建設現場でも女性を多く見かけるようになったが…
最近、以前に比べて、現場で女性を見かける機会が多くなってきた。現場での施工管理はもちろん、作業員に混ざって施工をこなす女性も多く見かける。
建設業で働く人間にとって、これは非常に価値があることであり、多くの女性が活躍していることは個人的にも嬉しく思っている。
しかし、それと同時に、「土木女子が仕事をしない」と嘆いている企業も出てきていると聞いたことがある。なぜそのようなことが起こってしまうのか、現場の実態を見ていこう。
仕事をしない土木女子が急増中?
現場で仕事をしない土木女子は、基本的に「甘やかされているからだ」と、実際に働く職人たちは口にする。
建設現場では、土木女子はやはりまだまだ珍しい存在だ。重いものや重労働は当然、女性にはさせていない。ここまでは普通の話だと思うだろうが、問題はこの先である。
ごく稀に、土木女子の中には、重労働をさせられないことをいいことに、このことをうまく利用する人がいるという。
荷物運搬や重労働をしなくても良いからといって、業務を一切しなくても良いということにはならない。にも関わらず、女性という立場を利用して、任された業務も行わない土木女子がいて困っている、という企業も実際にあるようだ。
建設現場の性質上、仕事しない問題はつきまとう
建設現場は、いわゆる3Kと呼ばれる環境。
男性でも過酷な労働環境と言われる仕事に女性が就業するわけなので、当然配慮は必要だろう。あまりにも重量のある材料、振動の伴う長時間の重機作業など、女性にとってあまりにも過酷な労働は、当然させるべきではないと考える。
しかし、このような配慮が必要であるが故に、女性の業務が曖昧になってきている部分があると感じる。
厳しい言い方になるが個人的な意見としては、現場で作業員として働くのならば、材料運搬や重機作業といった業務を行えないのは「戦力外」だ。建設現場で働いている男性からすれば、邪魔だと思われてしまってもしょうがないことではないだろうか。
女性自身も、現場に対する配慮が必要
「男性が女性を守るべき」という世の中の考え方には賛成だが、自分の意志で建設業界に飛び込んできたのならば、女性自身も自覚を持たなければならないと思う。
“女性のほうが仕事ができる”と現場で評価をもらっている土木女子の多くは、現場での自分のポジションをわきまえている人が多いように感じる。
例えば、型枠材の材料運搬は男性が行い、コンパネへの打ちつけや面木の打ちつけといった細かい面倒な作業を女性が率先して行う。男性よりも女性のほうが圧倒的に器用だったりするので、力作業の運搬などを行えない分、そういった男性が面倒だと感じる業務を行うことで、職場でのポジションを確立しているのだ。
コンクリート打設時なども、力のいるバイブレやホッパー打設などは男性が行い、コテを使って仕上げる作業などは女性が率先して行う。こういった作業は、男性よりも女性のほうが筋が良いことも多いそうだ。
このような配慮は、男性がしんどい仕事を請け負う分、女性自身も考えなければならないと思う。
現場で働くなら、女子も男性も平等に扱うべき
こういった記事を書くと、「男女差別反対!」と言う人もいるだろう。でも、よく考えてみてほしい。
キツい仕事をしたくないと思っているのなら、現場ではなく、積算や管理業務など選択肢は他にもある。いくつかの選択肢がある中で、女性として現場で働くことを決めたのであれば、極端な話、一緒に作業着を汚すくらいの覚悟は必要だと思う。
現場で一生懸命働いている、多くの女性の方々には非常に申し訳ないと思いながらこの記事を書いているが、「自分は特別だ」と思っている一部の女性に関しては、建設業で従事する男性の立場から、冷や水をぶっかけなければと思い、この記事を書いている。
建設業界がもっともっと女性も活躍できる業界にするためにも、”男性が女性を助けるのが当たり前”という考え方を変えていく必要があるのではないだろうか。
施工の神様より