皆さんこんにちは。
エンタです。
前回の続きです!
石油製品ピラミッドで理解:アスファルトもシンナーも軽油も全部戦争で上がる理由と法面への影響(その1)
ナフサから何が生まれるか:ここが本丸

ナフサは「石油化学工業の原料の王様」。
ここから熱分解(クラッキング)すると、様々な製品の原料が生まれます:
■ ナフサ分解で生まれるもの
◆ エチレン(C₂H₄)→ ポリエチレン(PE)
└ 防水シート・ジオテキスタイル・土木用フィルム・PE管・ロックネット素材
◆ プロピレン(C₃H₆)→ ポリプロピレン(PP)
└ 各種プラスチック部品・梱包材・繊維系資材
◆ ブタジエン(C₄H₆)→ 合成ゴム
└ ゴムホース・Oリング・パッカー素材・各種ゴム製品
◆ BTX(ベンゼン・トルエン・キシレン) ← ここが超重要
├ トルエン → 塗料用シンナーの主成分
├ キシレン → 塗料用シンナーの主成分
├ ベンゼン → エポキシ樹脂・接着剤原料
└ スチレン → ポリスチレン(発泡スチロール)
シンナーの主成分はトルエンとキシレン。
流れを整理するとこうなります:
原油 → ナフサ → BTX → トルエン・キシレン → シンナー
ホルムズ海峡が封鎖されて原油が入ってこなければ、
ナフサも来ない → BTXも来ない → シンナーが来ない。
値上がりじゃなくて、「モノが来ない」の理由はここです。
モノが来ないから今あるモノが高騰する!
転売ヤーも凄い勢いで発生しています。。。
我々の現場、石油だらけです

土木屋に絞って、石油由来の現場関係製品を全部並べてみます。
【燃料系】
・軽油 → クローラードリル・油圧ショベル・コンプレッサー・ポンプ車 等、全建設機械の燃料
【塗料・溶剤系】
・シンナー(トルエン・キシレン系) → 機械の塗装・防錆塗料の希釈剤
・防錆塗料 → 機械本体・鉄筋・サビ止め等
【プラスチック・樹脂系】
・塩化ビニル管(VU管・VP管) → 排水管・水抜きボーリング管・ストレーナー管
・PE管(ポリエチレン管) → 注水管・注入ホース
・ポリエチレン製→ 土嚢や袋などの素材
・ジオテキスタイル → 盛土・排水工・植生シート系
【接着剤・シーリング系】
・エポキシ系接着剤 → アンカー材固定・ひび割れ補修
・ウレタン系シーリング材 → 目地・防水処理
【ゴム・ホース系】
・合成ゴムホース → 注入ホース・エアホース・グラウトホース
・ゴムパッカー素材(ゴム系)
【舗装・道路系】
・アスファルト → 現場への搬入路・仮設道路
全部、石油から来てますよね。
ガソリンが高いだけの話じゃないんです。
「石油が来ない」は、現場の材料が全部来ないということです。
ホルムズ封鎖の先に何が来るか

4月→2500円/tのUP 5月→5000円/tのUP
4月・5月からアスファルト系材料の値上がりが業界内で広く通知されています。
タングステンは3倍~って言われました・・・
塗料は75%アップ!
ホルムズ海峡が今も封鎖状態で、原油の安定供給が見通せない中、今後どうなるか。
正直、見通せません。
ただ、はっきりしていることが一つあります。
「受注した工事の単価は今から変えられない。しかし材料費は来月から上がる」
この「価格転嫁の遅れ」が、建設業者の首を絞めます。確実に!
特に下請け・専門工事業者は元請への見積を経て仕事を請けているので、材料費が上がっても請負金額はそう簡単に変えられない。
過去の材料高騰局面(2008年リーマン前・2022年ウクライナ後)でも繰り返されてきたパターンです。
倒産ラッシュが来ます。確実に来ます!
今やっておくべきことを3つだけ。
① もしも、買えるなら材料の確保
「入荷できない」「価格が倍以上」になる前に動く。今が動くタイミングの気がします!
② 見積条件もりに必ず材料高騰の場合は再見積
見積の期限を1ヶ月にし、材料価格が変わった瞬間に再見積をすると言う文言を見積条件に入れて下さい!
③ 安値受注は今後、自殺行為
「仕事がないから受けた」の結果が「受けた結果、潰れた」になります。コレだけは絶対ダメ!
戦争という外部要因に対して、現場の人間が直接できることは限られています。
でも「知っているか・知っていないか」は、経営判断で天と地ほどの差になります。
石油が上がれば何が上がるのか。
ホルムズが封鎖されれば何が来ないのか。
それを理解した上で、今の積算・見積もり・発注タイミングを判断してほしいんです。
元請現場監督も知っておいて損は無いと思います!
それではまた。
今回の事で、融資案件が出ました!



