死ぬほどカンタンに「80点以上の工事成績評定」を取る方法

工事成績評定で優良点を取れる現場監督

公共工事の施工業者が、最終的に発注者から採点される点数(工事成績評定)は、会社の受注増につながるだけでなく、現場監督個人にとっても実績として残っていくため、かなり重要な点数となる。

平均的な70~79点ぐらいの点数なら、書類と写真整理がきちんとしていれば簡単に取れる。

しかし、80点以上の工事点数を獲得できる施工管理技士となると、限られてくるのが現状だ。

では、優良点を取れる現場監督と、取れない現場監督の差はいったいどこにあるのか。

工事成績評定点と安全書類・安全対策の徹底

安全書類と安全対策をどれだけ入念にしているか。

――私の地域では、これが工事優良点を獲得するための、最も大きなポイントとなる。

不思議なことに、完璧な施工計画書や図面を書ける現場監督よりも、安全関係書類を徹底している現場監督のほうが確実に優良点を取っている。

いくら工事の写真整理が完璧でも、安全関係書類にヌケがあっては、80点以上の工事成績評定はもらえない。

つまり、80点以上の優良点を獲得したいのであれば、安全関係書類に力を入れれば良いということだ。

もちろん、他の管理業務が疎かでいいわけではないが、いくら要領よく材料承認の書類を提出し、徹夜でテプラーを打ち出し、超立派な書類を作成しても、安全管理が抜けていては絶対に優良点は取れない。

工事成績評定点と施工体制台帳の作成

では、優良点を取る現場監督は、具体的にどのような内容の書類を作成しているのか。

産業廃棄物の契約書類や、火気使用届など、どれも不備なく作成して提出しなければならないわけだが、特に私が力を入れるポイントとしてお薦めするのが、施工体制台帳だ。

施工体制台帳とは、工事に関わる元請から下請けまでの、全ての会社の情報を図化してまとめた安全書類。

施工体制台帳は、ただの会社の関係性を図化したものだと思っている人も多いが、検査官が目を光らせている重要な書類だ。施工体制台帳をきちんと作成できると、検査官の見る目も変わる。しかし施工体制台帳の作成には、書式があっても苦戦し、検査当日に指摘を受けてしまう事も少なくない。

特に注意しなければならないのが、一次下請業者が複数存在する工事である。この場合、原則として、全ての一次下請業者を一緒にまとめた施工体制台帳を作成してはいけない。 一次下請業者ごとに書類の作成が必要となる。そして当然、会社名、事業所名、建設業許可の種類、工事名や発注者名など、間違いがないように正確に作成しなければならない。

当然、添付忘れにも注意が必要となる。施工体制台帳と一緒に添付しなければならない書類は次の通りだ。

  • 施工体制台帳の本紙
  • 工事担当技術者の台帳
  • 元請業者と一次下請の契約書のコピー
  • 主任技術者の資格証
  • 発注者との契約書のコピー
  • 現場監督の雇用証明書
  • 実務経験証明書などの専門技術者を配置する場合に必要な書類
  • 二次以下の下請がいる場合には再下請通知書

基本的な書類のミスは、優良点を遠ざける最大の要因となる。膨大な量の安全書類を抜け目なく、全て揃えておくことが優良点を取る絶対条件だ。

工事成績評定で優良点を取るための安全対策

優良点を取っている現場監督は、安全対策を徹底的している。

細かいことを気にしないタイプの現場監督は、イライラするくらい安全対策には気を使わなければならない。

例えば、ダンプに残土を積み込む際は、毎回ダンプの鋼板の面ピッタリでトンボを使って均して写真を撮り、少しの過積載も許さなかったり、クランプを使用した足場には、設置しているクランプ全部にカバーを付けたりもする。

日々の書類に追われる現場監督は、こうした細かい部分を疎かにしがちだが、検査官という存在は、逆にそういう場所を重点的に見ることが多い。

優良点にこだわりたいのなら、安全対策は絶対手抜きできない、ということだ。

工事の点数よりも、もっと大切なこと

しかし、良い点数を取るだけが工事ではない。

大きな会社組織の現場監督にとっては、工事点数が自分自身の評価みたいなものかもしれないし、良い点数を取れば、会社からの評価も上がるだろう。

だが、私は点数が全てとは思わない。

優良点を取ることにこだわるのは、悪いことではないが、そのために行き過ぎたことを施工業者に頼んで、反感を買わないように気を付けてほしい。

下請に気を使える現場監督のほうが立派で尊敬に値すると、つくづく私は思う。

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