建設業の人手不足、効率化より先に削るもの|CCUS・グリーンサイト等の多重登録のムダを考える

皆さんこんにちは。

エンタです。

6月も終わりです。

今年は梅雨らしい梅雨で、雨に振り回されっぱなしですw

うちのネパールの実習生たちも、毎年「日本の雨はすごい」と言ってます^^


閑話休題

先日、東洋経済オンラインで建設業の人手不足と生産性の記事を読みました。

送電線工事の高所作業員が全国で約5,600人しかいないらしい、という話から始まり、なかなか考えさせられる内容でした。

(元記事:建設業はなぜ人手不足から抜け出せないのか…生産性を上げても技能者が報われにくい日本型発注の限界/東洋経済オンライン・千葉利宏・2026年6月26日)

今回はその記事を現場目線で読みつつ、「コレは本当に現場に効くのか?」を考えてみます。

記事が言う「人日単価のワナ」とCCUS×出来高

記事の内容をザックリ。

日本建設業連合会(日建連)が2025年12月に「生産性向上推進要綱2.0」を出して、生産性を2035年度に2025年度比で25%上げる、という目標を掲げているらしいです。

同じ長期ビジョンでは、2035年度に技能労働者が129万人も足りなくなる、とも書かれている。

コレはなかなかの数字です。

つまり”現場に必要な人の3人に1人がいない”という話です。

我々法面屋であれば、5人パーティーが常時4人になると言う事です。

そのうえで記事が「根っこの問題」として挙げているのが、労務費の積み方なんですよ。

建設の労務費は「人日(にんにち)」で計算します。

5人で10日かかる工事なら 5×10=50人日。これに労務単価を掛けて積算する。

ところが生産性を上げて 5×7=35人日で終わらせると、労務費が3割減ってしまう。

早く終わらせた人間が損をする仕組み、というワケです。

だから記事は「CCUS(建設キャリアアップシステム)の就労履歴と工事の出来高データを突き合わせれば、チームごとの生産性を客観的に測れる。それで能力に応じた賃金を払えばいい」という処方箋を出しています。

あわせて、発注者と対等な“調整役”を置いて、年度末に偏りがちな工事発注を平準化しよう、とも書いてあるらしいです。

理屈はキレイです。

でも現場で30年やってきた身からすると、なんだかイロイロ引っかかるんですよw

法面工事現場の仮設事務所


そもそも、なぜ人が入ってこないのか

引っかかる理由は単純で、「測る話」ばかりで「人が来ない話」に答えていないからです。

評価制度をどれだけ精密にしても、斜面にロープでぶら下がる人間がゼロなら、出来高もゼロ。

効率化だって、その効率化を回す人間が要ります。

結局、母数が要るんですよ。

 

ではなぜ日本人が入ってこないのか。

私は、この仕事のイメージが底まで落ちきってしまったからだと思っています。

あくまで私の体感ですが、小泉政権あたりから公共事業が削られ、マスコミが建設業をまるで悪者みたいに扱った時期がありました。

そして民主党政権の「コンクリートから人へ」というスローガンで公共事業費がさらに削られ、業者がどんどん減っていった。

あの頃に業界を志す若者が一気に減ったと、私は見ています。

イメージというのは、制度をいじっても簡単には戻りません。

賃金の払い方を直すのは大事です。

でも、一度地に落ちた「キツい・汚い・危ない」の印象は、CCUSのスコアでは戻らないと思っています。

CCUSやって、給料を明確化したとて大手ゼネコンのと中小弱小親方企業との給与格差は3倍~5倍。

大手は過去最高の売上をたたき出す中で、中小は過去最高の倒産件数。

人が入ってこない?

いやいや、人いれたら中小企業潰れるんじゃ!??

え?潰したいのかな??

