法面工全般 現場問題点

現場の植物を見るとその地形や保水状態がよく分かる。代表的なモノは竹だ!

皆さんこんにちは。

エンタです。

私が法面の調査に行く時に、気にする部分は竹です。

まぁ竹だけはありませんが、生えている植物によってザックリ土壌の状況が分かります。

竹林

「竹林=表層の保水のサイン」
「ヤナギやハンノキ=谷筋や地下水位が高いサイン」
「ヨシやスゲ類=地表に水が滞るサイン」

植物の種類 代表例 出やすい場所 意味すること
竹類 モウソウチク、マダケ 谷筋・山裾・湿った斜面 表層土が湿潤、1〜2m程度まで根が広がる
ヤナギ類 シダレヤナギ、ドロヤナギ 川辺・沢沿い 地下水位が高い、水が集まりやすい地形
ハンノキ ハンノキ 湿地林、田跡 湿原性、排水不良地を示す
ヨシ(アシ) ヨシ 沼地、河川敷 表層に水が滞留しているサイン
スゲ類 カヤツリグサ科スゲ属 田の畦、湿った低地 地表が常に湿っている環境
セリ類 セリ 水路沿い、湿田 清水が湧いている証拠
ゼンマイ・ワラビ 山菜類 谷筋、湿った法面 湿潤地・保水のある山地
トクサ トクサ 川沿い、湿った砂地 地下水の高さを反映
ガマ類 ヒメガマ、ガマ 池や水辺 強い湿地環境を示す
その他 ドクゼリ、ミツガシワ 湿原 強湿地指標植物

※あくまでも目安です


竹林があることで分かること

1. 土壌環境の特徴

  • 水を多く含む土壌
    竹は生育に大量の水を必要とします。したがって竹林が存在する場所は、地下水位が比較的高く、雨水が集まりやすい湿潤な土壌である場合が多いです。

  • 保水は表層部中心
    竹の根(地下茎)は横に広がりやすいですが、深さは1〜2m程度が中心です。そのため表層土の水分を強く利用しており、地表面近くの保水性が高いことが分かります。

2. 地盤安定性とリスク

  • 表層の締まり
    根が浅く広がるため、地表面をある程度固定化し、表土の流出を防ぐ効果があります。

  • 深部の不安定性
    逆に2mより深い部分には根が届かないため、地下水の動きや深い層での地盤崩壊対策にはほとんど効果がありません。法面安定には要注意。

重力式擁壁と水抜きボーリング工

3. 何の工法を考える?

  • 水抜き・排水対策が重要
    表層に水が滞留しやすいので、擁壁・法面工事では必ずボーリング排水が必要になると考えます。

  • 根の深さを理解して施工を
    アンカーや杭を打設する場合、竹根の分布深度を参考にして「地表面の締まり」と「深部の弱さ」を考慮することが重要です。出来れば伐採してボルト&水抜き


竹林は「表層に水を多く含む湿潤土壌」のサインであり、根は1〜2m程度と浅いため「地表面の安定には寄与するが、深部の地盤安定には効かない」と言えます。

したがって、竹林を見かけたら「水が多い土地」「深部の安定性に注意」といった読み取りができます。

そう言った目線で現場を見てみるとまた違った角度で見る事が出来ます。

まぁ人工的な部分も有る場合がありますけどねw

 

それではまた。


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