皆さんこんにちは
エンタです。
今日は自穿孔ロックボルトのお話ですw
自穿孔ロックボルト
自穿孔ロックボルトとは、ビット+ロッド+接続カップラーで構成されるロックボルトで、
主に孔壁の自立が出来ないような場所などで仮設ロックボルトとして使用される。
場合に寄っては本設とされる場合も最近では出てきている。
昔の話し
以前は自穿孔ロックボルトは本設使用でした。
なぜ、本設から外れてしまったかと言うと、実は注入が不安定だったんです。
それを業者はあたかも施工出来ていると言っていました。
かつてですが、私自身もそう言っていました。
実際は、しっかり注入が出来ているかどうかは分からない部分がかなりありました。
そして、どこかの会計検査でその不安定具合が発覚し、使用禁止になりました。(確か道路公団?)
自穿孔の難しさ
自穿孔ロックボルトの難しさはどこにあるかというと、削孔です。
地山が自立しない様な山で使用しますので、当然地山が崩れるわけです。
それをスライムを排出しながら削孔を進めていきます。
削孔完了時に手堀・機械掘りにしろシャンクアダプターを外す際にロッドが揺れたり、孔壁に当たったりして孔壁が崩れます。
注入
崩れてないにしろ、注入はロッド本体の穴から行います。
削孔が未熟であれば穴が塞がっていて注入が出来ません。
注入ホースを抱かせているわけでは無いので先端からの注入が出来ません。
となると、口元からの注入しか出来ない事になります。
注入の基本は、最深部からです。それが出来ないとなると注入確認すら出来ない事になります。
コレが最大の難しさ原因です。
最深部から注入してリターンが確認出来なければ部分的にしか注入出来ない事になります。
削孔中の判断基準
削孔中にクリコ(スライム)が排出されているうちは、地山は自立していると判断出来ます。
しかし、このクリコ(スライム)が極端に少なくなったりしている、もしくは出ない場合は崩壊しています。
その際にオペはロッドを引き上げていきますが、引き上げ後、また挿入し、クリコの確認。
コレの繰り返しになりますが、最終的に自穿孔はスライムが出ようが出まいが押し進める傾向にあります。
削孔スライムが出ていないときは注意が必要です。
自穿孔ロックボルト施工等のポイント
- 削孔時のクリコ(スライム)が排出されている事
- 赤土などの場合は結構自立する。
- 注入するまである程度は地山が自立する事。
- 削孔完了時ロッドのエアーの通りは必ず確認する事。
- 余堀を若干多めにすると先端が詰まりにくい
(泥炭部を水堀した際に逆流の恐れ) - 崖錐や強風化岩N値10以下はすでに無理に近い
- 注入後出来るだけ綱棒をシャクって出し入れし、セメントミルクとの付着を促す。
- 自穿孔ロックボルトは結構簡単ですよって言う業者はウソ
- 仮設で自穿孔ロックボルトを使う業者はよく知っている。
- 最近ではメッキ仕様の自穿孔ロックボルトがある。
- 鉄ビットではよっぽど柔らかい山で無ければ削孔出来ない。
- チップ付きビットはある程度削孔出来るが、岩盤になったとたんにロッドが折れる。
- 自穿孔ロックボルトをよく知っている業者はシャンクロッドの予備をしっかり持っている。
- スイベルを使用して水堀削孔する業者は結構ベテランかも?(エアーも強い)
- ロックボルト用スイベルを持っている業者は意外と少ない。
- 無理に推し進めるとロッドが折れまくる。
- 手堀では2.5m程度が限界(積算上)
- 出来ればもう無くなって欲しい(心の叫び)
- 削孔は簡単って言う業者はヤバイ
- 注入できないとただの鉄筋が刺さっているだけ
それではまた。