施工の神様

建設業界は一番「老害」が多い業界(施工の神様より)

老害

建設業界は一番「老害」が多い業界

批判覚悟で言うが、建設業界は一番「老害」が多い業界だと思っている。

口には出さないが、そう感じている人も多いのではないだろうか。これは建設業界が受け入れなければならない事実である。

建設業界の離職率が高いのは仕事がきついからか?いや、違う。賃金が安い、仕事がきついといった理由で辞める人ももちろんいるが、若い世代が辞めていく理由で多いのは人間関係だ。

中でも特に多いのが、「老害」と呼ばれる人間に出会って、メンタルをやられるパターンではないだろうか。

老害と言われる人の特徴

私の経験では、職人の社長や一人親方といったポジションの人間は老害と言われている可能性が高い。

今まで誰からの指示も受けずに仕事をしてきた人たちにとって、歳を重ねてから人の意見を受け入れるのは簡単ではない。

例えば、いくら現場の元請けとはいえ、横柄な態度でモノを言ってくる親方はまだ実際に多い。

年齢が若いというだけで横柄な態度を取られ、これに対して何も言えない若手が病んでしまう。これが退職の大きな要因になっていることは間違いないだろう。

若い世代にも人権がある

若い世代が退職すると、「若いやつはすぐ辞める」「根性がない」と言われることが多いが、単に若い世代が悪いだけなのだろうか。

決してそんなことはない。

よく上の世代の人たちは自分たちの時代を引き合いに出してくるが、若い世代に対してそれはタブーだ。なぜなら、今と昔は全く別世界だからだ。

「上の世代の言うことは絶対に聞くべきだ」といった風潮は非常に危険で、時代遅れもいいとこだ。上の世代の威圧的な態度は、今の建設業界にとって不純物でしかない。

「上の世代の言うことを聞け」と言うのであれば、上の世代こそ若手の言うことを聞くべきだろう。若い世代の今の考え方や生き方を少しは尊重してほしい。

老害との付き合い方

ここまで批判覚悟で色々と話してきたが、とはいえ、こんなことを嘆いていても若手の気持ちを理解してくれる人たちはまだまだ少ない。

実際に現場で老害に当たってしまった場合、どう付き合っていくのが正解なのだろうか。

一番効果的なのは「無視」なのだが、実際に現場で無視というのは現実的ではない。そうなると、よく言われる、若い世代が大人になるしかない(若手が空気を読んで老害に合わせるしかない)わけだ。

本質的な改善にはなっていないが、老害が考え方や行動を変えない限り、若い世代が大人になるしかない。

当たり前だが、建設現場は一人では仕事ができない。だからこそ、全員が気持ち良く仕事をしてもらうためには、お互いに協調性を持って付き合うか、もしくは片方が我慢して合わせる付き合い方をしなければ、現場は円滑に進まない。

先輩に敬意はあるが…

前述した通り、老害と上手く付き合っていくために、我慢をしている若手は多い。それがストレスになり、離職につながっていると私は考えている。

これから未来を担う若い世代に、少しは敬意を払うべきではないだろうか。常に若い世代の顔色をうかがって接しろと言っているわけではなく、老害の人たちも「一人の大人」として、しっかりと丁寧な対応で話す・接するといったことくらいはできるはずだ。

この課題を解決しない限り、建設業はさらに離職が進み、人材不足になるだろう。

今の若い世代は、考えているや思っていることが分かりづらかったりするが、上の世代の人に敬意がないわけではないと思う。話してみると、尊敬している先輩や慕っている上司がいたりする。ただ、尊敬はしつつも、権威を全面に出されるとしんどくなってしまうのである。

建設業界では、自分たちの考えを話そうものなら「そんなバカなことできるか!」と現場で一蹴されたという話はよく聞く。しかし、それが実際にこれからの建設業には必要な考え方だったりする。

若い世代の発言や発想は、可能性と斬新なアイディアに溢れている。なんでもかんでも経験や知識でねじ伏せてしまうのは違うのではないだろうか。これから最新のツールを使いこなしていくのも、間違いなく今の世代の若者が中心になる。

老害にならないためにも、まずは若者の声に耳を傾けるべきである。

 

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