依頼者急増中?「書類作成代行」は業務効率化や残業削減の一助となるか(施工の神様より)

ちらほら耳にする「書類作成代行」とは

先日、『建設業界も例外じゃない。SNSで仕事を受注する会社や個人が増えてきたってホント?』という記事を書いたが、SNSで建設関係の方々とつながりを持たせてもらう中で、あることを知った。

それは、建設工事の書類作成業務の代行を生業とする方々が増えてきている、ということだ。

書類作成代行を請け負っている方に以前話を聞いたことがあるのだが、全国から依頼があり、請け負っているのは規模が大きくない工事ではあるものの、開業1年目から多くの実績を作れたと話していた。ちなみにその方は地方にお住まいで、首都圏を主戦場としているわけではない。

他にも、別の地域で書類作成代行を請け負っている方に会いに行ったことがある。その方は、普通に工事を請け負いつつ、別事業で書類作成代行も行っていた。その方を見ていても、書類作成代行のニーズは思ったよりも高そうだと感じた。

作成代行してくれる書類の種類

作成代行してくれる書類は、以下の内容が多いようだ。

  • 施工計画書
  • 品質書類
  • 安全書類
  • 写真台帳
  • 出来形図
  • 数量計算書
  • 中間検査、竣工資料

もちろん企業や個人によって、作成可能な書類とそうでない書類があるようだが、こうして見てみると、いずれも工事を行ううえで欠かせない書類、しかも、作成にかなり手間がかかる書類ばかりだ。

これらの書類を作成するために、長時間の残業をしている技術者もたくさんいるに違いない。聞いた話によれば、昼間は現場に出ているから書類は夜に残業して作成している、という現場もまだまだ多いようだ。

人手不足や働き方改革を背景に、今後も増える可能性あり?

建設業では人手不足が言われて久しい。加えて、残業時間の上限規制適用が2024年に迫っていることもあり、これまでの働き方を変えなくては今後その会社は生き残れない。

大手の建設会社でも、残業時間の削減や業務効率化の一環として、外注できる部分は外注しようとする動きがみられる。たとえば、図面作成や数量計算書作成といった業務は、設計会社でも対応が可能であり、作業が可能な会社を探してはアプローチしている建設会社・現場があると聞いた。

また、建設コンサルタントの中には、建設会社の現場支援をメインに行っている会社もあり、私自身その会社とやり取りをしたことがある。そういった会社であれば、図面や数量はもちろん、検討資料作成や検査資料作成といった業務も代行可能ではないかと考える。

一方で、ただ外注するだけでは、残業時間削減の効果がどれだけあるのか疑問が残る。外注先からあがってきた資料を検証する時間は必要だろうし、場合によっては修正作業が発生することも考えられる。また、依頼するために必要な資料を取りまとめる必要もある。

完全に手間暇がなくなるというわけではなさそうだが、残業時間の上限規制適用まで残り1年半だと考えると、何かしら対策を打たないと手遅れになる。それならば、「書類作成代行」を検討してみるのもアリではないだろうか。

 

施工の神様

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