皆さんこんにちは。
エンタです。
周囲ではもの凄く忙しいらしく、法面屋がいないと!
アンカー屋よりも法面屋不足らしいです。
うちにも結構な頻度でお電話頂きます。
うちに電話が来るくらいなのでよっぽどですw
しかし、電話頂けるだけホントありがたいです!
断ってばかりで申し訳無いのですけど・・・
閑話休題
ある若い職人と話しをしました。
彼は現状に不満らしく、経営してる人の意見が聞きたいと。
そして、私が職人仕事もやっているのでその辺も踏まえて会って話がしたいとメールをもらいました。
ある喫茶店で3時間にもおよぶ、馬鹿な話しと会社の現状、自分の現状をイロイロ聞きました。
僕の給料を上げるにはどうしたら良いですか?
恐らくココが一番の不満だったんでしょうw
自分はこんなに働いてるし、先輩よりも動いてる。
法面工ではアレも出来る、コレも出来る。
にもかかわらず、コレだけしかもらっていない。コレじゃ結婚も出来ないですよ!!
いやーもの凄く気持ちわかります。
私も昔思っていました。なんで、あの事務所から出てこないジジイより俺の方が給料低いんだ!?
(特に当時の28歳前後の監督は年収300万前後でしたから)
しかし、ココは経営側として厳しく聞きます!(厳しくは無いけどw)
施工のコレは、出来る、アレは出来る。
じゃぁ最初から段取りして最後まで出来る?
って聞くと、それはやったことが無いと。(やらせて貰えない)
じゃぁなぜこの施工はこう言った事をしてるか知ってる?
この鉄筋はなぜこんな感じに設置してある?
その辺は全く知らないとの事。
その彼を経営側から見た場合は、1人工の仕事は出来てると思われます。
しかし、1人工だけなんです。
デキる職人は1.5人工~2人工程度稼ぎ出すんです。
1人工デキて当たり前の世界では、給料は上がりにくい。それが普通です。
1人工としては合格でも、職人としての深さが足らないんじゃ無いかな?
ってアドバイスしました。
デキル職人は自信の専門仕事の奥深くまで理解している方が多いです。
なぜ、こうするのか、あんな形にするのか?って事を理解しています。
もしも、給料上げたい職人さんは職人仕事の深さを追求して下さい。
なぜ、この施工をするのか、なぜ、この材料なのか?などなど。
コレが職人としての質を上げます。
給料を上げたいのであれば、職人としての質を上げる!
つぎに、施工は出来ても段取りが出来ないのは、仕事半分以下です。
昔から段取り8分、仕事2分と言います。
仕事のほとんどは段取りなんです。
段取りとは準備のことです。
現場に乗り込む時に、親方がアレがいる、コレが必要、などなど機械を選定してトラックに乗せて段取りしますよね。
現地について、機械はココで、鉄筋はあそこに配って、ロープはココから取って、安全施設は・・・
施工順序はあーで、こーでーーーー
ってやっていますよね?
そのあとにみんなでダァーーーっと施工して、ドーーーンって終わるはずです。
今回の現場楽勝だったなーなんて気楽に言ってませんか?w
それはすべて段取りが良かったからなんですよ?
デキる監督の現場ってホント楽ですよね?
それは全てが水が流れるように段取りされているからなんです!!
職人仕事も同じなんです。
段取りできない職人は、親方になれませんし、給料も上がりません!
給料を上げたいのであれば、全ての段取りが出来る事!
今後のり面の職人だけで大丈夫でしょうか?
今の所は大丈夫でしょう。
しかし、これからは絶対に単能工では活躍できない時代に入っていきます!
単能工も必要な部分です。
それだけを突き詰めて行くことに否定はしません。
しかし、若い彼には多能工をオススメです!
若いからこそチャレンジした方がいい!
この相談者が55歳以下であれば私は多能工をススメます!
まだ、聞きに来る時点でまだ大丈夫!w
なぜ、多能工なのか。
簡単に監督目線で言えば便利なんです!
