自然と法面屋との戦い?

皆さんこんにちは。

エンタです。

鉄筋挿入工の施工現場の崩壊写真です。

モルタルが浮いており、鉄筋挿入工が下方向に引っ張られています。

設計では表層崩壊を想定しており、モルタル+鉄筋挿入工でした。

崩壊はもっと奥の崩壊です。

降雨後に崩壊したそうです。(地山が飽和状態になり吹っ飛んだ)

 

で、見てほしいのが鉄筋の状態なんですが、先端にグラウトが付いています。

それ以外は無くなっています。

役所(素人?)から言わせると「注入してないじゃん!」って言われますよw

しかしそうではないんです。

 

グラウトのセメントミルクはあまりにも高強度のため、崩壊などの衝撃で簡単に取れてしまうんです。

バケツにモルタル入れて硬化後にバケツの裏から叩いたら簡単に割れて落ちますよね?

そんな感じのイメージです。(意外に簡単に取れるって事ですw)

地山の中では高強度のグラウトと鉄筋で補強土として役に立ちますが、

崩壊中の地山にいろいろな方向からの外力で簡単に剥がされてしまうんです。

 

これが河川などのロックボルトになると、周囲の土砂だけが洗い流されるのでポッキー状態になります。

約20年弱前ですが三重県のある3桁国道の現場でポッキー現象を経験しましたw

河川沿いの法枠+鉄筋挿入工が大雨で流されて、浮いた法枠にポッキー状態の鉄筋挿入工。

今思えば、写真保存おけばよかったなってちょっと後悔しています。(この頃はまだフィルムで撮影でした。)

 

普段でも現場が終わってから崩壊とかあるんですが、こうやって見ると常に自然が勝者ですね。

自然に抗う(あらがう)と怖いですね。

 

我々の仕事は自然に抗っているんでしょうか?

自然と法面屋の共存共栄はなかなかハードルが高そうです。

 

それではまた。

  • B!

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