大手ゼネコン売上高過去最高、中小建設業は12年ぶり倒産2000件超え!法面業界が生き残る3つの道

Xin chào mọi người.

Đây là Enta.

今回は今期の話です。

建設業界の「上」と「下」で、何が起きているか。

先日こんな記事を見ました。

大手・準大手ゼネコン23社の2026年3月期決算で、売上高は11社、営業利益は10社が過去最高を更新。鹿島はゼネコンとして初めて売上3兆円を突破。
(建設通信新聞 2026年5月15日/出典

その一方で、コチラ。

2026年4月の建設業倒産は185件、前年同月比21.7%増で3カ月連続の前年同月超え。中小企業の倒産構成比は14カ月連続で100%。
(東京商工リサーチ 2026年5月13日/出典

2025年度の倒産件数は10,425件で年度ベース2年連続1万件超え。「物価高倒産」「人手不足倒産」は過去最多を更新し、物価高倒産は建設業が最も多い。
(帝国データバンク/出典

同じ業界の話なのに、片方は「過去最高!」、片方は「過去最多倒産!」

なんかおかしくないですか?

この歪んだ構造、我々中小親方企業がどう生き残るかまで踏み込んで考えてみます。

大手建設業と中小建設業

大手は過去最高、中小は過去最多倒産という現実

まず数字を並べてみます。
ゼネコン23社、2026年3月期決算(建設通信新聞 2026年5月15日/出典)。

  • 売上高が過去最高:11社
  • 営業利益が過去最高:10社
  • 鹿島は売上3兆円超(ゼネコンで初)
  • 単体の土木粗利率:鹿島24.6%、大成建設23.0%

建築粗利率は2026年3月期で目標の10%近辺、または超える企業が25社中16社にまで回復しているそうです。
ぶっちゃけ、羨ましいぐらいの「儲かりすぎ」レベル。

対する中小は、東京商工リサーチの2026年4月集計(出典)でこんな数字。

  • 建設業倒産:185件(前年同月比21.7%増、3カ月連続増)
  • 中小企業倒産構成比:14カ月連続で100%
  • 負債1億円未満の小規模倒産:76.7%
  • 従業員10人未満:90.4%(4カ月連続90%台)

そして2025年度通年では、建設業の倒産が2,041件(帝国データバンク発表)。これは2013年以来12年ぶりの2,000件超え(ダイヤモンド・オンライン 2026年2月5日)。
コレ、笑えない数字ですよね。

同じ業界で、片方は「最高決算!」と祝杯、片方は「もう続けられない・・・・」と廃業。

コレマジでトンデモナイ事ですよね。

日本の建設業界の縦割り構造を示すピラミッド型

なぜここまで歪んだのか?数字で追う構造の正体

「大手が儲かるのは当たり前だろ」と言われそうですが、ここまで開いた背景には、ハッキリした理由があります。

① 単価は上がっている。でも上がり方が違う

国土交通省が発表した、2026年3月から適用の公共工事設計労務単価。
全国全職種加重平均は25,834円で、初めて2万5,000円を突破(国土交通省 2026年2月17日発表)。前年比4.5%の上昇で、14年連続の引き上げです。
この辺は私が毎年口すっぱく言っているので、皆さん解っていますよねw
そして、その単価上昇が物価に追いついていない事も・・・・。

で、我々の「法面工」。
コレ、ちゃんと独立した職種として単価設定されているんです。我々の地元・愛知県の令和8年3月適用は34,600円!

