工期を守れない施工業者はペナルティ
土木、建築に限らず、施工現場で働くプロとして、決められた工事の工期を守れないという事は、あってはならないが、実際には工期を守れずに、ペナルティを課せられる施工業者も少なくない。
それでも、たまに工期が遅れてしまう原因は、「想定外の事態」が起きるからに決まっている。
主観と経験に従って、工事が遅れる原因を「嫌いな順番」にランキングする。
工期遅れの原因 第3位
近隣トラブルはしょっちゅうなので3位にしておく。
近隣住民とのトラブルといえば、工事の騒音や振動を筆頭に、工事中に使用した重機による現場周辺・家周辺の破損トラブルなどが多い。
特に騒音問題は多い。工事があるところに騒音あり、工事は騒音に通ず、という諺があるほどだ(嘘)。
騒音がひどいからと言って、工事をストップさせられるだけでなく、慰謝料を請求されることもある(住民よ、お前のための道路工事でもあるんだぞ!)。
近隣住民とのトラブルが発生した際、一人で対応できないと判断した場合は、上司や市役所の人間に立ち会ってもらうのも一つの手だ。
工期遅れの原因 第2位
破損トラブルは、レッカー車や生コン車が通行した後の、道路の欠損に対する指摘が多い。
復旧さえすれば、問題が解決する人もいる。しかし、損壊部分を見て腹を立てて、工事をストップさせる人も実際に多い。
ストレスの捌け口になっている感がハンパない。こっちだってマジでキレそうな5秒前だ!もちろん工程が大幅に遅れる。
欠損箇所が出た場合には、補修させてもらう意思を伝え、それでも工事をさせてもらえないのならば、作業のルートや工程を変更することも直ちに検討しなければならない。
工期遅れの原因 第1位
工期が遅れる原因には、設計上の問題もある。設計ミスで非常に多いのが、設計通りに構造物を設置したら、境界から出てしまうパターンだ。
法面の現場では、主に集水桝を設置する際に、この問題がよく発生する。コンサルタントが描いた図面通りに設計すると、集水桝の一部が工事の境界からはみ出てしまうケースが多い。
そうなると、法枠を設計よりも内側にずらして、法枠が奥にずれた分だけ、水路や落石防止策の台座なども動かす。境界から出ている集水桝だけを境界内に収めるのではなく、法枠の勾配を少しきつく変更して、全ての設計上の構造物をずらすイメージである。
早めに問題を把握できればマシだが、工事がほとんど進んでしまった状態で、この事実が発覚した場合、やり直しの工程も出てくる。やり直しの工程次第では、工期が絶望的な状況に陥る。
そうなってしまったら、すぐに測量して状況が分かる図面を作成し、役所の工事担当者と綿密に相談することになる。変更箇所が出た場合には、作業員に直ちに伝え、次の段取りをしてもらう。
とにかく先を見た行動が必要だ。
工期遅れの責任は施工管理技士にある
作業員のミスも工期遅れの原因になる。不安全行動で役所からペナルティを受けて業務停止。現場内外で重機災害、交通事故…。
しかし、工期が間に合わないのは、すべて施工管理技士の責任である。「想定外の事態」が起きた時こそ、施工管理技士の力が試される。
工程管理を守ることは大前提だが、想定外の事態が起きても慌てず、冷静に対応できれば、工期に間に合わないことは滅多に起きない。
だらだらしていても工期が伸びてしまうばかりである。
「クソがッ!」と心の中で思っても、自分の就寝時間を削ってでも、工事だけは遅らせてはいけない。お住民様たちのために!