皆さんこんにちは。
エンタです。
鉄筋挿入工やグラウンドアンカー工に置いて、セメントミルクを注入します。
そのセメントミルクがいつまでも入る場合どこまで入れますか?
例えば、
削孔径90㎜で5.0mの鉄筋挿入工があったとします。
注入量は
0.045m×0.045×π×5m=0.0318m3です。
コレに設計のロス率が2.3倍だとして、0.0731598m3
1m3当りのセメントミルクのセメント量は1230kgなので
0.0731598×1230kg÷25㎏/袋≒4袋です。(100kg)
上記があくまでも設計値です。
実測値を出します。
削孔径は上記リンクのようにもっと大きいので実数量が設計とは違います。
削孔径を実測の105㎜で計算してみます。(メーカーによって数㎜違います)
0.0525×0.0525×π×5m×1230÷25×2.3倍≒5袋(125kg)
コレだけでも2割ほど違いますよねw
まぁそれは良いとして、
実測で5袋入れるところに10袋入りました。
これで、設計の倍です。
何倍ほど注入しますか?
グラウンドアンカー工の設計施工指針に定着部は連続して注入すると書かれています。
私は昔、国道42号線の地滑り対策工事で全く上がって来ない山に5m3セメントミルクを入れました!
国交省の業務委託の方が、そうやって書いてあると言ってこちらの意見を聞かなかったので。
私としてはパッカーを使用しましょうと提案したのにも関わらず。
1本で5m3入れてなおも上がって来ずにどうしますか?
注入量は変更すれば良いと仰ったのでとりあえず5m3入れました。
次の指示を下さいとw
こういう場合ってまずどこに問題が有るかを考えた場合に、設計なんです。
設計ではそこに定着層があると判断しています。
しかし、実際にはそこに定着部が無いため定着出来ません。
と言う事は設計では読み切らなかったと言う事です。
と言っても完全に読み切れる事なんて有るはずも無く、現地で設計変更をすれば良いだけの事。
それを経験たっぷりの技術者の話には耳を貸さずに本通りにするから。
書籍はあくまでも基本であってイレギュラーは書かれていません。
イレギュラーは現場経験にしかないんです。
グラウンドアンカー工であれば書かれている事も鉄筋挿入工に関しては特に書かれていません。
なぜならグラウンドアンカー工が上位だからです。
しかし、グラウンドアンカー工でさえも書いていないことは腐るほど有る訳で、そう言った時はどうするか?
って事を考えながら、
じゃぁどこまで注入しますか?
ってなった時に検討するのはやはりパッカーなんです。
セメントミルクがいくらでも入る状態の山でいくらでも注入するのはナンセンス!
その時のリスクとしては下記の通りです。
1,河川等への流出
2,田畑への流出
3,暗渠管などへの流出
4,擁壁裏の砕石等の間詰めでの閉塞
5,ミズミチ(パイプ流)の閉塞
6,薄層の重量化(不均等)
7,セメントミルクは圧入しても地山に浸透しない
8,注入は自然流下かので穴があればいくらでも入る
リスクを回避しつつ確実な施工をするのであればパッカー一択です。(今のところ)
と言う事で、明日はパッカーの線引きです。
それではまた。