皆さんこんにちは。
エンタです。
数年前から増えている民間工事で石垣や民家裏の狭小法面の調査に行くことが多々有ります。
我々で言う急傾斜地崩壊対策工事のもっと小さい版ですねw
すでに崩れていたりする事が多く、法肩のクラックや中抜け状態は結構多いです。
古い石垣・石積の場合は中抜け(内部の土砂が抜けている)が多く、軽く石を引っ張れる状態の所が多々有ります。
すでに抜けて危険な所も有るのですが、応急処置的に対策する方もいます。
そんな時に、出来ればやって欲しい事があります。
この写真はGoogleから引張ってきたのですが、コレを家の裏の崩れた法面だと思って下さい。(緑の土嚢は緑化用)
公共工事の場合の永続的な安定を考えるのですが、民間の場合はとりあえず応急処置が多いので応急処置が少しでも長持ちする方法を教えます。
簡単に安くしようとするには崩れた場所に土嚢を積む事が一番だと思います。
その際に使用する土嚢を必ずUV土嚢にして下さい。
UV土嚢とはこの様なモノです。
だいたいが黒です。たまに透明ぽいモノもあります。
通常の土嚢はだいたい半年もすればボロボロになります。
このUV土嚢は3年~程度保ちます。(もっと長くを希望するなら2重にするともう少し長持ちします)
その間に状況は変わりますし、イロイロと検討できると思うのでオススメです。
そして、もう1つはこの土嚢に入れる砂や土砂にセメントを混ぜて欲しい。
用地(境)の関係を考えれば土嚢を積んだ上に何かをすると言う事の方が現実的です。
その為に土嚢の中の土の強度を上げておいた方が良いです。
法尻(崖の下)部分がだいたいが境界境になっており、石積や崖の場合角度がキツイので他の工法が取りにくい為です。
下手な工法を行うと越境(境を超える)する可能性が十分にあります。
崩れた土砂(強度無い)を土嚢に入れたところでまた崩れます。
であれば崩れない様に強度のある土嚢(土)をしっかり積み上げた方が確実に元の石垣よりも強くなります。
配合は1:3とか1:4程度で十分です。
土木業界ではソイルセメントとも言います。
土嚢を千鳥配置に組み上げて、たまに水抜き用のパイプを地山に刺しそのクチを土嚢よりも前に出して下さい。
本来であれば、透水シートを張るのが良いのですが、あくまでも仮設であれば問題無いです。
上記写真にも水抜き用のパイプが出ていると思います。
パイプの数は適当で良いですが、VP50を1m2~2m2に1個程度で十分です。
たったこれだけで、かなり安定します。欲を言えば部分的に鉄筋を山に打ち込んで土嚢の引っかかりがあるともっと最高ですね。
山の重量を土嚢で押さえつつ余分な水は外に排出する事で内圧(飽和状態)を低下させ軽くする事で崩壊防ぐことが出来ます。
せっかく仮設で土留めをするのであればしばらく検討の余地を作れるような、またそのまま土台となれるような対策をして下さい。
民間だとお金の問題なども有るのでとりあえずの対策でも少しお金をだして対策する事でその後の工事がかなり予算削減できます。
自宅の崖がヤバイ、崩れそう、石積が抜けてる、中がスカスカって時に自分で出来る方法としては土嚢積みです。(小さな押さえ盛土程度)
それ以外は素人では難しいと思うので辞めた方が良いでしょう。
すでに危険な場合は専門家やプロに相談して下さい。
それではまた。