注入工におけるリスクと切り分け(その2)

皆さんこんにちは。

エンタです。

注入工におけるリスクと切り分け(その1)

先日の続きです。

 

1m3当たりが1230kg≒50袋

と言う事は先日の削孔径φ90×削孔長5.0mの鉄筋挿入工だった場合、

設計に対し約10倍ほど入れば1m3なので金額にして約46,000円(だいたいの市場単価)

 

パッカー使用で考えて見ます。

1本当りの加工費が積算上で約1万円前後です。

パッカー材の市場価格を6,000円とします。

セメントミルクがどこでどの部分で流出しているか分からないと言う設定で、

オールパッカー(全部)仕様で考えた場合で

5.0m×6,000円=3万円(材料)

3万円(材料)+1万円(現場加工)=4万円

ザックリですが、約44袋セメントを使用した際にパッカーを使用する金額と同等になります。

全体の金額を出して考えて見て下さい。

 

1本に対してどれだけでも入って行く場合、どのラインでパッカーに変更するかを決めるのは監督です。

役所は最初は設計変更すると簡単に言いますが、ある程度の数量になって来るとなんでパッカーにしなかった!?

って言ってきます。

挙げ句の果てにはこんなには見れないって言う話も多々有ります。

なので、注入で入った分は全部見ると言った書類を作り押印して貰うか提出するか?

打合せ簿、協議書として。

 

ハッキリ言って、ドカドカグラウトが入る山って削孔中にスライムがほとんど帰ってきません。

スライムも帰って来ないって事は怪しいです。

そして試しに1本グラウト注入し具合を見てみるというのはアリだと思います。

 

パッカーにした場合、注入量は設計通りかもしくは少し減ります。

それプラス加工費が出てきますが、いくらでも入る山の場合いろいろな意味でリスクヘッジ出来ます。

 

(その1)で書いた様に、注入し続けるって事はかなりのリスクを伴います。

注入工におけるリスクと切り分け(その1)

とにかく他所に流出した際の保証などは?

誰が責任をとるの?

かなり離れたところでセメントミルクが流出し魚が死んでるとかなると・・・

非常に危険なので十分注意して下さい。

パッカーを使用した場合、他所に流出する危険性は一気に減るので亀裂、節理の多い山にはオススメです。

ただし、鉄筋挿入工の場合は出来る限りオールパッカーがオススメです。

と言うのも、鉄筋挿入工は全面定着が基本です。

パッカーを作る際にどうしても封(端部)をする部分が出てきます。

その部分のセメントミルクの付着長が少なくなるため、検査時に指摘される可能性があります。

出来るだけ小さく作る様にして下さい。

実際は30㎝程度は鉄筋長に余裕があるので安全側ではありますが、一応知っておきましょう。

(設計計算書に綱材の選定を0.5mで切り上げるとしてあった場合の元の長さがあると思います。)

 

セメントミルクがドンドン入る場合は周囲の河川、田畑、法尻部などをしっかり確認し

出来る事なら早めの判断で切り替えて行きましょう。

書籍通りにやるのもイイですが、現場は常に創意工夫の連続だと思います。

 

鉄筋挿入工に置いては2回、3回と追い注入し確実に少しずつ上げて行くのも1つの施工方法です。

大きい穴を少しずつ小さくして最後はしっかり入っていれば問題無いです。

 

常に考えつつ現場に合った施工方法を選択出来れば良いと思います。

 

それではまた。

  • B!

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