 

「ロボットが法面をやる」という話も時々聞きますが、不整形な斜面にぶら下がって削孔して吹付して…

という作業を機械が一人でやれる日は、正直まだまだ先か、もしくはあり得ない(今の所)

平場の鉄筋結束ロボットとはワケが違いますからね。

そうなると、もう外国人材に頼るしかないのが今の日本です。

実際、日建連の長期ビジョン2.0でも「外国人材も日本人と同様に重要な担い手」と書かれています。

うちもネパール、ベトナムの実習生に支えてもらっています。

きれいごと抜きで、彼らがいないと現場が回らない会社は、もう山ほどあります。

もう日本人の求職者を無理に求める必要性の方が非生産的で、非効率だと言う事に感じます。

効率化とは・・・

アンカー打設状況


効率化の前に、まず「削る」

そしてもう一つ、引っかかるところがあります。

記事はCCUSのデータを「使え」と言います。

でも現場にとってのCCUSは、まず「登録の負担」なんですよ。

同じCCUSでも、見ている向きが正反対なんです。

生産性を測る、AIを入れる、の前に、削れるムダが目の前に山積みなんです。

書類とシステム登録です。

昔に比べて図面も書類も電子化されて、確かに効率化された部分はあります。

でも一方で、登録するシステムはどんどん増えました。

グリーンサイト、ビルディー(Buildee)、CCUS。その他沢山!

元請ごとに「コレに登録して」「アレにも登録して」と言われ、それぞれ別々に登録し、それぞれに課金される。

効率化はどこへ行ったんですか?w

効率化が課金というサブスクリプション(一定期間利用する権利)に変わっただけ。

しかもコレ、元請とは連携はしていても基本情報は各システムで個別に更新が必要なんです。

グリーンサイトとCCUSの解説(株式会社MCデータプラスやCCUS運営側の案内)によると、両者は別サービスで、就業履歴は連携できても事業者・技能者の基本情報は各々で追加・更新する必要があるとのこと。

 

同じ会社名・同じ住所・同じ社会保険情報を、何度も、別々の画面に打ち込む。

情報がちょっとズレるとエラーで更新出来ずずーっとそこで止まる。

コレのどこが効率化なのかと、現場の事務方はみんな思っています。

生産性を「測る」レイヤーを上に積む前に、この「二重三重に打ち込む」手間を削るほうが、よっぽど有効です。

理想を言えば、登録は一本化、検査も共通化。

グリーンサイトもビルディーもCCUSも、入口を一つにして、一度入れたら全部に通る。

検査書類も発注者ごとにバラバラの様式じゃなく、共通様式にする。

そういう「引き算」をやらないと、現場はシステムの入力作業で日が暮れます。

なんなら請求書もメール送信でいいものを何ちゃらシステムに登録して・・・

それも各社違う。。。

グリーンサイト・CCUS多重登録に追われる建設業の事務作業

発注の平準化も、調整役も、方向としては賛成です。

効率化や見える化が悪いとも言いません。

ただ、順番が違うと思うんですよ。

人が来ない根っこにあるイメージの問題、そして現場を圧迫している多重登録・多重課金のムダ。

コレを放ったまま「生産性を測りましょう」と言われても、現場は「いや、その前にやることあるでしょ」となります。

足し算の前に、引き算。

新しい仕組みを作る体力があるなら、まず古い手間を捨ててほしい。

派手な改革じゃなくていいんです。

ムダな登録を一個減らす、書類を一様式に揃える。

ベテランはドンドン今までの書類+効率化のためのシステムという仕事が増えてきています。

こんな業界じゃ誰が来るのよ?

そしてAIを入れて効率化と言いますよね。

今後ベテランほどAIを入れると仕事増えます。決断や判断を迫られますからね。

ゼネコンは各部署が分かれていて各個人がやる事決まっており、我々の様な中小の悩みはないでしょう。(大手の悩みは中小には分からない)

我々中小はぜーーーーーーーんやらないとアカンのです!

NEWSになる様な効率化、効率化でドンドンやること増えてれば、そりゃいくら人いても足りません。

ほんと考えさせられる記事でした。

 

それではまた。

いかに残業せずに生産性を上げて利益を出すか?にも限界がある!

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