「建設業界やばい」「建設業界おかしい」
インターネットで「建設業界」と検索したことはあるだろうか?検索すると、関連キーワードで「建設業界 やばい」「建設業界 おかしい」などが出てくる。
さらに、Yahoo!知恵袋などを見てみると、建設業に対して世間がいまだにどれだけネガティブなイメージを持っているのかがわかる。
質問の一部を抜粋すると、『建設業に内定したが、周りからはブラックと言われ、底辺の仕事だから辞めておいたほうが良いと言われる』など、私からすれば腹立たしい内容の質問ばかりが並んでいる。
建設業界は本当に”底辺の仕事”なのか。そんなことを言われる背景と実際の現場状況を、建設業界で働く私が論破したい。
そもそも建設業界が”底辺”と言われる理由
建設業界が底辺だと言われる理由は、大きく分けて3つあると思っている。
- 参入障壁が高くない
- 学歴があまり必要ない
- 危険で労働環境が良くない
他にも要因はあるだろうが、私はこの3点が建設業界にネガティブなイメージを与えていると考えている。確かに、建設業界で働こうと思えば、管理技術者でない限り、特別な制約はない。
ゆえに誰でも働ける、学歴がなくても雇ってくれる、頭を使わない体力仕事だから危険で死者数も多い、劣悪な環境で仕事をしなくてはいけないなど、悪いイメージがはびこっている。
今の建設業界を知ろうともせず、これらのイメージを鵜吞みにし、「建設業界は底辺だ」と言っている人間が多いように思う。
参入障壁は低いが、生き残れる人材はごく一部
確かに建設業界は、管理技術者等の働き方でなければ参入障壁は高くないし、学歴も必要ない。しかし、他業界同様、仕事ができない人間が生き残れるほど、甘い世界でもない。
コミュニケーション能力、リーダーシップ、交渉力、管理能力といった一般的に必要とされる能力を、より厳しい環境で身に付けなければならない。建設業界で活躍している人たちは、他業種の方が思っているよりも優秀な人が多いのではないかと思う。
また、建設業界でキャリアアップするためには、資格取得が肝となる。経験年数を積んで、試験に合格しなければ資格取得はできない。地場コンやゼネコンでは、施工管理技士の資格はスタンダードで、それにプラスして他の資格取得を求められることも珍しくない。
建設業でそれなりのポジションに就こうと思うと、資格取得は避けては通れない。決して簡単に取れる資格ではない。そんな建設業界で働いている人たちが、本当に底辺と言えるのだろうか?
労働環境の改善は他業種よりも力を入れている
若者が建設業界を毛嫌いしている根本的な理由は、単に肉体労働の辛さ、現場仕事のため人間関係が大変で、労働環境が悪いという印象が強いからではないだろうか。
労働環境に関しては、先に謝っておこう。確かに昔は悪かった。しかし、昔ではなく、今を見てほしい。
まだまだ浸透率としては厳しいところがあるかもしれないが、働き方改革として、労働賃金の引き上げや、業務効率化による労働環境の改善などを積極的に行っている。一昔前に比べると、労働環境は天と地の差くらい改善されてきている。
――ここまで読んでいただければ、建設業は底辺だという意味のわからない理論を、全て論破できたのではないだろうか。
実際、建設業界で働いている私は、底辺どころか、業界で生き残れる人間を誇りに思っている。この業界の諸先輩方を尊敬している。
「建設業界は底辺の仕事」と言われているが、そもそも底辺の仕事なんてこの世の中に存在しない。