設計変更で発注者を動かす極意
土木技術者にとって、公務員(発注者)という「無気力な山」は、常に頭を悩ませる材料である。
いかにして設計変更の際に「無気力な山」を動かすか、その極意を伝授したい。
こんな実務的な技術や本音は、今のところ「施工の神様」でしか書けない。これも建設業界の問題点の一つである。
しかし、ようやくその「事実」に気付きはじめた有識者も出てきたようだ。
1.書面主義の徹底
まず、発注者から変更指示書が出ない限り、現場施工は絶対しない!絶対妥協しないことが重要だ。
よくあるのが「発注者による口頭指示」だが、これに騙されている受注者がどんだけいることか!
最終的に、発注者の都合が悪くなれば「そんな指示はしていない」「言ってない」などと、どっかの政治家みたいなことを平気で言ってくるので要注意である。
自分の身を守るために、全て書面で残しましょう。書面主義の徹底は、発注者・受注者の双務性を確保する唯一の手段です。
安易に妥協してはいけません。
2.監督職員がダメなら主任監督職員へ伝える
変な監督職員に、振り回されてはいけません。
監督職員は、たいした権限を持ってません。特にお金の部分は権限がありません。
なので、ダメな監督職員の対応は、ほどほどにしましょう。
監督職員に話して無理であれば、改善を主任監督職員へ書面で伝えることが大切です。
3.「試験施工」という隠れ蓑に注意
安易に「試験施工」という隠れ蓑に屈してはダメです!
結果、設計変更に繋がりますか?
「受注者が試験施工したい」と言ってきたので、発注者は認めました。
しかし、
「設計変更の対象としない」
「あくまでも受注者の創意工夫である」
行き着くところ、そんな考えで試合終了になる可能性「大」です。
何故か?
発注者のプライドと、発注者は試験施工による積算方法を分からないためです。
何でも「企業努力・創意工夫」。安易に取られますので要注意です。
4.OB作戦は通用しない
OB作戦は通用しない時代であることを認識すべし。
もう、OBがどうしたこうしたの時代は終わりました…。
一部、 ほんの根強く残っている発注機関があるようですが、もう無理です。この社会情勢で、OBが云々はあり得ません。
もしあるとすれば、贈収賄しかないかと…。
そんなのに巻き込まれたら、会社が無くなります。
5.監督職員とのコミュニケーション
変な監督職員だったとしても、大人の付き合いは大切です。
監督職員とのコミュニケーションを図りましょう。
ただし企業にとって損益が出ない範囲で対応しましょう。
しかし、お金に関する指示で、意味不明なこと、理不尽なことを言ってきたら、無視してください。
「主任監督職員からの正式な指示がないので…」と突っぱねてください。
結局は書面主義を徹底することが大切です!
発注者と受注者の立場は対等
発注者は、決して偉くないのです。
発注者、受注者は「対等な立場」であることを肝に銘じてください。
むしろ最終的にビルドされる受注者のほうが、賞賛されるべき立場にあると思います。
世のため、人のため、たった1人の住民に感謝される仕事と、100人に感謝される仕事の尊さは同じです。
行き着くところは、住民の皆様に感謝される仕事を全うできれば十分です。もちろん、利益も確保しながら…。