皆さんこんにちは
エンタです。
先日の法面清掃工は分かって頂けたかと思いますが、今回はラス張り工です。
このラス張り工でYOUTUBE上では強度を増すためとか言う方がいますが、間違いです。
ラス張り工のラスはあくまでもモルタルの連続性を持たせるものです。
強度等の概念はありません。
また、モルタル吹付を行う際にモルタルの垂れや部分的な剥離を防ぎ、
吹付時に地山との馴染みを良くします。
仮に、このモルタル吹付に強度を持たせたい!って場合は鉄筋組を行う事で多少強度が増しますが、
どの位かと言う事は計算出来ません。
ただ、ある程度の鉄筋ピッチと鉄筋のサイズではちょっとした法枠として考えても良いと思います。(簡易法枠の考えで)
上記丸石積擁壁のお宅ですが、ココは石積補強・補修よりも全体的に連続性を増す必要があったので、
鉄筋組を行い、ラス網をかぶせ崩壊対策の鉄筋挿入工を施工しました。
古い盛土の上に住宅が建っており石積に不安があったため石積を一体化し受圧構造物と捉え、
鉄筋挿入工で全体の崩壊防ぐという設計にしました。
(民間だからと言っても設計はしっかり行っています)
公共には出来ない柔軟な設計の考えが出来るので非常にやりやすいです。(勝手気まま設計では無いw)
ラス張り工は必ず必要な工程ですが、山の起伏が激しい場合やあまりにも吹付面が立っている(90度前後)
の場合はファイバー繊維を使用する事も出来ます。
繊維を入れる事でラス網と同等の効果、もしくはそれ以上の効果を得られる事が出来ます。
ただし、以外と繊維は高価なのでラス張り工が無くなったとしてもファイバー繊維の価格でまぁまぁ高くなります。
ちなみに、ラス張りの際に出来るだけスペーサーを入れておく事をオススメします。
上記は、PCスペーサーというモルタル吹付専用のスペーサーですが
コレがある事によって大事な事が担保されます!
それは吹付厚みです。
スペーサー設置後吹付を行います。
吹付でスペーサーが消えた時点で所定の厚みになっていると言う事です。
そして、ラス金網よりも4倍以上強い製品なのでクラックなどのひび割れに非常に強い!
こう言った細かい細工を公共事業者は行い施工しているので、公共構造物は品質や出来形を担保しています。
民間工事のみで施工している業者は聞いた事が有りませんが、
民間工事を行うのであっても施工は必ず公共事業者がオススメです。
(当然ですが、管理出来る会社で設計が出来ればなおよし)
それではまた。