皆さんこんにちは
エンタです。
前回までのモルタル吹付工について、
今回はこの条件であれば、土砂部にモルタル吹付工を施工してもいいんじゃない?
って事を書いてみようと思います。
一般の住宅でモルタル吹付を行うって現場条件を考えてみます。
1,雑草が多く、毎年メンテナンスにコストがかかる。
2,雨のたびに土砂が流出する。
3,家の基礎が見えてきてる。
4,石積が崩れてきている。
5,ハラミ出している。(山が膨れてる)
一般の方の住宅状況ってこんな感じでしょうか?
これに対して、対策するモルタル吹付工の規格を書いていきます。
1,雑草が多く、毎年メンテナンスにコストがかかる。
法面清掃をガッツリしっかり行った後に、吹付厚7センチ以上の吹付がおススメ!
勾配が緩い場合も同様ですが、水抜きパイプには出来るだけ土砂の吸出し防止材を設置。
そして出来れば管理用に階段状の歩ける部分を作った方が良いと思います。
法面は基本一般の素人が登れるようなところではありません。
法面の変状やクラックからの草の除去が大事になります。
生えないと思っていても必ず生えますので、管理用にモルタルで階段を作てもらいましょう。
2,雨のたびに土砂が流出する。
3,家の基礎が見えてきてる。
吹付厚10センチ以上で水抜きパイプには吸出し防止材の設置。
この吹付厚は山(法面)が立っている場合もあるので10センチ。
そしてそういう場所は崩壊の可能性も十分考えられるので、
D10~D16鉄筋で鉄筋格子組がおススメ。
鉄筋径が細い場合は格子を200角とか300角。
D16にする場合は鉄筋かぶりがギリなので10センチ以上が良いと思います。
崩壊と土砂流出に対応ですね。
基礎下部が見えている場合はその辺をしっかり取り巻いて、降雨時の雨水侵入の隙間を出来る限り防ぐ。
雨水の流速を減らすために、段々に吹付ける。(コイル巻き付けで対応)
4,石積が崩れてきている。
5,ハラミ出している。(山が膨れてる)
石積の対策を行うのか、ハラミ出しの根本を対策するのかを決める。
吹付厚は10センチ以上が望ましく併用して崩壊の対策を施す必要があるため、
鉄筋挿入工や水抜きボーリングを行う必要が出てくる。
モルタル吹付+鉄筋挿入で行くのであれば鉄筋格子組を行う。
受圧板を設置するかどうかは設計次第です。
基本的に、吸出し防止材は必須ですね。
土砂部に施工するのであれば、
マットを法面全体に張ってしっかり固定して後に、吹付けても同じような気がします。
全体的に土砂が動かない様にすれば水抜きからの流出は無くなります。
マットも土砂もそう変わらない気がしますね。
岩盤部で湧水のあるところはマットを使用しますから、さほど問題でもなさそう。
その代わり厚みが大事です。
前回書きましたように基本モルタル吹付工は岩着(がんちゃく)が基本なので、
土砂部に施工するものではありません。
しかし、時代と共にこの工法の在り方も変わってきたように思えます。
人手不足や管理不足のため防草対策として使われることもしょうがない話。
しかしそれをいい加減な施工や方法でやってしまうと後々、我々プロが困ります。
Youtubeで堂々と変な施工?認識違い??経験不足の知識??を挙げられていると
それを信用してしまう一般の方が沢山いるわけです。
どうせやるなら、しっかりとした施工を一般のお宅にも届けたいですね。
それではまた