崖について(一般向け)

法面工事関係者ではない、皆さんこんにちは。

エンタです。

 

今回はのり面屋向けではなく一般の施工業者ではない方向けに書きます。

プロの方は今回は読み飛ばしでw

 

我々業者が言っている法面(のりめん)とは一般用語で崖(がけ)です。

と言うか、崖(がけ)が一般的で法面(のりめん)が特殊です。

崖というのが正しいですね。

これも崖です。

絶景の崖ですね。

 

よく一般の方に聞かれるのですが、私の家の崖は崩れますか?って言われます。

で、私は基本的に今まで崩れた事が無い崖で有ればそのうち崩れますと言っています。

基本的に崩れない崖は無いと思っています。

何かしらの要因があればいつでも崩れる可能性はあります。

崩壊確率10%なのか、60%なのか80%なのか??わかりませんけど。

今回の様な西日本の大雨で崩れた山は今まで崩れていない山が崩壊しています。

テレビで見てものり枠工などの施工が終わっている山はほぼ崩れていません。

 

と言うのも、我々のり面業者が施工している山は実は崩れた山の表面を保護している事が多いのです。

もう滑る確率低いのにw

なぜ低いかと言うと、すでに崩れているので崩れるモノが無いのにのり枠とかやってます笑

なので施工後に滑る確率は非常に低いという事です。(のり枠などで山に圧力も掛けていますし。)

切土のり面は別です。(高速道路などの左右の法面の事)

もしも、あなたのお宅の裏山が昔崩れておらず、

左右の山が崩れていた場合、次に崩れるのはあなたの裏山の可能性は高くなります。

全く同じ崖であっても結局は崩れるモノがある所が崩れやすいという事です。

 

じゃぁ対策はどうすればいいか?

と言われると、とりあえず簡単に言える事は引っ越す。ですw

コレが最高なわけですが、そうも行きません。

一般的に、民家裏の崖が崩壊する場合は大体が表層崩壊と言われるものです。

表層崩壊は山自体が雨などで飽和状態(水を沢山含み空気が無くなる)となり、

山の表面の土砂を水が浮かして吹き飛ばし崩れる現象です。

なので、比較的浅いところで発生しますが、家は横方向からの荷重に弱いので倒壊するのは当たり前です。

家は地震などの揺れには強いかも知れませんが、真横からの衝撃には弱いんです。

家が座屈するって感じですね。

座屈とは

 

簡単な話、飽和状態にしなければ良いので水を抜く(不飽和状態)事が一番です。

その上で、適切な補強を入れれば崩壊する可能性は各段に下がります。

 

最近この手の質問が多いので一般向けに書いてみましたが、あくまでも例です。

と言うのも、山のサイズ感や表土の状態などを確認しなければハッキリもわかりませんし、

元々ハッキリわかる事も少ないのが現状です。

 

我々のり面業者が通常施工している崖ですらハッキリした事が分かっていません。

ただ、経験値を数値化してやっているだけで、この位で大丈夫だろうって感じです。

安全率が1.2倍とか言っていますが、コレも実は??って所もあるんです。

想定滑り線って言う摩訶不思議なココが滑る的な線も設計で引くのですが、コレも実は??って感じです。

この線を引かないと設計出来ないのですからw

 

そのくらい曖昧な世界です。

しかし、ハッキリ言える事は崩れない山は無いって事です。

みなさんの家裏の山も滑る確率はあるんです。

ただし、30度以下の勾配であればよっぽど大丈夫かと思われますけど、ゼロではありません。

 

自宅の裏山が気になるようでしたら、

のり面業者(施工会社ではだめです。設計や調査が出来る会社)に見てもらって下さい。

しかも、数社に見てもらった方が良いです。

そして、せかす業者や、不安をあおる業者はやめておきましょう。たぶん、素人ですw

しっかり、なぜこうなるのか、なぜこの工法が良いのか、など詳しく説明出来る所をオススメします。

 

今の時代、セカンドオピニオン的に施工業者も考えた方が良いです。

 

それではまた。

 

  • B!

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