皆さんこんにちは。
エンタです。
最近非常に多い相談の中で、住宅擁壁の倒壊防止工事です。
ザッとした断面です。
L型擁壁を使用した盛土の住宅で、古いモノになると石積とか間地ブロックとが多いです。
上記の様な盛土だった場合も、石積だった場合でも老朽化が進んだり大雨が降ったり地震が起きたりとした時にハラミ出したりクラックはいったり、最悪は転倒しようとしたりと症状は様々。
以前施工した現場はこの様な感じでした。
絵はちょっと大げさに書いて有りますが、実際は1㎝程度の変位。
ココに鉄筋挿入工と受圧板で補強です。
このL型擁壁を撤去して再設置はまず無理なので、コレがこれ以上進行しないように打設しました。
柱状改良の辺りからの土圧を考えて擁壁に負担が掛からないように持たせる様に設計し施工しました。
ぶっちゃけ我々法面業界ではやったことの無い事例だったのでいろいろ文献をあさった事を思いだしましたw
柱状改良は大丈夫だろうという仮定から(ココがマズければもっとヤバイ)土圧の分を大丈夫なはずの盛土から引張ってこようと言う計画です。
あくまでも元の盛土がしっかりしていると仮定です。
今思えば柱状改良には削孔が当たらないように施工しましたが、あまり関係無いように思えます。
グラウトの方が強度高いですし、少しでも良質な盛土部や改良部に当たった方が良かったような・・・
最終的にはこの様な形で収めました。
公共事業では重力式擁壁などで転倒抑えや、すでに転倒しようとしている構造物に対してグラウンドアンカー工を施工する事が多々有ります。
しかし、住宅の場合ではそこまで荷重が必要でも無く水平力も知れていると仮定すると鉄筋挿入工だけでも十分だと思われます。
コレがもう大きい規模の盛土で土圧が有った場合はこの場限りでは有りません。
問題はとにかく狭い場所が多く、家がどうしが近接している場所が多いと言う事ですね。
施主は所有者責任がある為もしも崩れ、下の家の方が被災した場合の責任が出てくるためなんとかしたいと仰るのですが、下の家に入らないと施工出来ないって現場の多い事w
まぁ下の家の方もだいぶ譲歩して頂けるので今のところトラブルはありませんけど、狭い事は変わらないので大変ですね。
今まで公共事業をメインに仕事してきましたが、今後はこの様な施工も増えてくるように思います。
レッドゾーン(土砂災害特別警戒区域)をイエローゾーン(土砂災害警戒区域)に変えて欲しい等の依頼も増えてきています。
当然大手が出すようなレベルの仕事じゃないだけに我々の様な中小弱小親方企業の仕事ではないかと思っています。
(レッドゾーン解除等に関しては最低限公共事業と同じ工事レベル、書類、設計が必要になります。)
今後の法面業界どの様に変わって行くのでしょうか?
良いも悪いも柔軟に対応出来る様にしていきたいです。
それではまた。