施工の神様

土木工事で不当な値引きをされないために元請・下請業者がやるべきこと(施工の神様より)

施工の神様

建設業界では発注者、元請け、下請けがいて、仕事が行われる。

この流れの中で値引き交渉は必ず行われ、施工単価が安ければ当然利益率も上がるので、値引きをして少しでも安くできる施工方法を選ぼうとする。

しかし、この値引きの波にのまれると、様々なところで負の連鎖が起こる。土木工事を例に考えていこう。

値段が安いと発生する問題

工事を進めていくうえで、下請けへの支払いで全てが決まるといっても過言ではないと私は考えている。元請けが下請けへの支払いを削減しようとすると、色々なところで問題が発生するからだ。

まず、下請業者が値引きされた場合、逃げる施工をしてしまう可能性がある。どうせここまでやってもお金がもらえないなら、ある程度のところで逃げよう、と考えてしまうからだ。

しかし、元請けの立場からすればそうはいかない。施工単価が下がったからといって、逃げ工事を許容することは当然できない。ここで両者の間に深刻な溝が生まれる。お金の問題は相手との溝を生みやすい。

元請業者のやるべきこと

元請けは、自分たちが利益を上げることも当然考えなければならないが、自分たちの利益が確保できる予想がたった時点で、工事が円滑に進むよう下請けへの支払いを考える必要がある。

実行予算の段階で下請業者へ支払う金額はある程度固めている場合が多いが、もう一度細かい支出の可能性をピックアップしてみよう。

例えば、現場で雨が降った際、崩壊する可能性はどれくらいあるのか。その復旧作業にはどんな材料が必要なのかなど、できる限り細かく洗い出し、予算に組み込んでおく必要がある。下請けを動かせるだけの予算をあらかじめ計上しておくことが重要だ。

また、いざ災害が起きたときに「復旧作業はしてください。でもお金は出ませんよ。」では、業者も当然不満が溜まる。そういった不満が募ると思われる要素は、徹底的に事前に排除しておくべきだ。

下請業者のやるべきこと

下請けは難しい立場ではあるが、イエスマンにならないことだ。施工できる金額のボーダーラインを決めて、それを下回る金額を提示されたときには、「ノー」と言える勇気が必要だ。

元請けの顔色を見て、次仕事が来なかったらどうしよう…と泣く泣くイエスと言うのは非常に危険である。そもそも、利益確保を考えてくれない元請けと付き合う必要はない。

また、施工単価を値切られたとしても、施工内容を元請けが妥協するようなことは基本的にない。お金も見合わないし、ある程度の施工で逃げたいと思っていても、それは許さないと元請けに言われれば、嫌でも求められた施工をしなければならない。

下請けは、なんでもかんでもイエスマンになってはいけない。自分たちの首を絞めるだけだ。

値切り地獄から抜け出す最善策

こういった問題を解決するのは、お互いの利益分岐点をしっかりと把握することだ。

元請けも予算がない中で、下請けにお金を払うことは当然無理である。仮に利益が残せそうと考えているのならば、しっかりと利益を還元することも考えなければならない。

下請けの利益を確保するため、元請けが必要なのは、発注者から実際にかかった費用を引っ張てくる能力である。

言われるがまま施工するのではなく、しっかりとどのくらいの金額がかかってきて、それに対するお金を支払ってもらうという考え方が基本だ。何も言わなければ、発注者も予算の中で話を進めるので、注意が必要だ。

下請けも、元請けの利益が確保できないにも関わらず、過度な支払いを求めすぎてはならない。そんなことをするくらいならば最初から仕事を断る勇気を持つべきだ。

持ちつ持たれつの関係を忘れないことこそが、値切り地獄から抜け出す最善策なのかもしれない。

 

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