋ると、やはり結構疲れますね。
私は人前で喋るのは嫌いじゃないので楽しくやってるんですが、そこに至るまでのスライド作りがメチャクチャ大変で……
内容がマニアックなので尚更です。

建築の方に鉄筋挿入工の削孔の話をどこまで噛み砕くか、みたいな所で延々悩みますからね。

法面工事セミナーの質疑応答

閑話休題、新大久保のカプセルホテルが未来だった

話は変わりますが、その日泊まった東京・新大久保のカプセルホテル。
これがメチャクチャおしゃれなんですよ!

新大久保のカプセルホテル

未来感ありますよね!?
中も綺麗で、快適そのものでした。

そしてなにより外国人だらけ
完全に海外に来た気分になりました。こういう所はイイですね、刺激があって。

新大久保のカプセルホテル

で、朝に前の席に座っていた外国人のおっさん。
シャツに笑いましたwww

外国人 Tシャツ

絶対に鹿児島に行ってる!!

 

セミナー講師も含めて、いい一日だったんですが。
帰りに腰をやられて帰って来ました・・・・w

結局、我々の仕事って現場でも人前でも、知ってもらわないと始まらないんですよ。
擁壁がなぜ止まるのか、誰が止めているのか。
それを説明できる人間が業界に足りていないだけで、需要は確実にある。
腰をやってでも喋りに行く価値はあった!www

 

それではまた。

法面屋が考える擁壁補強工(その1)

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