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元請と下請で見えている景色の違い ― 請負金額の交渉に潜む背景 ―

皆さんこんにちは。

エンタです。

こんにちは、エンタです。

お金

建設業界で日々欠かせないのが「請負金額の交渉」

打合せの場で「うーん、ちょっとその金額は高いなあ…」と元請担当者に言われて、

こちらは「これ以上下げたら会社がもたない!」と頭を抱える。

そんな場面、元請、下請として誰しも経験しているのではないでしょうか?

 

なぜここまで両者の感覚が違うのか。

今日は「元請」と「下請」それぞれの目線で、その背景を掘り下げてみます。

 

元請担当者の目線

まずは元請側

自分の手取りよりも高い金額は、すべて高い金額という金銭感覚(ココが高いか安いかの線引き)

現場を仕切っている担当者は、いわゆる“サラリーマン”です。

彼らの給料は固定ですよね。(残業等で上下は有るものの)

会社から毎月安定した給与をもらっています。

だから「利益=自分の給料に直結」という感覚は薄いんです。

なぜなら毎月安定の給料で自分の手取りが全て自分のお金。

現場で使うお金は全て経費(会社のお金)です。

元請

評価はコスト削減

上司からは「原価を抑えろ」とプレッシャーが常にかかっている。

少しでも下げて発注することが“いい仕事”とされやすい傾向にあります。

 

彼らの責任範囲は「現場を安くまとめる」こと。

だから単価交渉になると、つい「もうちょっと下がりませんか?」が口グセになる。

何なら嘘を付いてでも安くまとめる事もかなり有ります!※

 

つまり、元請担当者にとっては「自分の立場と評価」を守るのが最優先。

だからこそ、数字の裏側にある下請の事情を想像する事は出来ません。

と言うかその立場になった事が無いので分からないのです。

 

私もかつてそうでしたが、単価100円も上がると最終100万にもなるじゃん!!

100万はトンデモナイお金だ!!僕の給料の何倍よ!!??下げなきゃいけない!!!

って思ってたくらいですからw(若いとコレが普通かも)

 

下請社長の目線

一方、下請の社長の立場から見ると景色はまったく違います。

 

背負うものが多すぎる

従業員の給料、社会保険料、車両や重機のローン、材料費、燃料費…どれも待ったなし。

1円単位にシビアな場合も!!!?(実際は千円単位)

利益率が少し削られただけで会社全体の資金繰りが狂う。(ゼネコン現場ではシビアになりがちです。)

特に小規模会社では死活問題です。

下請社長

「赤字工事はやらない」が鉄則

赤字を抱えたら会社は簡単に潰れる。(すぐに潰れる訳では無い)

だから単価交渉の場で妥協すると、後で自分の首を絞める結果になる。

つまり、社長にとって請負金額は「従業員の生活」と「会社の存続」を守る命綱。

元請担当者が“ちょっとした数字”と思う額でも、

社長にとっては倒産か存続かを左右する大きな数字の可能性が高いわけです。

(毎回の積み重ねで今があるので)

無理してやるとその現場の赤字のせいで他の現場の利益を取られてしまう!

しかも、その現場をやらなかった場合、赤字になる事も無く他の現場で黒字の可能性も!?

 

すれ違いが生まれる理由

同じ金額を見ても、両者の立場が違うから“見えている景色”が異なります。

元請担当者:「評価と立場を守るために、少しでも安くまとめたい」

下請社長:「会社を守るために、どうしてもこれ以上下げられない」

 

この隔たりがある限り、交渉の場でどうしても摩擦が起こるのは自然なことです。

「なぜそんなにしぶるんだ!」と感じた時、実はお互いの背負っている背景が違うだけなんですよね。

摩擦

現場のリアルな“あるある”

打合せで「この金額じゃ上が通らないんですよ」と元請が言うと、

下請は「こっちは機械費すら出ませんよ!」と反発。

元請がコストを削った結果、現場に無理がかかり、作業員の安全や品質にしわ寄せがくる。

下請が無理に引き受けて赤字工事にすると、次の現場を支える体力を失う。

こうした“現場あるある”が積み重なって、業界全体の下請疲弊につながっているのが現実です。

最悪の場合はもうその会社の仕事はしない。

○○さんの現場は行きません!ってなります。

 

着地点を探るには?

解決策は一つではありませんが、ヒントはあります。

 

数字の裏を想像する

元請は「その金額で会社や従業員を守れるか?」を想像してみる。

もっと経費かかるんじゃ無いの?とか。

 

透明性を持つ

下請は「なぜこの単価が必要か」を機械費や人件費の根拠と一緒に示す。

 

協力関係を築く

短期的な数字合わせではなく、長期的に続けられる関係を優先する。
(最近はこう言うの少なくなったと思う、すでに無いのかも)

(※次の現場で返すというのは全て嘘なので断って下さいね!)

着眼点

お互いに立場を理解しようとするだけで、無駄な衝突は減るはずですよねー

請負金額の交渉がかみ合わないのは、「同じ金額でも価値の見え方が違う」から。

元請担当者は会社員としての立場を守り、下請社長は会社全体の存続を守っている。

この構造を知っているだけでも、交渉の場で感情的にならずに冷静に話し合えるはずです。

結局のところ、現場を動かすのは「人」。

お互いの景色を少し想像できれば、より良い関係が築けるのでは?って思います。

 

と言っても最終は下請がある程度泣くんですよね~

それが現実ですw

そして、元請が今回は儲かったでしょう!!?って聞くんですw

コレが一番ヤバイです。

何を基準に儲かったと言うのか?って下請社長は思っていますよww

それ、言わない方がイイです。

 

この現場では出来る限り出している方です。

と言って頂けるだけで結構です^^

 

それではまた。


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