仮にですよ。
1現場にA工法とB工法が2工種あります。
X業者に発注した場合、A工法は出来るがB工法が出来ないので、B工法だけ出来るY業者も呼ぶ必要があります。
しかしZ業者はAもBも施工出来る職人がいるためZに発注します。
2業者にお金を支払うよりも1業者に若干高く出した方が施主も得なわけです。
簡単な事です。
しかも、打合せもその後の工程計画も楽に進んでいきます。
私はこの業界に25年いますが、私が知っている限りでもホンの一握りです。
しかし、そう言った業者を使うと監督はとにかく工程や調整が楽なので、施工管理が良くなります。
そして、業者へのストレスもかなり軽減されます。
良いこと尽くめです。
私はその多能工を彼にススメました。
のり面やりつつ、アンカーもやる。ロックボルトもやる。出来れば写真も撮る。
施工管理の資格も取る。
ここまですれば給料高くて当然です!
しょうが無いんですよ!デキるんだから!!
がしかし、障壁もあります。
年配の方はなかなか簡単に教えてくれません!
削孔覚えるのに、プラントを3年やってとか、手元を何年以上やってとか言い出します。
そうなって来るとかなり厳しいので、多能工を目指す方は他社に行くか、教えてくれる会社に行きましょう。
それしか無いです。のり面を2年やったらアンカーを2年、ってやっていけば10年もすれば完璧に多能工です!!
それ以降は全部を広く浅く仕事していけば確実にベテランになっていきます。
将来に不安があれば多能工になるべし!
多能工は誰でも出来ますか?
できる可能性があります。
が、できる可能性が高い人は人としての視野が広い人です。
施工の中で大事な事は全体を見渡し、全体をある程度把握する能力です。
空間認識能力ってやつです。
現場の状態や関係性を把握出来るかどうか?
コレは非常に大事です。
しかし、コレは常に意識する事で鍛えることが出来るので、現場の状況を常に確認する癖を付けてみて下さい。
そして、全ての現場の責任を負える人です!
多能工になれる人はほぼ親方です!
親方は現場の責任者です。
その現場でのミスを、部下のミスの責任を負う必要があります。
部下のヒューマンエラーも全て上司の責任!
こういう風に思える人はホンモノの親方です!
じゃぁ全てその親方の責任かというと、実際は会社の責任です。
会社の社長の責任です!
それが組織という縦社会の責任構造だと私は思っています。
だからこそ、親方が責任と勇気を持ってガンガン会社に利益をもたらしてくれる。
その、素晴らしい親方に若い職人が着いていく。
この構造が一番健全なような気がします。
多能工は全体を把握でき、かつ責任感のある人がなれる!
こんな話しを私と若者の間で繰り広げられました。
そして、うちの話しをちょっとだけしましたw
うちの場合、吹付からアンカー、ロックボルト、ロープネット工事まで全てうちで完結出来ます。
今はそれが売りw
当然、施工計画から完成書類、建設CALSの全てにおいての施工管理も出来ます。
各種機械もほぼ全て揃っています。
そのうちそれが当たり前になると思います。
が、今はまだ法面班、アンカー班、ネット班、施工管理で分かれている状態です。
しかし多能工の時代です。
全てが完璧に出来なくともある程度まではこなせる職人が求められています。
単能工も必要でしょうけど、圧倒的に多能工には勝てません。
今はこれが最強!(だと思っている)
単能工が多能工になればとりあえず最強になれるんです。
みんなが皆なれることは無いでしょうが、若い方にはチャレンジして欲しいです。
出来る環境に無ければ、チャレンジできる職場に行けば良いんです!
そう言った会社がこれから増えて行けば良いなと私は思っています。
今回はある若者の話の中で非常に学びになりました。
給料アゲアゲでガンガンの職人になりたい!
まだいるじゃん!!本気で職人になりたい若者が!!!
自分の目をしっかりもって、そう言う彼らを応援できる会社にしていきたいと改めて思いました。
迷ったら前へ! by 星野仙一
それではまた。