静的破砕剤が割れない・噴き出す原因と対策|温度管理で防ぐ現場トラブル

皆さんこんにちは。

エンタです。

10月ですよぉ!!!

実質マルッと3ヶ月!今年ももう終わります!!

この時期からとにかく事故に注意です。

焦らずしっかり確認しつつやって行きましょう!


閑話休題

今回は静的破砕剤のトラブルの話です。

手順の話ではありません。

「入れたのに割れない」「孔から噴き出した」「浸けたら膨らんで孔に入らない」

この3つ、静的破砕工をやったことがある人なら1回は経験しているんじゃないでしょうか?

私も何回もやらかしています。

原因を知っていれば、ほとんど防げるトラブルです。

スーパーブライスター


静的破砕剤が割れない原因と破砕不良の対策

まず一番多いのが「割れない」です。

高い材料を詰めて、次の日に見に行ったら何も起きていない。

これは本当にへこみますw

品番と環境温度が合っていない

太平洋マテリアルの製品Q&Aでは、ブライスターは施工する環境温度によって品番が分かれていて、環境温度に合わない品番を使うと噴出現象か破砕不良になると書かれています。

これ結構大事で、冬用の品番を夏に使えば暴れるし、夏用の品番を冬に使えば割れないわけです。

現場で余った箱を次の現場に持っていく時は、季節が変わっていないか必ず確認してください。

春に買った残りを真冬に使う、これがヤバイです。

静的破砕工き

孔径が品種に合っていない

施工事例でも、静的破砕剤は被破砕体の温度と充填孔の孔径で使う品種が決まり、適用範囲外の品種は破砕時間の遅れや噴出現象の原因になるとされています。

削孔径は「大きめに開けておけば安心」ではありません。

ビットが減って細くなっていないか、逆に大きいビットを流用していないか、削孔前に1回見てください。

大きいと余計しっかり詰める必要が有るので材料ロスですし、小さいと詰めるのが大変になりますw

火傷する可能性あるのでサササと作業したいんです。

硬い岩と鉄筋コンクリート

硬岩は割れにくいイメージがありますが、メーカーは穿孔間隔を短くすれば圧縮強度120N/㎟以上の硬岩でも破砕できます。

割れなかった時は、材料より先に孔の間隔を疑ってください。

実際はかなりの割合で割れますよ。硬ければ硬いほどパンッと割れます。

鉄筋コンクリートの場合は、いろいろコツもありますが、鉄筋粘るだけで比較的簡単に割れます。

内部の鉄筋そのものは静的破砕剤では切れないので、サンダーやガスなどで切断。

クラックに膨張圧が逃げる

これはうちの失敗談です。

縦の孔を先に割って、クラックが入った後で横の孔に詰めたら、膨張圧が既存のクラックに逃げて全く割れませんでした。

同じブロックの孔は、全部削孔が終わってから一気に充填する。

これは基本です。

とにかく先行削孔で穴を空けながら、2スパンほど後ろからクスリを詰めて行くと効率が良いです。

静的破砕剤で割れない岩塊と破砕計画の確認イメージ


静的破砕剤が孔から噴き出す原因と鉄砲現象の防ぎ方

一番怖いのは「噴き出し」です。

孔の中で急激に反応が進むと、充填した破砕剤が孔口から勢いよく飛び出すことがあります。

発破や、法面業界では、込め物が飛ぶ現象を鉄砲を打つと呼んでいいますよね。

ノズルでもモルタルの出が悪いときはパンパン言いますよね。

静的破砕剤は音はしませんが、飛び出てきます。

噴き出す主な原因は温度

上で書いた通り、メーカーは環境温度に合わない品番の使用を噴出現象の原因として挙げています。

夏場の直射日光が当たった岩やコンクリートは、表面がかなり熱くなっています。

特に夏場で浸す水が熱いと、反応も早くなり膨張時間が一気に早くなります。

被破砕体そのものを触って、水の温度も気にしながら施工して下さい。

材料を見ずに浸すと材料もその水も温度が上がるので注意ですよ!

静的破砕剤の噴出防止

絶対に孔を上から覗かない

これは絶対ですが、充填後の孔内を真上からのぞかないこと、保護具(防護ゴーグル、手袋、ヘルメットなど)を着けることは必須です。

「割れてるかな?」と顔を近づけたくなる気持ちは分かります。

でも、これで目をやられる事故が起きています。

基本施工として、充填が終わった孔の口にスポンジを詰めて蓋をして下さい。

そうすると無駄な飛び散りもなく、安全に反応して膨張します。

スポンジを入れても噴き出しがゼロになるわけではないので、覗かないルールとセットで考えてください。

近くを一般の方が通る現場なら、シートで養生して立入禁止の範囲を決めておくのが安全です。

シートをぶち破ってまで噴出する事は無いので、とりあえずシートかぶせておけば安心。

砂の入った土嚢袋でもOKです。重さがある分安心感はありますねw

 


パックタイプが膨らんで入らない時の段取り

3つ目は、パックタイプを水に浸けたら膨らんでしまって孔に入らないトラブルです。

パックタイプは水に浸けてから孔に突き込んで充填するタイプで、縦孔だけでなく横孔や水中の孔にも使えます。

使い勝手はとても良いんですが、時間との勝負になります。

浸け置きの水がどんどん温かくなる

パックを次々に同じバケツへ入れていくと、反応熱で水温が上がっていきます。(↑でも書いた)

水温が上がると反応が早くなって、突き込む前にパックが膨らみます。

2〜3回浸けたら水を捨てて、常温の水に入れ替えています。

浸ける時間は製品に同封の取扱説明書に書いてあります。

しっかり水に引っ立ってふにゃふにゃになったらすぐ孔に入れましょう!

パワーブライスター

一度に浸ける量を減らす

もう1つは、浸ける数を「1人が突き込める数」に絞ることです。

一度に10個浸けて、突き込みが追いつかずに後半が全部ダメになる。

これもうちがやった失敗です。

作業員2人なら、浸ける係と突き込む係に分けて、少しずつ回したほうが結局早く終わります。

余裕が少しでも有った方が事故も無いです。

短時間タイプは割れるまでが早い

亀裂が確認できる目安はブライスターで12〜24時間後、パワーブライスターで1時間後、パワーブライスターパックで3時間後です。

パワーブライスターは早く割れるぶん、充填中に後ろの孔から割れ始めることもあります。

側面が開いている岩は、割れた瞬間に倒れる可能性があるので、充填する順番と逃げる方向を先に決めておいてください。

目安の時間よりも気温や状況で早くなったり遅かったりするので注意が必要です。

ただ、出来るだけ早い方が管理する側は安心出来ます。

施工後12~24時間後とか、歩行者や車両の事考えるとありませんw

目の前でドンドン破壊して行き、もう壊れ無いを確認して帰りたいですよね。

静的破砕剤


静的破砕剤のトラブルは、ほとんどが温度と段取りで起きます。

材料が悪いことは、ほぼありません。

割れなかった時に「材料が効かなかった」のではなくだいたいが、孔径、孔の間隔、充填のタイミング、充填の仕方。

これを1つずつ潰していけば、必ず割れます。

静かに割れる工法(静的破砕剤)ですが、それまでは削岩機使うので爆音ですw。

そこは十分理解しておいて下さい。

割れるのが静かってだけですwww

昔、元請に「静的破砕なのにメチャうるせーじゃねーか!」って笑いながら言われたことを思い出します。

飛び散ると、薬剤なので薬品による火傷になります。

安全対策の1つとして、すぐ洗えるように準備しておくと良いと思います。

何か有ったらとにかく、清水で洗う!

 

それではまた。

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