生コンが取れない。現場からは嫌味の嵐
「生コンが本当に取れない・・・。」 これが最近の、私の率直な悩みだ。
ある災害復旧の土木工事を担当しているのだが、本当に頭を悩ませている。現在、地方では災害復旧工事が多方面で行われており、その影響で生コンが思った日に取れない、という状況がかなり長い期間続いている。
もちろん、生コンの段取りを早く押さえる対応は行っており、大体1週間前になると手配の連絡をするのだが、工場から帰ってくる返事は「確約できない」。確約できない・・・?1週間前に押さえようと思っても、その日にならないと分からないという。
今の時期なので仕方がないと思いつつも、現場での私たち監督に対する風当たりは非常に強い。思った日に生コンが段取りできないとなると、強い口調で嫌味を言われることもしばしば。
確かに、職人の仕事を止めないようにするのが我々の仕事だ。しかし、時には本当にどうにもならないこともある。前々から段取りを進めていても、工場側から指定された日に事前連絡をしてみると、その日は無理だと断られる、なんてこともある。
果たしてこれは、我々、現場監督の力不足なのだろうか・・・?疑問に思う。
工事の進捗が遅れ、関係がぎくしゃくすることも
当然、生コンが取れなければ、取れる日に合わせて工事を進めていくことを余儀なくされる。となれば、全く仕事にならない日が出てくる。しかし、これは私たちも未然に防ごうとしても、どうにもならなかったことである。
単純に、自分たちが生コンを押さえ忘れていたとなれば話は別だが、早いときには3週間も前から確認の連絡をしているにも関わらず、押さえることが出来なかったということもある。正直これには、我々もお手上げだ。
それを話して理解してくれる業者ならば良いが、そんなに親切な業者ばかりではない。当然、工事進捗が遅れることでダメージを受ける下請け業者は、我々に強く当たってくる。
こういったことが原因で、できないレッテルを貼られて、工事中にぎくしゃくしてしまうことも珍しくないだろう。
運転手、ミキサー車の数が現実的に足りない
大前提として、運転手が不足しているということをまずは理解してほしい。ミキサー車が増やせない要因もしっかり存在するということだ。
生コン工場は、現状そこまで利益が出ている企業はそう多くはない。新たな二次製品の登場や、工事での生コン使用量の減少に伴い出荷量が激減し、運転手とミキサー車を手放したという企業も少なくないだろう。
こういった背景から、現在はミキサー車が足りない状況だが、離れていった運転手の人材の確保、そしてミキサー車の購入に関しては、稼働と採算の見通しがつきにくく、生コン製造・販売会社としても増大に対しては前向きではない。
災害復旧工事で経営状況は少し回復したが、人材やミキサー車を増やせるほどの利益にはまだ及ばないのだろう。生コン業界では、こういったかなり深刻な問題が発生しているのだ。
現場監督だけを責めるのは筋違い
こういった現状を理解してくれて、それに対して一緒に施工方法を考えてくれる非常に良心的な業者さんも存在する。我々も、協力してもらっているという意識を強く感じることができれば、どうにか工夫して下請けの利益を上げられる方法を考える。
しかし、我々も人間だ。私たちの力ではどうしようもできないことを、解決しろと強引に押し付けられても、正直ムカついてしまう(笑)。生コンを取っていないのではない。その現場だけが特別というわけではなく、各地で同じようなことが起こっているのだ。
もう少しモラルを持って、業界が今どのような状況になっているのかをしっかりと理解してほしい。現場監督だけを責めるのはお門違いだ。
施工の神様より