法面工事についての職種定義は「相当程度の技能および高度の肉体的条件を有し、モルタルコンクリート吹付機または種子吹付機の運転、高所・急勾配法面におけるピックハンマ、ブレーカによる法面整形・金網鉄筋張り、モルタルコンクリート吹付け等の法面仕上げ」。

要はウチらの仕事まんまですね。

比較として、現場でよく一緒に動く愛知県の職種を並べると、特殊作業員29,800円、とび工32,400円、普通作業員25,200円。

法面工34,600円は、この中で見ても高い水準です。

高所・急勾配で体を張る、技能と肉体的条件が要る仕事として、ちゃんと評価されている証拠ですね。

ただし、数字だけ見て「上がってるじゃん」で終わらせたらダメなんですよ。

コレ、あくまで国の積算用の単価です。

事業主が労働者一人を雇用するために実際に必要な経費は、ここに法定福利費・労務管理費・安全管理費等を加えた38,234円(148%)最低限はコレだけの金額になります。

つまり、設計労務単価は「ここから諸経費は別途必要ですよ」っていう数字なんです。

それを知らずに、あるいは知ってても無視して「設計労務単価ベースで頼むわ」と言ってくる元請がいるから話がややこしくなる。

だから国交省は今、改正建設業法で「標準労務費」の運用を始めたわけです。

建設Gメーンとかの通報システムとかね。

② 価格転嫁できる側、できない側

建設通信新聞の記事でゼネコン業界団体幹部はこう言ってます。

「地方の中小建設企業は影響が深刻だが、ロイヤルカスタマーである全国ゼネコンは工事が止まるほどの影響は受けていない」
「前回の物価高騰時とは違ってニュースで大々的に取り上げられており、発注者に理解してもらいやすい環境にある」
(建設通信新聞 2026年5月15日/出典

これ、本当に「正直か!!」って思いましたw

要は「ウチら大手は発注者と話せるから値上げが通る。

でも地方の中小は影響が深刻だよね」って認めてる訳です。www

うがった見方ですが、若干?かなり人ごとですよね?ww

帝国データバンクも建設業倒産2,000件超えの背景について「物価高や人手不足によるコスト増が長期化するなか、経営体力の乏しい事業者を中心に淘汰が進んでいる」と書かれています(新建ハウジング 2026年4月8日)。

資材価格や外注費の上昇分を工事価格に十分転嫁できない、という構図です。

明細書はリアル

大手社員の給料と、職人の手取り

もう一個、ハッキリした数字があります。
大手ゼネコン23社の有価証券報告書ベースの平均年収(archi-book.com)。

  • 鹿島建設:1,184.7万円
  • 大林組:1,140.4万円
  • 大成建設:1,058万円
  • 長谷工コーポレーション:1,057.9万円
  • 23社平均:1,016.3万円

一方、公共工事設計労務単価ベースで「法面工」を年収換算してみます。

令和8年3月適用の東京地区・法面工は日額33,600円

年間稼働日数を仮に220日とすると、33,600円×220日=約739万円。

ただし、これは「設計労務単価」の数字。前述の通り、法定福利費・労務管理費・安全管理費などの必要経費は含まれていません。

事業主が労働者一人を雇用するために実際に必要な経費は、設計労務単価の148%程度。

逆にいえば、現場の法面工本人の手取りは、必要経費を引いた残りから決まります。

コレ、現場で実際に体を張って働いてる職人の数字です。

もちろん大手社員は管理・営業・設計の機能を担っているし、施工管理は責任も激務もあります。

単純比較で「大手が悪い」とは言えません。

ただ、「現場でモノを作る人」と「管理する人」の所得差が、ここまで開いている可能性があるという事実は押さえておきたい。

昔は実際に職人の方が給料良かったですw
以前公開した私の給料明細を見て知っていると思いますが、あの給料の1.5倍は職人もらっていましたね。
親方は3倍位あったと思います(今思えばですよw)。
今は完全に逆転しているんじゃないかと。

日本人職長と外国人実習生(ベトナム人風)が並んで墜落制止用器具を装着し、母国語のKY資料を見ながら朝礼で確認している様子

じゃあ、中小親方が生き残る3つの道は?

