グラウンドアンカー工

グラウンドアンカー工の基本構造と原理 ~簡単にグラウンドアンカー工とはなんぞや!?~

皆さんこんにちは。

エンタです。

グラウンドアンカー工を簡単に説明してみようと思います。

グラウンドアンカー工

~緊張力で地盤を固定する見えない力~

グラウンドアンカー工は、地盤や構造物を“引っ張る力”(緊張力)で固定・安定化させる工法です。

斜面の崩壊や擁壁の転倒・滑動を防ぐため、目に見えない地下に“アンカー”を埋め込んで構造物を支える、極めて重要な地盤補強技術です。

🔧 グラウンドアンカーの基本構造

グラウンドアンカーは、以下のような構造で成り立っています:

部位 説明
定着部(定着長) アンカーの先端が地盤と強固に接着される部分。ここで緊張力を周面摩擦によって受け止める。セメント系グラウトで地盤と一体化させる。
自由長 定着部と地表部をつなぐ部分で、緊張力を伝える役割。通常はPVC管などで覆って変形しないようにする。
頭部(アンカーヘッド) 地表部に設置され、構造物や受圧板と接続される部分。ここで緊張力をクサビやナットによって定着(固定)する。
受圧板 擁壁や構造物とアンカーを接続する鋼板。アンカー力を面として構造物に伝える。

⚙️ 原理:緊張力によって地盤や構造物を“抑える”(抑止工)

グラウンドアンカーの原理はとてもシンプルで、
「地盤の深部に定着させたアンカー体を引っ張り、その力で構造物を押さえつける」(挟む)というものです。

▸ 簡単な構造

  1. アンカーを斜めにボーリング(削孔)して挿入

  2. アンカー全体にグラウト(セメント系)を注入し、地盤と一体化させて「定着部」を形成(自由長部はホース内で自由に動く)

  3. アンカーヘッドから油圧ジャッキ等で緊張力(テンション)を与える

  4. 緊張力がアンカー定着部から地盤に伝わり、擁壁や斜面を抑える力が働く

緊張管理状況

このようにして、地山のすべりを防止したり、擁壁の浮き上がりや倒れを抑えることができます。


🧱 なぜ「緊張力」で支えるのか?

地盤の補強と言えば“押さえつける(圧縮)”イメージがありますが、グラウンドアンカーは真逆の「引っ張って支える」発想です。

その理由は:

  • 地中深くの強固な地盤に定着させれば、大きな抵抗力が得られる(周面摩擦抵抗)

  • アンカーはコンパクトで、地表のスペースを取らない(工事はまぁまぁ大きくやってるけどw)

  • 擁壁や法面が後から追加補強できる

というメリット

KTBアンカー耐荷体部


🌍 グラウンドアンカーが活躍する場面

  • 急傾斜地の法面安定

  • 擁壁の滑動・転倒防止

  • 地すべり対策工事

  • トンネル・ダム・高架橋など大規模インフラ

  • 土留めでの仮設工

鉄筋挿入工よりはちょっと面倒な工事ですが、安定性はバツグンですね。

ココに水抜きボーリング工を設置するともっと安定しますし、突発的な大雨にも対応出来ます。

 

それではまた。


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