手形が消えて下請けは楽になるのか|ゼネコン手形廃止と新たな手数料市場の裏側

皆さんこんにちは。
エンタです。

先日こんなニュースを見ました。

手形廃止に置ける経済状況
手形廃止に置ける経済状況

大手ゼネコンが約束手形を廃止し、現金支払いへ移行するという話です。

ぶっちゃけ「今ごろか!」って感じですが、コレ弱小企業にとっては結構デカい話なんです。

大手ゼネコン 手形廃止」の見出しを驚いた表情


なんで大手ゼネコンは手形だったのか

そもそも、大手ゼネコンってなんで手形ばっかりだったのか?
コレには理由があります。

大手ゼネコンって、扱っている金額がトンデモナイんです。
ひと月で1,000億・2,000億のお金がガンガン動きます。
その規模の現金を毎月キレイに用意できるか!?って話なんですよ。

そんな現金を会社が金庫に積んでるワケないですw

会社って儲かっていても、純資産イコール現金じゃありません。
我々で言えば、削孔機や吹付機という固定資産になっています。
だから儲かっているハズなのに、意外と現金は薄い。
足りない分を銀行から借りて回している、というワケです。

「じゃぁその現金どこに消えてるの?」って思いますよね。
それは先月支払った材料費や、機械の修理費に化けています。
そのうち戻ってきますが、今じゃないwってだけです。

トリンブル スキャナー


借金がある会社=信用がある会社

よく「無借金経営だから優良企業!」みたいな話がありますよね。
コレ、半分正解で半分違います。

実は大手企業のほとんどは、銀行借入を回しながら経営しているのが普通です。
無借金経営はそれはそれで凄いんですが、逆に言うと「与信が積み上がってない」とも見られます。

与信=社会的信用ってことです。

住宅ローンも同じですよね。
3,000万円借りれる人と1,500万円しか借りれない人がいます。
コツコツ返済実績を積んできた人は与信が高い。
滞納繰り返してる人には貸してくれない。
友達でも、お金返さんヤツに次は貸したくないのと同じ理屈ですw(そもそも貸すな借りるな!)

つまり「会社が数億〜数千億規模で借りられる」ということは、それだけ社会的信用があるという証拠なんです。

参考までに、一般財団法人 建設経済研究所(RICE)の集計データを見ると、大手・準大手・中堅ゼネコンの有利子負債合計は2024年度2Q時点で約4.3兆円、前年同期比で約14.1%増えています。(借入が増えている業者が多いと言う事は儲かっている可能性も高い!銀行は基本会社が儲かっていないと貸してくれません!)

4.3兆円ですよ、4.3兆。
ココにリース債務まで足すと、もっとデカいですね。


📊 実際の借入金額(2025年3月期末・連結ベース)

会社名 連結有利子負債 単体有利子負債 出典
鹿島建設 7,920億円 2,889億円 2025年3月期決算短信
清水建設 5,913億円 4,884億円 2025年3月期決算短信
大林組 3,627億円 (個別開示は時点限定) 2025年3月期決算短信
大成建設 3,155億円 (個別開示限

銀行マンとゼネコン経理担当者が応接室で握手をしている


結局、似たような仕組みが残るんですよw

で、今回の手形廃止。
背景には政府方針として2026年度末(2027年3月末)までに紙の手形・小切手の交換枚数ゼロという目標があります。(これは以前の記事でも書いた気がする)
全国銀行協会「手形・小切手機能の全面的な電子化に向けた自主行動計画」2021年7月

大手の場合は、いきなり明日から廃止!ってワケにはいきません。
銀行と擦り合わせながら、経理処理を組み直して、1年以上掛けてやっとって所だと思います。

我々みたいな吹けば飛ぶ規模の会社なら、「来月から変えます!」で済むんですけどねw

で、手形が消えた後に出てくるのが「でんさい(電子記録債権)」「ファクタリング」
紙が消えただけで、結局似たような仕組みが残るんです。
そして施工業者の間に入って手数料がチョロチョロ抜かれていくと。

こういう流れって我々下請けが作ってる訳じゃないので、結局はほとんど大手の都合と思考に左右されていますw


手数料を侮るなかれw

「ちょっとした手数料くらい良いやん」と言う人がいます。
でもコレ、規模が違うと話変わってくるんですよ。

個人がコンビニATMで現金降ろすと、せいぜい200円弱。
個人なら「まぁエエか」って金額ですよね。(舐めたらあかん!)

でも、コレが会社になると洒落にならん金額になります。
大手ゼネコン規模だと年間で数億〜の手数料。
我々みたいな弱小企業でも、年間100万前後は飛んで行きます。

ちなみに、セブン銀行の単体経常収益は2024年度(25年3月期)で1,357億円
そのほとんどが提携金融機関からのATM受入手数料です。

1台の機械が、1回数百円の手数料で1,357億円を作るんですよ。
ATMの手数料1回200円。
コレを「ちょっと」と侮ってる間に、巨大な手数料市場が動いている訳です。
でんさいやファクタリングも、同じ構造でジワジワ抜かれます。

手数料が奥に立つ巨大な銀行ビルに吸い込まれていく構図


時代の流れを読む

大手ゼネコンの支払条件が良くなるのは、我々下請にとっては有り難い話。
コレは間違いない事実です。

ただし、紙の手形が消えるだけで、形を変えた仕組み(でんさい・ファクタリング)が同じ位置に。。。。
仕組みが変わる時こそ、「手数料は誰が払って、誰が抜くのか」などの周囲の状況を冷静に見る必要があります。なぜなのか?ってw

難しい時代になってきました。
でも、こういう大手の動きにアンテナを張っておくと、業界全体の流れが見えてきます。
請求書1枚、振込1件、その裏でお金がどう動いているか。
それを意識するだけで、今後の考え方、動き方、組み立て方も変わってきます。

戦争の影響も今後しっかり表面化してくる厳し時代!

情報はしっかり取って見ておきましょう。

 

それではまた。

下請けの支払は原則現金

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