ICT法面工は現場で本当に使えるのか?|3次元測量と出来形管理を現場感覚で考える

皆さんこんにちは。
エンタです。

ここ数年の流れで、建設業界ではICT、DX、AI、3次元データなど、横文字がガンガン出てきますよね。

正直なところ、現場にいると、「それ、法面で本当に使えるの?」

って思う人も多いと思います。

まぁ監督は結構使っているけど、実際どうなのよ?的なね。

土工なら分かるんです。バックホウにマシンガイダンス付けて、ブルドーザーが自動制御して、ドローンで土量を測る。

まぁイメージしやすい。

でも法面工って、そんなに単純じゃないんですよね。

勾配はキツいし、地山はデコボコ。

ラス張って、アンカー打って、モルタル吹いて、法枠組んで、出来形を見て、写真を撮って、書類を作る。

全部が机上通りにいかないのが法面ですよねw

今回は法面屋向けに簡単に書いてみます。

ICT法面工は現場で本当に使えるのか?

ICT法面工とは何をする工事なのか

国土交通省や国総研の資料を見ると、ICT法面工は、法面工の施工プロセスでICTを活用するものとしています。

ICT法面工の主な流れ

資料上では、主に以下の流れが示されています。

  • 3次元起工測量
  • 3次元設計データ作成
  • 3次元出来形管理等の施工管理
  • 3次元データの納品

ただし、ICT法面工はICT土工の関連施工工種として実施する扱い。

つまり、法面工だけが単独で一気に全部ICT化されるというより、土工や切土の流れの中で法面部分にも3次元データを使うイメージに近いと思います。

ICT法面工の流れ

現場で使いやすいのは測量と出来形管理

では、ICT法面工は使えないのか?

私は、使える部分と、まだ人の判断が必要な部分を分ければ、かなり使えると思っています。

起工測量はかなり相性が良い

昔は、法面の測量と言えば、危ない所に人が入って、巻尺、スタッフ、プリズムを持って、汗だくで測っていました。

もちろん今でも必要な場面はあります。

ただ、UAV写真測量、レーザースキャナ、TS、GNSSなどを使えば、人が入りにくい場所を3次元で把握はしやすくなります。

特に危ない法面、崩壊後の現場、災害復旧、急傾斜地では、測量のためだけに人を入れるリスクを減らせる可能性があります。

実際うちもドローンでの測量や数量等の対応を1次下請には行っています。

出来形管理の説明材料になる

出来形管理でも、3次元データがあると説明しやすい場面があります。

例えば、発注者や元請に対して、施工前と施工後の差を見せる。設計データと実測データを重ねる。ヒートマップで出来形を確認する。

これらは、紙の図面と写真だけで説明するより、伝わりやすい場合があります。

危険箇所を3次元で確認する

ICTだけでは法面工は完結しない

ただし、ICTは万能ではありません。

木が被っている、オーバーハングしている、湧水がある、暗い、狭い、電線が近い。

そんな現場はいくらでもあります。

法面工には現場判断が残る

法枠工もモルタル吹付も、図面通りにきれいに進む現場ばかりではありません。

地山が波打っている場所で、設計データ通りの美しい3Dモデルだけ見ていても、現場では「ここ、どう納める?」が必ず出ます。

ロープ作業、吹付の肌感、地山の変化、削孔時の音、湧水の出方。

この辺は、まだまだ人間の経験が強いです。

ICTは道具です。

判断そのものを全部代わりにしてくれるものではないと言う事ですね。

あくまでも道具とした時に、良い部分と悪い部分があるのは当然。

なので上手く使うんです。

あとはデータを読める人を育てること

現場で本当に使うなら、問題はソフトや機械よりも「誰が分かるのか」です。

3次元データを作れる外注業者に丸投げして、現場監督が中身を理解していない。

これだと、たぶん使い切れません。

ヒートマップを説明できるか

出来形管理のヒートマップが出ても、

  • この赤い所は何を意味しているのか
  • 規格値に対してどう説明するのか
  • 設計変更に使えるのか
  • 検査でどう見せるのか

ここを現場側が分かっていないと、ただのキレイな資料で終わりますw

ICT法面工で本当に大事なのは、機械を買うことではなく、現場の人間が3次元データを読めるようになることだと思います。

ここで、知らない方のために、ザックリ

  • 暖色系(赤やオレンジ): 設計面よりも高く盛り上がっている箇所(削り不足)
  • 寒色系(青や水色): 設計面よりも低く沈んでいる箇所(掘り過ぎ・不足)
  • 緑色: 設計通りの高さ・形状になっている箇所

これからの法面工事

ICT法面工はこれからの現場を助ける道具になる

国交省はi-Constructionについて、ICTの活用で建設現場の生産性向上を図る取組として説明しています。

建設分野では生産年齢人口の減少も課題として示されており、生産性向上や安全性確保を進めたいという流れです。

人が減る。

若い子が入らない。

でも現場は無くならない。

そう考えると、ICT法面工は「便利そうだから使う」ではなく、これから現場を回していくために覚えておいた方が良い道具だと言う事ですね。

最初から完璧にやらなくて良い

まずはドローン測量の成果を見る。

iPhoneのLiDARを使う。

点群を触ってみる。

ヒートマップを発注者説明に使ってみる。

出来形写真と3次元データを並べてみる。

そのくらいからで良いと思います。

イマドキって結構役所も分かっていますし、ソフトウエアがかなり使えるので楽に出来ますし。

 

法面工は、昔から危ない、キツい、特殊と言われてきました。

だからこそ、新しい道具で少しでも安全に、少しでも分かりやすく、少しでも若い人が入りやすい現場にしていく必要があります。

ICT法面工は魔法ではありません。

でも、使い方を間違えなければ、現場を楽にする武器にはなると思います。

来週の幕張メッセでCSPI2026が開催されます。 CSPI2026

私も18日に行くのでもしも見つけたら声かけてくださいw

こう言った新しい技術や最新のソフトにも触れてイロイロ今後の事も考えて見ましょう!

 

それではまた。

ICTの波は止まらない|建設ICTとドローン展開図

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください