皆さんこんにちは。
エンタです。
民間の方から見積依頼があると、まず現地調査します。
そして、そこから現地(現場)の図面(展開図・横断図・詳細図等)を作ります。
図面を見ながらある程度工法を決めるのですが、その際にやはり安定計算やろうかって思うんです。
あまりにも経験値でやってしまうと過剰側に行きすぎてしまうので、ある程度整合性を取るために。
特にレッドゾーン(急傾斜地)の工事をした場合、工種や施工方法によってイエローゾーンに変更してもらえるのでその辺は丁寧に。
やはり役所に見せるための書類は整合性と根拠が大事ですよね。
ましてレッドゾーンがイエローゾーンに変わると資産価値は上がりますからしっかりやってます。
しかし実際民間工事だと土質調査している訳ではないので
「国土地盤情報データベース」を使用して近くの柱状図を見て土質選定します。(整合性)
柱状図はこう言ったデータです。
コレを現地の高さにある程度合わせて、現地を想像しつつそれなりに近い絵(図面)を描きます。
↑が柱状図のを当てはめた絵(図面)ですが、民間工事だともっと簡素化します。
コレが描けたら今度は安定計算をします。
うちは基本的に、五大開発さんの安定計算ソフトを使用し計算しています。
こんな事をやって、安定計算結果を図面に落とし込みます。
ここから始めて現場の数量計算が始まります。
数量計算が出来たら初めて見積に入ることが出来ます!
見積に至るまでの時間が結構掛かるんです。
そしてその見積だけ仕事している訳では無いので見積に最低でも1週間は欲しい所です。
しかし、ここまでやってもその後検討しますって言われると結構ガックリくるので、
先に概算の金額をお伝えしておきます。
民間工事における石積崩壊対策工事の概算金額
30m2前後で80~100万前後します。
数量が増えればそれなりに増えますが、量が増える分単価は下がります。
そして、それ以外に鉄筋挿入工や水抜きボーリング工を行うと加算されます。
それがだいたいですが、50万~100万~になります。
本数や施工位置によります。
足場が必要か、コア抜き必要か、狭いか?などで変わります。
今までの経験で民間工事で非常に悪い石垣(すでに崩壊しかかってる)の場合だと300~400万
うちで施工した場合、平均値で200万前後で施工しています。
あとはどこまで(どの規模まで)やるかです。
公共工事の場合と違ってどの程度まで補強するかを金額に寄って決めることが出来ます。
安全率を下げていけば良いので、設計者として施工業者としてお客さんが望んだ形で施工出来ます。
ただし、設計は現状の石積の安全率を0.98~1.0とした時に1.1まで引き上げる計算をしています。
安全率0.98はすでに崩壊していたりハラミ出している状況です。
それを1.1まで引き上げればよっぽど大丈夫だと思っています。
あとは施主次第という事です。
なぜここまで説明するかと言いますと、見積にも時間とコストが掛かっています。
我々の時間も無限ではないので本気で施工したいお客さんだけに設計し、見積もりしたい!
って気持ちですw
もしくは今後民間工事の見積に対しては有料にすると言う考えもあるのですが、
簡単なヒアリングシート作ってある程度型にはめて概算見積出来れば少しは良いかなーなんて思いつつ。。。
見積りしてなんの連絡もないって事はざらにあるんですよね~
そうなるとこの1週間なんだったんや??ってなります。
そろそろ時代的にも見積は有料にするか、
工事を請けたらその分値引きするか等の対策も必要かと思いました。(いろいろあった結果w)
それではまた。