皆さんこんにちは。
エンタです。
吹付工における、水抜きパイプの意味って知っていますか?
まぁ読んで字の如く水を抜くパイプです。
水抜きパイプって山からの水が出てきます。
しかし、その出かたが皆さんが思っている事とは違うんですよw
そして、入れれば良いだけの水抜きパイプと思っていませんか?
以前も水抜きボーリング工で似たような事書きました。
山から水を抜く水抜きボーリング工の水は実は勘違いが多いと言う事
今回も同じ様な事になるので答えは一緒ですが、絵が違いますw
コンクリート吹付やモルタル吹付で使用される塩ビ管VP50です。
だいたい、この様に設置され吹付けされます。
だいたいどこもこんな感じで埋まっています。
断面で見るとこの様な雰囲気です。
そもそも論でモルタル吹付工、コンクリート吹付工は岩着(がんちゃく)が基本です。
岩着とは地山の風化を抑える工法として、直接風雨にさらされないようにする事を目的としています。
その為、地山が土砂部と言う時にその様な施工は行いません。
基本は岩や等が露出している現場で吹付を行い密封してしまうわけです。
しかし、その密封された岩の隙間からも少しずつ雨などがしみ出てくるんです。
それを水抜きパイプから排出すると言うイメージです。
ただし、基本的には上から降ってきた水が水抜きパイプジャブジャブ出ることもなく、上部の水抜きパイプ必要ですかって感じですよね?
この様に雨が降ります。
雨は地中に吸い込まれて溜まって行きます。
地下水位が上がってきた時点で岩の隙間などからチョロチョロと水抜きパイプ(圧が解放されているところ)に向かって水が出ます。
正味の話し岩着基本の吹付工においては下部の水抜きパイプだけで良いのでは?って思わなくもないです。
山の中ミズミチからも出る場合もあったり、吹付を行った結果密閉され内圧が変わりミズミチが変わったりするケースも多々あります。
我々が施工して今まで出ていた水が突然止まったりする事って結構有ると思います。
モルタル吹付やコンクリート吹付工を施工する際には水がどこから出てくるかな?
って言う事を考えて設置するとよりよい施工が出来ます。
ただ、並んでいた方が見栄えが良いという所もありますが、雨が降ったときにどの辺に水が溜まりやすいかな??って想像しながら、その部分には少し多めに水抜きパイプを入れてみるとかしてみると良いですね。
ただ、施工するだけではなくモルタル吹付工等の密封工法においての水をコントロールする方法も知っておくとちょっと面白いです。
私は山に向かって勾配が低く土砂化が進んでいる場所をだいたい狙います。
普通よりも多めに水抜きパイプを設置するという事です。
昨今の土砂災害等で今後我々の仕事は確実に増えます。
しかしながら今までと同じ様な工事をしていては結果は今までと同じです。
いかに崩れない様にするか、崩さない法面を作るか、山に対しどの様に柔軟に対応することが出来るのか!?
見える工法の中にも見えないコントロールを織り交ぜていきたいですね。
それではまた。