施工の神様

メディアはいつまで「職業・土木作業員」という偏向報道を続けるのか?

世の中に蔓延る、土木への潜在的偏見

「土木作業員」という言葉を聞いて、世の中の人はどのようなイメージを持つだろう?

先日、とある事件で「土木作業員」が逮捕されたというニュースを見た。

私も、今は土木施工管理技士として働いているが、それまでは土木作業員だった。同業の人間が罪を犯し、逮捕されたというニュースを見て、非常に残念に感じた。

だが、それ以上に私が気になったのはメディアの報道の仕方だ。

なぜ「職業・土木作業員」と報道するんだろうか?

会社勤めなのに、会社員ではなく土木作業員

ほとんどの業種・職種の人たちは、自営業者やアルバイト、もしくは特殊な仕事でない限り、「職業・会社員」と一括りに報道される。

それなのに、土木作業員は会社勤めでも、「職業・土木作業員」と報道される。

土木の人間は犯罪率が高いから仕方ないと言われる方もいるかもしれない。だが、マジメにこの業界で働いている人間からすれば、「土木作業員」の方を全て偏見するような言い方や報道の仕方は間違っていると思う。

もちろん、罪を犯してしまう人はいる。だが、それと土木という仕事は全く関係ない。個人の問題だ。土木の仕事をしている人間はみな、犯罪者予備軍なのだろうか?

このような報道が続けば、子どもたちやその親だって土木業界に良いイメージを持つはずがない。人材不足を招いているのは、メディアにも一因がある。

頑張ってるのに「やっぱりドカタは…」ではツライ

土木業界は差別されている。

たしかに、キツいことも多いし、決してキレイな仕事ではないかもしれない。

しかし、私たちは災害が発生すれば一目散に出動し、土砂や瓦礫の撤去を行う。腕のいいオペになれば、自衛隊や消防団の何倍も被災地で貢献している(比較するものではないだろうが)。土砂や瓦礫の撤去が終了しても、その後の復旧工事や災害対策工事は、すべて私たち土木業界の人間が行うわけである。

昨年は、全国各地で豪雨災害が発生したが、どれだけの人が土木作業員に助けられただろうか。災害の際に一番危険な現場で命をかけているのは、紛れもなく土木作業員である

良い側面は都合よく忘れ、…いや見向きもされず、何か事件が起これば「やっぱりドカタは…」では、そこで働くすべての人に対して極めて失礼だし、悲しくなる。


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