今日も聞こえてくる職人たちの愚痴
現場のユニットハウスから、今日も職人たちの愚痴が聞こえる。
「現場監督は楽でいいのぅ」
「段取りが悪いから仕事が進まんわい」
現場監督に対する愚痴がまあ出てくる出てくる・・・。
確かに、時には段取りが悪く、私たち現場監督が謝らなければならないこともある。しかし、それだけじゃなく、他責すぎて呆れる業者も存在することを話したい。
少しは図面を自分たちで読め
私は切実に思う。施工者として図面をしっかりと読んで欲しい、と。
現場監督は暇ではない。現場のことと同時進行で、様々な問題を並行して解決している。つまり、任せられる業務は任せたいのだ。
現場でポイントや高さをみることは私たちの仕事ではあるが、図面を見ればわかる寸法の質問などは正直控えて欲しい。はっきり言うと、これからの時代、言われなければ施工ができない業者に需要はない。
私たち現場監督が現場につきっきりで、細かく全ての箇所を説明することが当たり前だと思っている施工業者が多すぎやしないだろうか。図面を読む力がないのに、現場監督に責任転嫁しないで欲しいとさえ思う。
それって本当に現場監督のせい?
口を開けば「現場監督の段取りが悪いから」などと言って、仕事をしない施工業者もいる。彼らの言い分は最悪なものだ。
現場監督のミスで、材料搬入が遅れてしまうことや工事がストップしてしまうことは、もちろん我々現場監督の責任である。しかし、工事を行うにあたり必ずしなければならないことで、少し作業を待ってもらうような、仕方がない場面もある。
例えば、土木工事でいえば、過積載防止の証明をするために積み込み前にダンプトラックの検測を行う。これは、工事を行ううえでしなければならないことだし、重要なことだ。これを行なっていると、「工事が進まない」「段取りが悪い」と闇雲に嫌な顔をする人間もいる。
段階確認等の立会もそうだ。工事を進めていく中で、発注者との立会がなければ進められない工程も出てくる。それにもかかわらず、「工事が止まるから、現場監督の段取りが悪い」と言ってくる人間もいる。
施工の神様の記事ではないが、「お前が管理をやってみろ」と言いたくなる。仮にそう言うと、「お前が施工をやってみろ」と水掛け論になるので、あまり言いたくないのだが・・・。
誰のせいでもなく、安全安心の工事を行うために、仕方がない内容で工事がストップしてしまうことは絶対にある。それを全て「現場監督のせい」にするのはどうなのだろうか?
お互いが譲り合わなければ成立しない
擁護するわけではないが、私たち現場監督は、職人さんに影響のある直工費の部分に一番気を使っていると言っても過言ではない。やはりきつい仕事をしてもらっているので、可能な限り予算の中で捻出したいと考えているからだ。
しかし、工事の内容や市役所の積算によっては、どうしても思い通りの金額を払えないことだってある。そんな時に、手のひらを返したように「あの監督はダメだ」と言っている社長さんに、あなたは出会ったことはないだろうか?本当に悲しい気持ちになる。
工事で思い通りの金額が払えなかった時には、次こそは条件の良い工事を回そうと考えているのは紛れもない事実だ。だが、それは相手には伝わるわけもなく、思い通りの金額が払えなかった時には、仕事ぶりは関係なく「使えない現場監督」と判断されることが多い。
建設現場では、いまだに古い考え、馬鹿らしい体育会系の考え方、リテラシーの低い人間がまだまだ存在している。なんでもかんでも現場監督の段取りのせいにするのは楽なのかもしれないが、それで良いのだろうか。
もう少し、譲歩する考え方を持てる人間が増えることを祈っている。