皆さんこんにちは。
エンタです。
施工中に法面が崩壊する。
法面屋なら誰でも一度はヒヤッとしたり、がっかりした経験ありますよね?
今回はその原因と対策の話を、書いてみようと思いますw

法面現場は基本3種類しかない
法面の現場って、ざっくり分けるとこの3種類なんですよね。
1.既に崩壊した法面
2.崩壊しそうな法面(変状があって、近い将来崩れる想定で設計される現場)
3.橋梁・トンネルなどの構造物を造るために、開削で新しく出来た法面
一般的にはコレだけです。
1については、もう崩れているので、そこから更に大きく崩れる事は稀。
すでに抜けているので、崩れるモノが残ってないんですよね。
なので今回は2と3の話を中心に書きますw
施工中が一番ヤバイ、その理由
2と3は、施工完了までが一番不安定なんですよね。
なぜかと言うと、答えは単純で「裸地」だからですw
人間も服を脱いだら心が落ち着かないでしょう?反対の人もおるかもですがwww
法面も同じで、表層を切ったり清掃整形したりした直後というのは、植生も構造物も無い、丸裸の状態。
弱いです。
特に逆巻き施工の現場はその傾向が強い。
なぜ逆巻きでやるのか?
山をそれ以上一度に切ると保てないので、上段から少しずつ切って、一段ずつ押さえながら下りていく。
ただそれだけです。
裏を返せば、逆巻きを採用している時点で「この山は一気に切ったら崩れる」と設計段階で判断されているって事なんですよね。

安全率1.2は「完成時」のお話
切土法面の設計では、常時の計画安全率 Fs=1.20以上、地震時 Fs=1.00以上を確保する、というのが日本では一般的な考え方です。
(日本道路協会「道路土工-切土工・斜面安定工指針」、「道路土工要綱」等)
ただコレ、あくまで完成した状態で確保される数字なんです。
という事は、施工中はまだ1.2に達していない、だいたい1.0付近から徐々に1.2へ近づいていく、と考えるのが自然。
で、その途中段階の時に
大雨が来たら?
地震が来たら?
一気にFs=1.0を切って、崩壊って事になりますよね。(この辺の考え方は多少技術者によって違いがあるかも)
鉄筋挿入工やグラウンドアンカー工は、本数が揃って初めて設計で想定している拘束力が発揮されます。
つまり、1本目を打った時点では全体強度のほんの一部しか立ち上がっていない、という事。
現場吹付法枠工にしても、法枠単体では地山を押さえる受圧体に過ぎないので、鉄筋挿入工やアンカーと組み合わさって初めて設計通りの機能になります。
コレは設計図面上は一瞬で完成形に見えても、現場では何日・何週間もかけて段階的に立ち上がっていきます。
その「立ち上がる途中」の状態に、大雨や地震が来たら一発アウトの可能性が上がるという事です。

崩壊の原因、ほとんどが「水」
私的には、施工中の崩壊はほぼ水が原因って言って良いと思ってます。
イロイロな要因があるのは分かりますが、崩壊のキッカケは水。
先日からの雨で、朝現場に行ったら、吹付中の法枠がズルッと。
鉄筋挿入工を施工した穴から湧水が出てる。
雨の後、コレらはあるあるですよね~w
水って山全体に均一に染みるわけじゃないのは分かりますよね?
一番弱い所、圧が抜けやすい所、開放された所に向かってミズミチが走って行くと思われます。
つまり、綺麗に切ったばかりの法面こそ水の通り道になりやすい、と言う事です。(しみ出てきますよね)
今まで土被りで押さえられていた面が急に開放されて、地山の水圧の逃げ口になる、と考えると納得出来るかと思います。

シート養生は応急処置にしかならない
大雨予報が出たらシート養生。コレは基本中の基本です。
ただ、シート養生は根本的な解決では無いんですよね。
なぜなら、法面の表面に直接雨が当たるのは防げても、山の中に既に入っている水、法面のもっと上から回り込んでくる水は、シートでは止められないからです。
しかも、さっき書いたように水は一番弱い所に集中する。
全面をカバーしたつもりでも、結局一番切ったばかりの所で悪さをする、と言う切ない事実w
実際シート掛けても中で崩壊していることはありますよねー
シートは「今日の雨をしのぐ」役割であって、「地山を安定させる」役割では無いんです。(やらないよりはマシですが)
しかし、やらないわけには行かない(表向きの対策はイロイロと必要)のでシートを掛ける際のコツですが、
土嚢でしっかり抑える!
ヌキ板や足場材などを立て掛ける!
コレだけでその部分に抑止力が生まれますw
それではまた。



