皆さんこんにちは。
エンタです。
先日このブログでグラウンドアンカー工における受圧板裏の設置面積の話しを書きましたが、
今回は「受圧板裏の不陸調整って必要か?」って部分を書いていこうと思います。
コレ、結構質問が多いんです。
特に建設コンサルの方から「不陸調整って必要なんですか?」って聞かれる事が多くて。
ほぼ必要なケースが結構多いんですw

不陸調整の有無は何で決まるのか?
まず、そもそも不陸調整が必要かどうかは受圧板の設置箇所で決まります。
ココを整理します。
不陸調整が不要なケース
①法枠工の上にアンカーを打設する場合
法枠工の場合は、法枠自体がモルタルで成形されています。
なので受圧構造物は法枠になります。
法枠の交点部分にアンカーが来るので不陸調整は基本不要です。
ただし、水平方向にかなり角度が有る場合は注意が必要です。
②擁壁面に設置する場合
コンクリート擁壁の場合も同じです。
擁壁面は基本的に平坦なので、受圧板を置けばピッタリ密着します。

※写真は鉄筋挿入工です。
不陸調整が必要なケース
さぁここからが本題です。
①地山に直接設置する場合
コレが一番多いパターンなんですが、設計者の中には「山が軽く沈んでイイ感じに収まるでしょ」って思ってる方が結構多いんですよ!
いやいや、そんな甘くないですからwww
地山って凸凹してるんです。
当たり前ですけど自然の山ですからね!(いくら片切掘削を行ったとしても)
人工的に作った平面なんですが、石が入っていたり、木の根があったりと。。。
受圧板を置いたら裏側ガタガタで、接触面積が極端に少ない状態で緊張する事になります。
先日のブログでも書きましたが、接触面積が少ないとめり込みます。
そして最悪は受圧板が変形・座屈します。
②打設角度がキツい場合
打設角度がキツイって事は、法面の角度も浅い場合やその反対の時もあります。
角度がキツイ法面って基本的に岩が多いか、もしくは削った面なので凸凹が大きいんですよ。(軟岩)
しかも角度がある分、受圧板がズレやすい。(角度合わせは結構大変w)
不陸がある上にズレやすいって、もうダブルパンチで面倒な事もw
③地耐力が微妙な場合
地耐力が微妙な場合は、受圧板と地山の接触面積が特に重要になります。
地耐力がギリギリなのに不陸で接触面積が減ったら?
もう計算上アウトですよねw
こういう場合は不陸調整をしっかりやって、出来る限り90%以上の密着を目指す必要があります。
(計算上の差分を考えて90%以上)
④設置箇所の山が欠けている場合
コレも結構あるんですよ。
削孔した後に見たら「あれ?ここ欠けてない?」「受圧板飛び出るよね?」「そもそも図面上ではみ出てる」ってパターン。
欠けてるって事は受圧板がそこで浮くって事です。
浮いてる部分は力を伝えられないので、不陸調整で埋めないとダメです。

ただし、上記写真を見て下さい。
右上だけコンクリートで作っていますw
私のアンカー人生で初の不陸調整です!
山の欠けている部分だけをコンクリート打設して作っているんですが、恐らくそのうちズレる可能性高いです。
ズレる原因は地震とかですかねー
雨で洗掘もされますよね~^^
コレはNEXCOの現場ですが、担当コンサルの業務委託の方も非常に高圧的で打合せにならなかったのをよく覚えていますw
⑤打設箇所が間知石の場合
間知石って凸凹の極みですよねw
石積の面に受圧板を密着させるなんて、そのままじゃ無理です。
目地の凸凹、石のR、隙間…もう不陸だらけ!
間知石の場合は必ず不陸調整が必要です。

マットとモルタル、どっちが良いか?
不陸調整の方法として大きく分けると耐候性マット系とモルタルがあります。
基本的に、受圧板の裏込の基準というのはありません。
それを経験的に判断基準を書いて行きます。
不陸が100㎜以上の場合
不陸が100㎜以上ある場合はモルタル吹付工の方が良いです。
マットで埋めるには限界があります。出来なくは無いですが、限界に近いと思われます。
それだったらモルタルでバッチリ面を作ってしまった方が確実です。
ザブトン枠等でしっかり作った方が受圧板の座りも良いですね。
手間は掛かりますが、確実性は段違いです!
不陸が100㎜以下の場合
100㎜以下であればマットの方が良い場合が多いです。
マットなら養生期間も要らないし、コストも安い。
100㎜マットを一撃でも良いですし、30㎜程度を適宜重ねて調整すればOK。
現場の能率を考えたらマットの方がスピード的にも優位です。
| 受圧板の裏込 | 必要性の有無 | モルタル | マット | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 法枠工 | 不必要 | — | ○ | 交点はコテ仕上げ マットがあっても良い |
| 吹付工 | 必要 | ○ | ◎ | マットがあればなお良い |
| 地山 | 必要 | ◎ | △ | 地山の不陸は取れない |
| 擁壁 | 不必要 | — | — | 表面が悪い場合はマットで |
| 間知石 | 必要 | ○ | ◎ | 間知石もズレにくい |
| 欠けている山 | 必要 | ◎ | × | 受圧板全面で作る |
| 打設角度がキツい | 必要 | ◎ | × | 角度調整も兼ねて |
設計コンサルへ伝えたい事
不陸調整の有無を判断するのはコンサル(設計者)です。
ココでハッキリ言いますが、基本は不陸調整は有った方が良いです。
無いよりも有った方が確実に良い。
なぜなら、自然の山は平坦じゃないからです。
図面上では受圧板がピッタリ法面に付いてる絵を描きますよね。
でも現実は違うんですよ!
地山の法面なんて凸凹だらけ。
「山が沈んで馴染むでしょ」って考えは危険です。
山が沈むかどうかは地質次第であり、岩盤だったら1㎜も沈みませんからw
不陸調整を設計に入れるか入れないかで、その後のアンカーの品質と安全性が全然違ってきます。
特に地山直接設置のケースでは、不陸調整を設計に入れる事を強くお勧めします。
施工者から設計変更で上げる事も出来ますが、最初から入っていた方が現場もスムーズに進みます。
結局は不陸調整が無い状態で施工して、後から問題が出て手戻りするよりも、最初からしっかり不陸調整を見込んでおく方がコスト的にも安いんです。

受圧板の不陸調整はグラウンドアンカー工の品質を左右する重要な工程です。
「要る・要らない」を現場任せにするんじゃなくて、設計段階からしっかり検討して欲しい。
我々施工者は現場で最善を尽くしますが、設計に入ってるか入ってないかで施工の精度もスピードも全然変わります。
アンカーは山の中の見えない部分で作用するモノです。
だからこそ、見える部分である受圧板の設置はしっかりやりたい部分ですね。
ダウンロードに判断基準のエクセルデータを載せておきました!
それではまた。



