皆さんこんにちは。
エンタです。
夏の現場、特に法面の上って、地獄ですよね。
平地と法面の暑さの違いってあるんかな?って調べて見たんです。
そしたらイロイロとデータ出てきてw
今日は「なぜ法面の方が平場より暑いのか」を、太陽光と反射熱の角度から書いてみますw

平場との違い①:太陽光の入射角
太陽光って、当たる面の角度で「単位面積あたりのエネルギー」が変わるそうです!
真上から垂直に当たる面が一番強くて、寝かせると弱くなる。
逆に、太陽の方を向いて立ててやると、平場よりも強く当たる場合がある。
コレが法面、特に夏の南向き斜面で起きてる現象だと言うことです。
太陽光発電見て下さいw
あれ思いっきり太陽に向いて、斜めでですよねwww
斜面に当たる直達日射量を計算する式が古典的に確立されていて、斜面入射角と天頂角のコサイン比で算出(太陽日射推定の分野で使われている考え方だそう)
ザックリ言うと、夏の正午ごろの南向き法面は、太陽光と「正対する」角度に近づくので、単位面積あたりの日射エネルギーが平場より多くなる場合がある。

平場との違い②:反射光が返ってくる方向
コレが現場の感覚と一番一致する話だと思います。
平場で立って作業する場合、地面からの反射光は基本的に「上方向」に逃げていきます。
我々の顔や胴体には、ほとんど戻ってこないんです。
ところが法面では、斜面表面からの反射光が、ちょうど作業員の正面・胸元・顔に向かって跳ね返ってくる。
背中からは直射、正面からは反射。
ダブルパンチを浴びてるんですね。
だから我々法面屋は異常に暑いんですよ!!
そして、法面屋は異常に顔黒いwww
法面と平場の施工を位置関係を調べて行くと、物理的に自明な話なんですが、
正直、WBGTで「法面 vs 平場」の直接比較を実測した公開データは、私が探した範囲では見つけられませんでした。
現場の条件は全て同じという一括りですねw

平場との違い③:法面表面のアルベドが高い
アルベドって調べていて初めて知った言葉ですw
アルベドってのは「日射反射率」のことらしく、そっちの業界では普通の言葉らしいですw(albedo)
新設のモルタル吹付って、真っ白ですよね。特に夏はそのように見えますよね。
あれ、見た目通りに反射率が高いそうです。
舗装分野で公表されている数値を参考にすると、ザックリこんな感じ。
- 植生工(緑化されたもの):0.10〜0.25
- 経年モルタル吹付(黒ずんできたヤツ):0.20〜0.30
- 新設モルタル吹付(白っぽいヤツ):0.35〜0.40程度
※法面のモルタル吹付に特化した日本の公開測定データは限定的なので、コレは舗装分野(米国コンクリート舗装協会ACPA等の公表値)からの類推も含みます。
つまり、新設でモルタル吹付けするときや、法枠の施工する時は、植生工の現場よりも反射光を浴びてる可能性が高いってこと。
熱中症に対して要注意と言うことです。

ダブルパンチで効いてくる暑熱負荷
ここまでの3つを足すと、こうなります。
- 入射角的に、平場より日射エネルギーが多い時間帯がある
- 反射光が作業員の正面に跳ね返ってくる
- 表面のアルベドが高ければ、その反射光は強い
背中から直射、正面から反射、足元のモルタルからは放射熱。
モルタル面の表面温度は、国土交通省「ヒートアイランド対策ガイドライン」だと舗装面で50〜60℃に達することもあるとされています
(条件次第で40〜60℃の幅があると思って下さい)。
法面が暑い!は「気のせい」じゃなくて、物理的に厳しい環境だと言うことが今回よく分かりましたw

現場でできる対策
じゃあどうすんの?って話ですが、今の段階で考えられる事は。
①WBGTを法面上で測ってみる
平場のWBGT予報だけでは意味ないって事。法面のすぐ近く、できれば作業位置の近くで測ります。
②休憩を細かく刻む
1時間1回じゃなくて、30分に1回。短くても良いから日陰で水分。
③施工中の装備に注意
夏の現場は、サングラス・ヘルメットカバー・首元含め顔全体の保護を強化。
④服装は通気優先
空調服は当然として、上下とも風が抜ける構造のものを。
装備にお金を掛けないと労働者を守れない時代。
夏の法面で倒れさせない
建設業の熱中症死亡は、明らかに増えてます。
法面屋にとって、夏の現場は身体を酷使するだけの様な気がします。
気合いや根性で乗り切る暑さじゃない。
物理的に平場より厳しい環境で仕事してるんだから、平場と同じ装備・同じ休憩ペースで戦うのは無理がある。
特に、現場監督・施工管理の皆さん。
職人の様子を、より1段階細かく見て下さい。
顔色、汗の引き具合、返事のキレ。
おかしいと思ったら、即休憩。
法面の上で倒れたら、降ろす作業自体が命がけになります。
倒れる前に止める。コレに尽きますね。
それではまた。



