現役の建設コンサルだからこそ知る実情
現在、私はあまり名の知れない公共土木工事の受注をメインとした建設コンサルタント会社で勤務しています。
施工の神様でも、建設コンサルタントの成果品について様々な問題点や苦情等の記事を目にしてきましたが、やはり実情を知ると変なところを垣間見ることがあります。
そこで、建設コンサルとして勤務している私から見た、建設コンサルタント会社のおかしな点について書いてみたいと思います。
現場を知らない、見ない人たち
建設コンサルタント会社なので当然、技術士の資格をお持ちの社員の方がおられますが、私の会社の技術士は40代半ばの一人の方を除き、皆さん70~80代のご高齢の方ばかりです。その他の中堅社員はRCCMで仕事をしています。
私は建築士資格しか持ち合わせていないので、管理技術者となる技術士もしくはRCCM保有者の下で働く組織体系となっています。ご高齢の技術士の方は、皆さん照査技術者として働かれているのですが、ネックとなっているのが意外に現場のことをご存じない方が多い、ということです。
もちろん現場を経験されて今に至っている方もいるのですが、私の会社の特性上、遠方の業務が多いため現場に行く機会が限られています。現場調査に行くにも、車で片道2時間とかいう現場もザラですので、(会社の都合が大きいとは思いますが)経費を考えると頻繁には行くことができません。
また、現場を見ずに「たぶん~だろう」とか「前はこうだった」という、根拠のない感をフルに発揮して業務を行われている方もいます…。
私の会社だけかもしれませんが、このような状況では既存資料のみをベースとして設計業務に従事せざるを得なくなり、いざ工事という際に図面と現場の不整合が見られる、という事態が生じます。いわゆる「使えない設計」というものが出来上がってしまうのです。
今の時代、DX等で建設業界のICT化推進が叫ばれていますが、中小企業にはまだまだ遠い未来のようにしか聞こえないのが現状です。
後輩の育成をする気のない上司
私の会社は建築士事務所登録をしていますが、私は管理建築士ではありません。つまり、建築士の上司がいるのです。会社には上司と私の2名が建築士資格を保有していますので、建築がらみの業務があるとどちらかに仕事が分配されます。
管理建築士である上司は、仕事に対する熱意はなく、担当している業務の大半を納期延期している状況です。席が離れているのでどういう風な仕事をしているのかは分かりませんが、自治体担当者とコミュニケーションをほとんど取らない(正確に言うと取ろうとしない)ため、いざ納品・検査となった際に、発注者の意図をくみ取っていない成果品になっているため、修正を繰り返している状況です。
現に、今も納期を半年も伸ばしてもらったのに、未だに終わる気配がないという体たらくです。
建築士の先輩でもあるので、技術的な質問をすることもありますが、「やったことがないから分からない」の一点張り。よくもまあ今まで仕事をしてこれたなぁ、と逆に感心してしまいます。その割に定時退社は当たり前…。みんな諦めているのかもしれません。
建設コンサル会社の問題点
私の経験だけですので、いろいろとご意見はあるとは思いますが、建設コンサルタント会社の問題点は、下記のような点だと感じています。
- 現場における問題点を想像しない、思い込みが強い
- 過去の似た事例をコピー&ペーストする傾向が強い
- 発注者側と積極的にコミュニケーションを取らない
- 技術的なことで分からないことをそのままにし、過去の経験をごり押しする傾向が強い
過去、発注者側として仕事をしていた経験がある私としては、結構なテキトウぶりにストレスフルな毎日です。
内容は愚痴っぽくなってしまいましたが、建設コンサルタント会社を非難するわけではありません。ちゃんと仕事をしている方もいますし、真摯な対応をする会社もあります。
発注者側の経験としては、全然連絡もよこさず、いきなり成果品を持ってきたコンサルタント会社も確かにありました。会社の問題もあるかとは思いますが、最後は人間性なのかもしれない…と思う、今日この頃です。
皆様の会社はどうなのか、参考に教えていただけると幸いです。