皆さんこんにちは。
エンタです。
突貫工事とは|建設現場で使われる意味
「突貫工事(とっかんこうじ)」とは、本来必要な工期を大幅に短縮して、昼夜・休日を問わずに突き進む工事のことです。「突貫」自体は明治時代の軍隊用語で「敵陣に突っ込む」という意味なので、響きとしてもなかなか勇ましいですよねw
建設業界では、こんな状況で発動します。
- 前工程(土工事・基礎工事など)が大幅に遅れて、後工程(法面工事・舗装工事など)が追い込みを食らうケース
- 道路開通日・施設オープン日が動かせず、絶対に間に合わせなきゃいけないケース
- 災害復旧で「とにかく早く」と言われるケース
うちは法面屋なので、ほぼ毎回「全工期のケツを拭く側」です。土工事が3ヶ月遅れたしわ寄せが、最後の法面工事1ヶ月にまるごと乗ってくる。だから法面業界では、突貫工事はもう「あるある」を超えて「日常」になりつつあります。
うちのある現場で今日も仕事してる所があります。
出勤表ではこの1ヶ月ぶっ通しで仕事しています。
休む暇無い現場です。
社員にはほんと申し訳無いと思っています。
この現場が終わったら少しゆっくりしてもらいます。
今週まで頑張って下さい!

そして、この現場の問題はと言うかどこの現場でも同じ傾向なのですが、
最終的に全ての工期のケツは法面屋が拭く!
しかも、スーパーゼネコンとかの大きな現場行くと法面工は付帯工事です。
メイン工事ではないので軽視されています。
土工事が遅れていても危機感薄いのか分かりませんが、その後の我々法面工事の場合は怒濤の追い込みをかけられます。
そりゃ開通が迫っていたり、工期が迫っていたりとあるでしょう。
しかし、もっと前にやれることがあったでしょう?
工期が遅れたりしているのは法面屋が悪いわけではないはずです。
人数を入れないから、とかの問題ではないのです。
工程管理が甘いからでは無いですか?
工程管理出来ていますか?

法面屋は法面屋なりの工程管理で動いています。
それを遅いだの、人数いれろって言うのは違うんです。(まぁ遅い所も有るでしょうけど・・・)
人数をいれても遊ぶ人間がいると効率が悪くなって無駄にお金がかかるわけです。
そしてそう言う現場はだいたいがもっと安くしろって言う悪循環w
昔、私が施工管理していた現場で「工期に合わしてあげるから高いんですよ?」って○○組の所長に言ったところ激高されましたwww
法面工事だけの現場であれば工程をしっかり考えればやりようもありますが、
他業種との兼ね合いが有る場合は必ず先行工事を詰めなければ絶対に法面工事では詰められません。
詰められなかった責任は法面屋には一切ないという事を認識して欲しいです。
そして、どうしても詰めて欲しければ絶対的にお金がかかります!
同じ工事施工するのになぜお金がかかるかは一目瞭然です。
施工会社は残業などの時間外労働、日曜出勤においては通常の1.35倍以上の賃金になります。
それはあくまでも請負金額の中から支払われるわけで、施工会社は社員に対し絶対に支払うわけです。
毎日残業、日曜出勤が最初から分かっている現場であれば、
労務費に1.3倍~程度の予算で話して下さい。
機械費は1.1倍~程度だと思います。(機械も消耗します。)
施工会社の方も元請けに対しそういう考え方が当然だと認識して下さい。
そして、他の現場へのシワ寄せも行きますからね。そこも考えて下さい。
それで高いと言うのであれば、工期を諦めて下さい。(そんな事出来ませんけどw)
って事になります。

対価があるから頑張れるし、モチベーションを保っていられるんです。
「この現場請負金メッチャ安くて、
しかも毎日2時間残業して日曜出勤で一切休みないんだよね。
でも給料は通常と同じで変わらないけど頑張ってね♡」
どんだけカワイイオネーチャン言われても腹立ちますよね?
それが私のようなオッサンに言われたら会社も辞めたくなりますよ?
施工した社員がしっかり仕事した分だけ給料をもらう事は当然の事です。
誰もがやりたがらない突貫工事やっているわけですから。
そして、施工会社もそれだけのリスクと経費をかけてやっているわけです。
その辺をお互いの目的(利益)のために上手く出来ればと思っています。
突貫工事の悪い意味|なぜネガティブに使われるのか
「突貫工事」は辞書的には中立ですが、現場では9割9分ネガティブな意味で使われます。理由はシンプルで、突貫工事を発動する原因のほとんどが「上流工程の管理不足のシワ寄せ」だからです。
たとえば、こんな会話。
- 「あの現場、突貫工事になっちゃってさ・・・」 → 「あぁ、ご愁傷様」が返ってくる
- 「家を突貫工事で建てた」 → 雑な工事の代名詞として使われる
- SNSで「○○のリリースが突貫工事過ぎる」 → バグだらけ、雑、適当の比喩
つまり、突貫工事という言葉自体が「品質より納期を優先した結果、何かが犠牲になっている」ニュアンスを背負っているわけです。だから書類には絶対に書かれないし、対外的にも「突貫でやりました」とは言いたくない言葉なんです。
ところが現場の人間からすると、突貫工事になるかどうかは始まる前にだいたい分かっている。工程会議に出れば3ヶ月前から雲行きが怪しい現場なんて山ほどあります。その時点で誰かが手を打てば突貫にならなかったのに、見送られたことが何度も。だから現場では「突貫」という言葉に怒りとあきらめが混ざるんです。
日曜日に何だか重いネタでしたw
年度末の末の末ですからあるあるネタでした。
休める方はしっかり休んで、休めない方は疲れも有るでしょうから、特に安全に!
突貫工事のデメリット5つ|法面屋が現場で見てきた代償
「お金がかかる」以外に、突貫工事には現場ベースで見えるデメリットがいくつもあります。法面屋として見てきた中で、特にヤバいと感じるものを5つ挙げます。
- 事故率が跳ね上がる:疲労蓄積+焦り+夜間作業の3点セットで、ヒューマンエラーが急増。実際、休日連続出勤が続くと、KY活動の質も落ちて事故が増えやすいです。
- 施工品質が落ちる:モルタル吹付の養生時間を端折る、アンカーのグラウト硬化を待たない、など「時間が足りない=品質を削る」を選んでしまいがち。後で手直しが入って、結局時間とお金がさらに飛びます。
- 社員が辞める:これがいちばん痛い。突貫続きの会社からは若手が真っ先に抜けます。経営者目線で見ると、人材が抜けるダメージは現場のお金より大きい。
- 機械が壊れる:日曜出勤+夜間稼働で削孔機・コンプレッサー・吹付機が消耗。私の経験上、突貫現場が終わった直後は機械の修理代が2〜3倍に跳ねます。
- 他現場に迷惑がかかる:「あの現場に人と機械を集中投入する」と、他現場の納期が遅れる。連鎖的に複数の現場で突貫が起きて、会社全体が疲弊する負のスパイラル。
これだけのデメリットを背負ってでも、それでも突貫工事を引き受けることはあります。なぜなら、最後は「対価が見合うかどうか」に尽きるからです。労務費1.3倍、機械費1.1倍の予算組みで、社員にちゃんと残業代を払えるならば、現場の覚悟も保てます。
逆に言えば、対価が伴わない突貫工事は引き受けてはいけないです。社員も機械も壊れて、最後は会社が壊れます。ここを譲ったらアカン、と思いますね。
それではまた。



