皆さんこんにちは。
エンタです。
今日は「法面屋の給与」について、私が知っている限りをリアルに書いていこうと思います。
「法面屋ってぶっちゃけいくら稼げるの?」
コレ、業界外の人はもちろん、業界に入りたての人、転職考えてる人、みんな気になるところだと思います。
立場によって全然違うし、経験年数によっても大きく変わります。
それも含めて、具体的な数字で話していきますね。
そして、自身の給与と見比べて見て下さい。
高いですか?低いですか?
※数字の前提として、今回は常用単価×稼働日数(月21日)で統一しています。
稼働日数は現場によって増減しますが、年間を通じてならすと月21日が現実的な平均値です。
雨天・休工日も含めると年間稼働は実態として210〜230日程度というのが私の感覚値です。
年間休日は最近増えて、110日~120日程度だと思われます。
そして、あくまでもサラリーマンの職人だと思って下さい!
なので給与以外のモノ(腰道具や全ての道具/車)は会社支給という条件です。

まずスタートライン!
ズブの素人で法面屋に入ってきた場合、初日からいくらもらえるか。
ここが気になるところですよね。
愛知県の最低賃金は1,077円/h(2024年10月改定・厚生労働省)です。
日給に換算すると、8時間×1,077円=8,616円!ここが最低ラインです!(愛知県の場合)
そして実際のイマドキ法面屋の素人初日はこれより高いです。
| キャリアステージ | 日当(目安) | 月収(21日×日当中間値) | ボーナス |
|---|---|---|---|
| 素人スタート | 11,000〜12,000円 | 約 241,500円 | なし〜少額 |
| 3年目 | 12,000〜14,000円 | 約 273,000円 | 20〜40万円 |
| 5年目〜 | 15,000円〜 | 315,000円〜 | 20〜40万円 |
| 10年目〜 | 18,000円〜 | 378,000円〜 | 20〜60万円 |
| 親方クラス | 20,000円〜 | 420,000円〜 | 20〜60万円 |
ザックリこんな感じです。
「他業種と比べてどうなの?」と思いますよね~
国土交通省が毎年発表している「公共工事設計労務単価」(令和6年度)では、全工種労務単価は全国加重平均で2万5834円/日まで上昇してきました。
(公共工事設計労務単価)
ただしコレ、あくまで公共工事の設計上の労務単価です。
実際に職人の手取りに何円が渡るかは、会社・元請の立ち位置・地域によって全然違いますし、ザックリこの金額の0.6前後だと推測されます。
国の方針としては、この2.5万円を職人の給料になるようにと言うのが目標の様です。。。(あまりにも遠くね?w)

年収に直すと!
月収だけ見てもピンとこないですよね。
ボーナス有るモノとして、平均値で足して、年収に直してみます。
| キャリアステージ | 月収(中間値) | ボーナス(平均) | 年収(概算) |
|---|---|---|---|
| 素人スタート | 241,500円 | 0円 | 約 290万円 |
| 3年目 | 273,000円 | 30万円 | 約 358万円⤴ |
| 5年目〜 | 315,000円 | 30万円 | 約 408万円⤴⤴ |
| 10年目〜 | 378,000円 | 40万円 | 約 494万円⤴ |
| 親方クラス | 420,000円 | 40万円 | 約 544万円⤴⤴ |
国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、全労働者の平均年収は460万円だそうです。
10年選手になると平均は超えてくるんですよ。
「建設業は給与安い」というイメージで語られることが多いですが、10年続けた職人の年収は日本の平均をしっかり超えてくるという事実があります。
ただ、素人〜3年目が一番キツい。
精神的にも体力的にも一番しんどい時期に、一番給料が低い。
コレが法面屋(建設業界)に人が入ってこない根本的な原因のひとつでもあるかと思います。
が、ぶっちゃけお金にならない人にそこまでコストかけられないと言う事実もあります。。。
(昔はまだ高かったんですが、長い不況と建設業叩きで若者にコストを裂けなくなったと言う事実も)
で、実際の手取りはいくらなのか?毎月引かれるものを全部
「月収〇〇万円」という数字は全部額面の話です。
実際に口座に入ってくる手取りはもっと少ない。
毎月何がいくら引かれているか、年数別に全部出してみます。
前提条件:独身・扶養なし・愛知県・40歳未満(介護保険なし)
※所得税・住民税は課税状況・家族構成で変わります。ここでは独身・扶養ゼロの概算値です。
| 控除の種類 | 素人 (月収241,500円) |
3年目 (月収273,000円) |
5年目 (月収315,000円) |
10年目 (月収378,000円) |
親方 (月収420,000円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 健康保険料(本人) 協会けんぽ愛知2024年度 料率9.97%の半分 |
11,964円 | 13,958円 | 15,952円 | 18,943円 | 20,439円 |
| 厚生年金保険料(本人) 料率18.3%の半分(9.15%) |
21,960円 | 25,620円 | 29,280円 | 34,770円 | 37,515円 |
| 雇用保険料(本人) 0.6%(建設業・令和6年度) |
1,449円 | 1,638円 | 1,890円 | 2,268円 | 2,520円 |
| 所得税(概算・源泉徴収) 社会保険料控除後・扶養0人 |
3,300円 | 4,800円 | 7,400円 | 12,700円 | 16,100円 |
| 住民税(概算・月割り) 前年所得ベース・税率10%+均等割 |
16,000円 | 18,500円 | 21,500円 | 26,500円 | 30,000円 |
| 毎月の控除合計 | 約54,700円 | 約64,500円 | 約76,000円 | 約95,200円 | 約106,600円 |
| 🟢 手取り(概算) | 約187,000円 | 約208,500円 | 約239,000円 | 約283,000円 | 約313,000円 |
※健康保険料は標準報酬月額に対して計算(240,000円/280,000円/320,000円/380,000円/410,000円の各等級)。所得税・住民税は独身・扶養ゼロ・社会保険料控除後の課税所得を基にした概算値。家族構成・各種控除により実際は変わります。
全国健康保険協会 令和6年度保険料率/日本年金機構 厚生年金保険料額表/厚生労働省 令和6年度雇用保険料率
素人で月に約5万5千円が消えます。
親方クラスになると月10万円超が引かれる。
「月収42万のはずなのに全然手元に来ない」という感覚、コレが原因ですw
しかし、実はここで終わりじゃないんです。
この下記の部分が給与が上がらない要因の一つでも有ります!

