法面で水をコントロールする|若手監督が覚えたい流速を落とす段差と水の分散

皆さんこんにちは。

エンタです。

最近、身体の深部体温をどうやったら一気に冷やせるか?って事をズーッと考えています。

それが熱中症対策になると思って。

イロイロあったのでまた書きますw

熱中症対策

閑話休題

今回は「水」の話です。

のり面の仕事は、ザックリ言うと水との勝負。

若手の監督さん向けに、出来るだけ分かりやすく書いてみます。


のり面の一番の敵は「水」です

そもそも、のり面はなぜ壊れるのか。

崩壊の多くには、水が絡んでいます。

日本道路協会「道路土工-切土工・斜面安定工指針」でも、のり面の排水は表流水や湧水による浸食・崩壊を防ぐ目的で計画・設計するとされています。

水の力ってもの凄く強いんですよ。

コンクリートの構造物でさえ壊しますからね。

雨が降ると、法面の上の自然斜面から水が集まってきて、法肩から一気にのり面を走ります。

この時、水の勢い(流速)が速いほど、表面の土を削っていきます。

コレが浸食です。

浸食が進むとガリ(雨裂)になって、放っておくと表層崩壊につながります。

最初は指が入るくらいの小さい溝なんですが、次の大雨で一気に深さ30cmくらいまで育つ事もあります。

だからのり面工事では「水をどこに、どのくらいの速さで流すか」を考えるのがメチャ重要なんです。

土の斜面と雨の流れ


流速を落とす仕掛けは「段差」です

ザックリ言うと、水の勢いを殺す一番簡単な方法は「何かにぶつける」。

法肩や法面横に仮設水路を作る時、モルタルでわざと段差を作ります。

水がストレートに走らず、段差にぶつかる度に流速が落ちるんですよ。

この原理、実は皆さんの身近にもあります。

川です!

川には落差工という段差が沢山作ってありますよね。

一旦ある程度水を溜めて、オーバーフローした分だけ流していく。

これだけで流速が落ちて、流れが穏やかになります。

昔ながらの小さい川の段差は、魚道も兼ねていたりします。

鮎とかですねw

流速を落として浸食を防ぐ

現場の仮設水路も、理屈はコレと同じです。

ちなみにこの段差、大袈裟な物じゃなくていいんです。

吹付や法枠の残りモルタルで、水路の底に数cmの山を作ってやるだけ。

お金も手間もほとんど掛からないのに、効果は大きいです。

段差なしの水路と段差ありの水路では、大雨の時の水の走り方がハッキリ違います。

流速を落とせば浸食を防げて、浸食を防げれば崩壊も防げる。

この順番です。

排水路と水流の景観


法肩に「コブ」を作って水を分散させる

もう一つ、よくやるのが、法枠工の法肩の傾斜部にモルタルで小さなコブを作る方法です。

法肩を水がストレートに走ると、一番弱い所に水が集中して、そこから浸食が始まります。

そこで法肩にちょいちょいコブを作って、水を法枠の正面側へ小分けに出してやるんです。

イメージとしては、法肩を走る水に対して「通せんぼ」を何カ所も置く感じですね。

コブにぶつかった水は勢いを失って、手前の法枠正面へポロポロとこぼれていきます。

こうすると、法肩からの水の浸入を防げて、水が分散するので浸食も防げます。

おまけに、のり面の水は出来るだけ分散させた方が、植生工への影響も少ないです。

水路がある場合は水路へ集めるのが基本ですが、水路が無いのり面では「水は分散させる」。

コレが鉄則です。

こういうちょっとした気配りは、設計図には載っていません。

役所に見られる所でも無いので、ぶっちゃけ自己満足の世界ですw

でも、雨の日に現場を見て、狙い通りに水がコブを越えて法枠前面に出てきた時は「おおお!イイ感じ」ってなるんですよw

現場内での、小さい自己満足は経験という技術力の結晶だと思います!

現場吹付法枠工 流速 降雨


私もこれ、遠い昔にある先輩監督から教わって、ずっと実践してきました。

図面に無い所まで水の事を考えられる監督は、最高に仕事が出来ると思います。

8年前に同じ話を書いた時から、その考えは変わっていません。

のり面は水を制する者が制す。

超地味ですが、検査官でも分かる人には分かりますし、それも我々の仕事なんだと私は思ってます。

 

それではまた。

集中力よりも分散力|建設現場の注意の使い方

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