オンライン会議をするだけで「進んでいるね」と驚かれる
「建設業界はアナログ」。いまだにこう言われている。
ここまで世の中でテクノロジーが進化しているのに、建設業界はほとんど進んでいないように思う。この現状にそろそろ危機感を持たないといけない。
ここ最近、立会や社内の会議等をオンラインで行うことが増えてきているが、これに対して、建設業界では「進んでいるね!すごいね!」といまだに驚かれることが多い。これが大きな問題なことに皆さんは気づいているだろうか。
他業界では、すでにオンライン化はかなり進んでおり、リモートやオンライン会議といった取り組みはすでに一昔前のものになりつつある。
不動産業界などでは、VR技術を活用したバーチャル展示会なども導入され始めており、移動をせずとも部屋の臨場感等を味わうことができる素晴らしい技術が、実用化に向けて進められている。
そんな中、「オンラインで会議ができるから進んできたね」という発言は、建設業界がどれだけ時代に取り残されているかを物語っている。
いまだにシステム導入率が100%に達していない
建設業界にとって、施工管理システムや労務管理システムなどのツールは必須と言える。しかし、こういったシステムですら、普及率が100%に達していない。
これは末恐ろしいことだ。例えるならば、戦争に銃を持たずに刀で挑もうとしているようなものだ。
今の建設業は、手で図面を描いていた時代と比べて、システムが発達したことにより、かなりの精度が求められるようになってきている。それだけの精度を求められる中、システムの導入なくして、工事の完工はありえない時代になってきているのだ。
この現実を見ると、システムの普及率が100%じゃないこと自体、おかしいことだと私は思う。
「頑固なベテランたち」が弊害になっている
今から私が言うことは、一部の人間は非常に怒るかもしれない。しかし、それを覚悟で発言させてもらう。
今の建設業界を邪魔しているのは、間違いなく「頑固なベテランたち」である。
新技術を使用して工事を行おうとすると、自分たちの思うようにできないため、嫌う人間も少なくない。ましてや、若い技術者が新しいシステムを使って、精度の高い施工方法を提示しても、何かと文句をつけて、やろうとしない世代は本当に多いと感じる。
ハッキリ言うと、そういった人間は今後老害でしかない。現場で、今や丁張を1~2本かければ施工ができてしまう時代がすぐそこまできているのに、無駄な丁張りをかけろだの、明らかに無駄な作業を強要する人間がまだまだ多くいる。
確かに、彼らがいたから今の建設業界がある。しかし、これからもっと建設業界が進化していくためには、それが弊害になってきているのだ。悔しいかもしれないが事実である。
ベテランの方々は、たくさんの技術や経験を持っている。その技術や経験を継承していくためにも、これからは、柔軟に次世代の施工にシフトチェンジしなければならない。
それができない場合、建設業界が衰退していくのは目に見えている。ICT化など、システム導入の波は今後ますます加速していくだろう。さらに、システムに強い若手が、これからはどんどん建設業界の上流階層に上がっていくことになる。
ベテランの方々は、本当に素晴らしい技術や経験を持っていることは誰しも理解している。ただ、時にはプライドを捨てて、若い人間の意見も聞いてほしい。
それが、今後の建設業界の発展に繋がっていくのだ。