嘆いてても1円にもならないので、私が思う対策を具体的に挙げてみます。

① 改正建設業法の「標準労務費」を使い倒す

2025年12月に全面施行された改正建設業法では、民間工事で著しく低い労務費での見積もりがなくなるように「標準労務費」の運用を定めました。

これは中小にとってとりあえず武器になり得ます。

具体的には見積もりの際に、設計労務単価と必要経費(法定福利費・労務管理費・安全管理費等)を並列表示する事が国交省から推奨。

推奨されていますが、これがまためんどくさい!

細かくすればするほど手間が掛かることを分かって頂きたいですw・・・・

要は「人工いくら」ではなく「人工+必要経費でいくら」と明示する見積書を出すって事です。

これだけで、ダンピング要求への抵抗力が変わってくる可能性がありますが、面倒くさいwww

② 公共工事の「スライド条項」を使い倒す

仕事を取った後に資材や労務費が上がっても、出来る限り交渉する。

公共工事には、物価上昇に伴う単価見直し(スライド条項)があります。

2026年1月の閣議決定でも、官公需での価格転嫁強化方針が改めて出ています。

契約後の物価上昇を反映してもらうのは、お情けではなく権利です。

「言いにくいから」で諦めてる会社は結構多いんじゃないでしょうか?

ここは堂々と請求していい所です。

が、逆に県市町村がしっかり対応してくれて、かつ元請が乗ってくればの話しですw(ハードルは限り無く高い!)

③ 価格転嫁を一切認めない元請とは、距離を置く覚悟

「お客さんをそんな簡単に変えられるか!」というのは、その通りです。

私もそう思います。

ただ、東京商工リサーチも帝国データバンクも、倒産の主因として「価格転嫁の難しさ」を挙げています。

つまり、上がった分を一切飲んでくれない元請とだけ付き合っていると、データ通りに体力が削られていく。

建設通信新聞のゼネコン業界団体幹部のコメントで「大手は発注者と話せる」とありました。

ということは、発注者から大手に通った値上げ分が、下に流れてくる余地はある(建前上は、ですがw)。

全部の客を切れとは言いません。

しかし、新規の引き合いがあった時に「ここは価格転嫁を認めてくれそうか」を判断材料に加えるだけでも違う。

体力が尽きてからでは、選ぶことすらできなくなります。

今後はもっと我々施工業者が元請を選ぶ時代です。

大手ゼネコン、元請業者の利益はここ数年ウナギ登りです。

コレは非常に良いことなんです。

次は我々の番じゃないでしょうか?

ソロソロ我々にも余剰をタラリと垂らして欲しいw

余剰水を手に受ける職人

この歪な構造、放っておいたら現場が消える

大手は儲かっている。それ自体は悪い事じゃありません。

でも、実際に汗をかいて法面に張りついて、削孔して、吹付して、アンカー打ってるのはウチらです。

その担い手がドンドン倒産で消えていって、最後に困るのは、設計を出してる発注者であり、施工を発注している大手ゼネコンであり、最終的には道路を使う国民です。

建設業の倒産2,041件(2025年度)、過去10年で最多。
人手不足倒産は過去最多。
物価高倒産は建設業が最多。
これらは全部、同じデータで裏付けられている事実。

「大手の決算が良かった」というニュースを「業界全体が好調」と勘違いしてる人がいたら、それは違う。

ピラミッドの上だけが好調で、下は総崩れです。

ウチら中小・親方も、嘆いてばかりじゃダメで、武器(改正建設業法の標準労務費、公共工事のスライド条項、元請の見極め)を一つずつ使っていくしかない。

情報を取り、見積もりに反映させ、価格転嫁できない仕事は断る。

これだけで、生存確率は変わってくると私は思っています。

大手の決算記事を見て「良かったね」じゃなくて、「ウチも生き残るぞ」と腹を括る材料にしてほしいです。

この10年でお互いに選ばれる業者と選ばれる元請。

この差がハッキリ出てくるでしょう。

そして、人気のない大手は仕事出来なくなる可能性は非常に高いです。

 

 

Hẹn gặp lại nhé.

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