会社はあなたのためにさらにこれだけ税金として払っている!
ここが、会社員全員に絶対に知っておいてほしい事です。
社会保険料は、あなたが払っている分とほぼ同額かそれ以上を、会社も別途払っています。
さらに労災保険は全額が会社負担です。
あなたの給与明細には1円も出てこない。
でも会社は毎月、あなたの名前で国に払っています。
| 項目 | 素人 | 3年目 | 5年目 | 10年目 | 親方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 💰 職人への支払い(月収) 職人の手元に渡るお金 |
241,500円 | 273,000円 | 315,000円 | 378,000円 | 420,000円 |
| ↓ これとは別に、会社が国へ直接納める社会保険料 | |||||
| 健康保険料(会社分) 協会けんぽ愛知2024年度 4.985% |
11,964円 | 13,958円 | 15,952円 | 18,943円 | 20,439円 |
| 厚生年金保険料(会社分) 9.15% |
21,960円 | 25,620円 | 29,280円 | 34,770円 | 37,515円 |
| 雇用保険料(会社分) 建設業 1.05% |
2,536円 | 2,867円 | 3,308円 | 3,969円 | 4,410円 |
| 🔴 労災保険料(会社が全額) 土木工事業 0.79% 職人負担ゼロ |
1,908円 | 2,157円 | 2,489円 | 2,986円 | 3,318円 |
| 子ども・子育て拠出金(会社が全額) 0.36% 職人負担ゼロ |
864円 | 1,008円 | 1,152円 | 1,368円 | 1,476円 |
| 会社が別途納める保険料合計 職人への支払いとは別のお金 |
約39,200円 | 約45,600円 | 約52,200円 | 約62,000円 | 約67,200円 |
| 🏢 会社の実質人件費合計 月収 + 別途保険料 |
約280,700円 (241,500+39,200) |
約318,600円 (273,000+45,600) |
約367,200円 (315,000+52,200) |
約440,000円 (378,000+62,000) |
約487,200円 (420,000+67,200) |
出典:全国健康保険協会 令和6年度保険料率/日本年金機構 令和6年度厚生年金保険料/厚生労働省 令和6年度雇用保険料率(建設業)/厚生労働省 令和6年度労働保険料率(土木工事業0.79%)/子ども・子育て支援法 拠出金率(内閣府 令和6年度0.36%)
5年目の場合、会社は職人に315,000円を支払い、それとは別に52,200円を保険料として国に納めています。
合計367,200円が会社から出ていく、という話です。
親方クラスになると、月収420,000円の支払いに加えて、67,200円が別途保険料として出ていく。
合計487,200円。
額面と実質はこれだけ違う。
コレ、当然ですが経営者側の人間は全員知っていることです。
会社員側は意外と知らない。と言うか、ほぼ知らない。。。。
「給料上げてくれ」という話をするとき、この数字を知った上でするのと、知らずに感情論でやるのとじゃ、結果が全然違ってきますよ?w
経営者も給与を上げたい気持ちはめちゃあるんですが、保険料が高すぎる現実……
給料上げても上げても、結局ほとんど税金で持って行かれるという・・・
だからこそ選挙が大事だという事がよく分かりますよね?

この話長くなりすぎて、次回に持ち越しです。
それではまた。



