グラウンドアンカー工 ロックボルト工

加圧注入してケーシングの外から出てくる本当の理由!

皆さんこんにちは。

エンタです。

加圧作業していますか?

パッカー加圧

まぁ私は加圧はそれ程意味をなしていないと昔から言っていますが、口元からなぜ出るのか?

って話しになったので書いてみようと思います。

 

通常通り削孔し、グラウンドアンカーや鉄筋などを挿入します。

その後注入しますよね。

ドブ付けの場合もありますが、取りあえず材料とグラウトが入っています。

 

そして、定着部までケーシングを抜きます。

次に加圧を行います。

 

その前に、削孔のケーシングとビットを見て下さい。

削孔径90㎜の場合です。

ケーシングビット径(削孔)

ケーシングは96㎜あります。

そして、ビットは103~105㎜程度あります。

7㎜~10㎜程度クリアランスがあります。(片側3㎜~5㎜前後)

削孔径に対して、2割程度大きいわけです。

 

周面摩擦もその分大きくなります。(その分抜けにくい)

✅ φ90 の場合(直径90mm):π×90≈3.1416×90=282.74 mm

✅ φ103 の場合(直径103mm):π×103≈3.1416×103=323.59 mm

φ103 の外周は、φ90 に比べて約「1.44割増し(14.44%増し)」です。

まぁ周面摩擦は参考程度にw

削孔クリアランス

削孔してケーシングを抜くためには、当然ケーシングよりも大きくある必要があります。

 

我々は常識の話しですが、知らない方のために書いておきます。

φ10㎜の鉄筋を穴に挿入する時、10㎜の穴を開けても穴には鉄筋は入りません。

φ10㎜以上の穴が必要になります。

必ずクリアランスが必要だという事です。

 

注入に戻ります。

削孔加圧

定着部までケーシングを抜いて、注入し加圧します。

 

この時に、ケーシングの地山点線部分(自由長部)のクリアランス地山が崩壊して

ケーシングと地山が密着していれば圧力は掛かります。

削孔クリアランス崩壊

が、地山が崩壊せずにそのまま保持していた場合、圧力は弱い方に逃げる。

という事は、ケーシングの外側から出てきますよね。

まぁ至極当たり前の話しなんですが、時に分かってくれない担当者もいるとかいないとか?w

 

なので加圧は基本的にオプション的に考えて下さい。

出来れば良いし、出来たとしても除荷(圧力を保持する訳では無い)するので加圧としての意味はあまり成していません。

 

加圧したら、地山に染みこんでって想像力は働くのですが、ありえません。

地山にどんなに圧力を掛けてもセメントミルクの粒度が大きいからです。

ザックリの粒子の大きさです。

  • セメントミルク(セメント粒子)
     → 約 1~50 μm(粒子)

  • 土(粘土粒子)
     → 約 1~5 μm(粒子)

  • 水の分子(H₂O)
     → 約 0.000275 μm(=0.275 nm)(分子)

土よりも分子が大きいセメントミルクが圧力で入るわけが無いことが分かりますよね。

コレが節理や亀裂のある岩盤なら入って行きますが、逆に注入しても上がって来ないと言う事になります。

 

加圧することで、内部の空気(エアー)を排出し、確実に充填するって意味では有りかもしれませんが、

そもそもセメントミルクを入れることで底盤部は重量が掛かるので・・・

グラウトの自重による圧力

下に行けば行くほど圧力は高くなりますね。

 

それではまた。


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