建設業界の仕事は、やめたくなるほどつらい仕事
「現場をやめたい」。私も何度もそう思ったことがある。当然だ。現場仕事はつらい。体力がいる上に、事務作業の量も膨大である。
業界の人間である私が言っていいものかわからないが、建設業界の仕事はやめたくなるほどつらい仕事だ。私と同じように建設業界をやめたい、現場をやめたいと思っている方は、世の中にたくさんいるだろう。
今回はそんな方に向けて、現場仕事をやめたくなった時にどういった選択肢があるのかをお話していこうと思う。
自分の立ち位置を上げることで現状を打破する
今のあなたの立ち位置はどこだろうか?交通誘導員?現場作業員?親方?施工管理?発注者?材料屋?建設業界と言っても職種は幅広い。その人の立ち位置によって、何がつらいのかは異なる。
作業員の場合は、体がしんどいのかもしれない。親方の場合は、仕事が取れないことへの精神的なつらさかもしれない。施工管理はプレッシャーから来るつらさかもしれない。
もしかしたら、その今の自分の立ち位置を上げることで、環境を変えることができるかもしれない。
例えば、作業員の給料が低くてつらいと感じている人は、独立することで同じ作業量で、今よりも多くの年収を稼ぐことができるようになるかもしれない。一人親方は、法人化することで信用が増し、大きな現場を受注できるようになるかもしれない。
このように、自分の立ち位置を上げる(今の状況を変える)ことで、現状を打破できる可能性があるということだ。
土木作業員から施工管理技士へ転身した私
私の場合、まさに体がしんどくて建設業をやめたいと思っていた人間だ。土木作業員として働きながら、あまりのつらさに将来に対する不安をいつも抱いていた。「一生この仕事を続けることはできるのだろうか…」と。
悩みに悩んで私が出した答えは、土木作業員から施工管理に転身し、資格を取得して転職すること。そして、施工管理技士としてのキャリアをスタートさせることだった。
勉強の甲斐あって、一級土木施工管理技士に合格することができ、私は運よく地場のゼネコンに就職することができた。正直、施工管理技士になったらなったで別のつらさは出てきたわけだが(笑)、それでも前のつらさに比べれば全然我慢できる程度である。
ここで重要なのが、今あなたが抱えているつらさは、耐えられるつらさかどうかということだ。
建設業界でつらいことがない仕事はほぼ100%存在しない。その中でも、自分の中ではこのつらさは許容範囲かどうかという基準があるはずだ。
私の場合は、土木作業員時の体力的なつらさよりも、施工管理で絶大なプレッシャーの中で業務を行うつらさのほうが耐えられると感じたのだ。
今している業務は、建設業界の仕事のほんの一部
仕事がつらくて仕方がないという方へ。今あなたが行っている業務は、建設業界で見ればほんの一部だ。本当につらいならば、他の選択肢は無数にあるということを知ってほしい。
体を動かすことは好きだが、体力的に今の職種が向いていないと思うでのあれば、建築、土木、電気といった別業種もある上に、型枠大工、鉄筋屋、重機オペレーター、レッカー屋など、さまざまな職種が存在している。
もしかしたら他の職種に転身することで、やりがいや自分の強みを見つけられるかもしれない。どうか今やっている自分の仕事だけが建設業界の全てだと思わないでほしい。
建設業界は「面白い」と思うまでに時間がかかる職業だ。自分で仕事を率先してできるようになるまでに、ある程度の時間を費やすからである。
そこを乗り越えることができれば、前まで悩んでいたことが嘘のように、仕事が楽しくなってくることもまた事実だ。その境地に達するまでに、自分が本気で耐えられないと思ったら、他の職種を検討し、いろいろな経験をしてみることも一つの手段である。