国道57号北側復旧ルートと現道部が同時開通!
2020年10月3日、熊本県にある国道57号北側復旧ルートと現道部が開通した。
熊本地震で大きな被害を受けた国道57号の復旧を目的として工事が進められ、北側復旧ルートと現道部ともに10月3日に開通し、ほぼ同時開通となった。
早速、多くの方々が通行されており、Youtubeにも動画がアップされている。その中で、このような動画を見つけた。
★国道57号北側復旧ルート開通記念ムービー★ / YouTube(TSUNAGUくまもと実行委員会)
この動画を見ると、地元の多くの方々が待ち望んでいたのではないかと推察される。これ以外の動画でも、地元の方々が横断幕を掲げながらドライバーたちに手を振る姿が映っている。
こういう光景を見ると、工事や事業に携わった方々にとっては、やりがいを感じる瞬間ではないだろうか。
私も工事関係者ではないが、国道57号の事業に関わった。とにかくスピード感が要求され、当然ながら正確性も必要であり、シンドイ想いしかなかった。けれども、地元の方々に喜んでもらえて、多くの方々に利用されている姿を見ると、やってよかった、携われたことは幸運だった、と心の底から思える。
熊本、特に阿蘇地方の観光業に携わる方々にとっては、熊本地震や今年の夏の豪雨災害、またコロナ禍と相次いで打撃を喰らっている状況だけに、久しぶりの朗報だろう。
これから紅葉シーズンもはじまり、景色を楽しむことができる季節となる。大津町から北側復旧ルートを通り、二重峠トンネルを抜けると、紅葉でキレイな阿蘇外輪山や阿蘇五岳の姿を見ることができるかもしれない。
阿蘇地方はツーリングにも絶好の場所でもあり、バイクのライダーたちの訪問も増えるだろう。実際、多くのライダーが北側復旧ルートの開通を心待ちにしており、開通と同時にライダーたちが北側復旧ルートを通過する姿がYoutubeにもアップされている。
土木技術者がやりがいを感じる瞬間とは?
地元の方々に喜んでもらえたり、造った施設を多くの方々に利用してもらえることは、工事や事業に携わった土木技術者にとって、やりがいを感じることができる瞬間ではないだろうか。
しかし、普段から感謝の言葉をかけてもらえるわけではない。それどころか、「そんな施設なんていらない!税金の無駄だ!」と言われながら、命の危険を感じつつ仕事に臨んでおられる方々も多いだろう。
それでも、彼ら彼女らは寡黙だ。あれこれと批判や悪口を言われながらも、黙々と自らに与えられた役割を全うしている。土木技術者は、普段あまり感謝されることがないのが実情だ。
その分、今回の国道57号の復旧のように、地元の方々が開通を首を長くして待ちわび、その日を盛大に喜んでくれるという瞬間は、大きなやりがいを感じられるのではないだろうか。
報われるときは必ずある
土木業界の仕事や努力は、いつも報われるわけではない。むしろ、報われないことのほうが多いかもしれない。けれども、必ず報われるときはある。喜んでもらえるときはある。だからやめられない、という方もおられるだろう。
災害復旧は特に、地元の方々から喜ばれる傾向にある。当たり前だった日常が一瞬で失われ、不自由な生活を余儀なくされる。その日常を取り戻すために、土木技術者や作業員さんたちが日夜奮闘する。命を削って働いている。その奮闘の結晶が、今回の国道57号のような形となり、地元の方々から喜ばれ、感謝される。
批判ばかりしている評論家もどきの言葉をうのみにする必要はない。地元の方々から喜ばれ、感謝され、必要とされる。この積み重ねで、土木技術者や作業員さんたちの地位はジリジリと向上していくのではないだろうか。
施工の神様からの転載