大手ゼネコンの技術力低下|八重洲の鉄骨落下事故と商社化するゼネコンの現実

皆さんこんにちは。

エンタです。

先日うちでも現場で事故が来ました。

ちょっとした事で、不休災害でしたが事故は続くので気をつけたいですね!

気を引き締めて行きたいところです。


閑話休題

今回は、大手ゼネコンの技術力が落ちている?です。きっかけは先日のニュースでした。

八重洲の鉄骨落下事故と支保工の強度計算

2023年9月、八重洲のビル建設現場で、7階の梁になる鉄骨が落下しました。作業員5人が死傷し、そのうち2人が亡くなり、3人が重傷です。

読売新聞の報道(2026年9月18日配信)によると、警視庁は、鉄骨を支える仮設の土台(支保工)の強度計算を誤ったとして、施工した大手ゼネコンの社員2人を業務上過失致死傷の疑いで書類送検したそうです。1人は現場の作業主任だった30代、もう1人はその上司の50代。30代の社員は容疑を認めていて、50代の社員は「部下の言動から強度計算の誤りに気付くことはできなかった」と一部否認しているとのことです。

ぶっちゃけ、私はこのニュースを見て、この計算は下請が作ったんじゃないかと疑いました。

イマドキのゼネコンの現場なら、それが当たり前だと思っています。

産経新聞の続報の見出しは「工期優先で現場監督自ら強度計算、外部から『不足』指摘も確認怠る」。

計算したのはゼネコンの現場監督本人で、しかも外から足りないと言われていたそうです。

下請が間違えたとなってもどっちもコワイ話しですが。。。

監督が自分で計算して間違えて、上司も気付かず、外から指摘されても工事は止まらなかった。

報道の通りなら、あの現場には、計算書の数字を見て危ないと感じる人が1人もいなかったことになります。

刑事責任がどうなるかは、これからの捜査と裁判で決まります。

ここに書いているのは、報道を読んだ私の感想です。

職人は???って言う方が要るにもかかわらず。。。

仮設支保工の強度確認


ゼネコンの商社化と重層下請

最近のゼネコンは商社化している、とよく言われます。

大きな案件を選んで受注して、工種ごとに切り分けて専門業者に振る。自分たちは工程と安全と原価の管理に回る。

大きな金額を切り分けて下に売って、その差額が利益になるわけで、やってることはまさに商社ですw

私は昔、大手ゼネコンを銀行と呼んでいました。

大きなお金を預かって下に流して、その利ざやで食べているイメージだからです。

商社でも銀行でも大差なくて、そこにぶら下がっているのが我々ですけどねw

うちのような法面の会社が大手の現場に入る時は、だいたいゼネコン、専門の大手業者、うち、という並びになります。

真ん中の専門業者とは同業なので、話が通じます。

困るのはゼネコンとの打合せです。話が噛み合わないことが本当に多い。

お互いの技術力(経験)が足りないのか、ただ話し合いが足りないだけなのか、たぶん両方です。

それでも、ゼネコン側に自分で施工したことがある人が減っているのは、打合せのたびに感じます。

分業化は止められないし、止めなくていいと思っています。

問題は、ゼネコンの監督が現物を触らなくなったことです。

計算書の数字がおかしいと気付けるのは、現物を触ったことがある人だけです。

建設業界の階層と資金・技能の流れ


下請の現場と技能実習生・特定技能の職人

私が若い頃は、監督も職人の1人として働いていました。

職人を手伝いながら現場を回していると、親方が飯をおごってくれたり、酒を飲ませてくれたり。

今じゃアウトでしょうが、そういう時代でしたw

そのかわり施工管理も全部自分でやるので、そりゃ大変でした。

ある時期から施工は職人に任せろというお達しも出ましたが、私は現場作業が嫌いじゃなかったので、構わずやってました。

そうやって体で覚えたことに、今も助けられています。

アンカーの削孔硬い柔らかいとか掘りやすい掘りにくい、吹付の跳ね返りが多いとか、材料が硬い柔らかい、そういう違和感は図面では教えてもらえません。

今の大手ゼネコンの若手には、この経験を積む機会がほとんどないはずです。

じゃあ技術はどこに残っているのか。下請と、そこで働く若い職人です。

その中には技能実習生や特定技能の外国人材もたくさんいます。

技能実習は奴隷制度だと言う団体や人たちは、今でもいますよね。

現場で一緒に働いている私の感想は違います。

彼らは技術をしっかり持っているし、うちの現場も技能実習生と特定技能の子たちがいないと回りません。

技術を身につけて母国に持ち帰るという制度の建前に一番近くなってきていると思いますよw

なぜなら大手ゼネコンでも、我々中小企業でも彼らがいないと仕事出来ません。

なんなら、うちの職長ですでにネパール人やベトナム人がいますからw

しっかり技術継承出来ています。

ちなみに出入国在留管理庁の資料によると、技能実習制度は2027年4月1日から育成就労制度に変わるそうです。

名前が変わっても、現場で技術を持っているのが誰かは変わりません。

削孔


元請と下請の技術力と売上

今の建設業界の構図を一言で書くと、こうです。

ゼネコンは技術力が下がって売上が上がる。

下請は技術力を保って売上が下がる。

技術を持っている側が儲からず、技術が抜けていく側が儲かる。

これが続けば、ゼネコンの技術力は落ちる一方でしょうねー

そして、我々含む技術力有る中小企業は死んでいく。

凄いスパイラルに入ってきた様に思います。

今回の事故のように、外(下請)から足りないと言われても元請が工事を止められないなら、下請にいくら技術があっても事故は防げません。

そこに追い打ちをかけながら金利も上がってきました。

借入で機械を回している我々のような会社には、じわじわボディーブローが効いてきます。

今年も来年も厳しい年になりそうです・・・

元請と下請の技術力と売上


ゼネコンに昔みたいに全部自分で施工しろと言うつもりはありません。

ただ、計算書を見て、これはおかしいと言える監督は、各現場に1人は必要です。

それがいないなら、商社どころか、ただの伝票回しです。

うちにできるのは、技術を手放さないことと(全て自社施工)、おかしいと思ったら元請相手でもはっきり言うこと。

嫌がられることもありますが、それくらいはキャンタマの様にぶら下がっている側の意地としてしっかりやって行きたいですし、自社社員を守る為にも。

 

それではまた。

地域性だと疑わない盲目|思考の罠

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください。